
🇨🇳#10 山西・平遥の古城ダンジョンで迷子になる
わたしが上海で必死になって旅計画を組んでいる時、そばには友人のサアヤがいた。
わたし「河南省はどうしようかな…鄭州は大都会だから、あんまり行きたくないな」
サアヤ「じゃあ、ピンヤオに行きなよ!」
わたし「ピンヤオ…?」
サアヤ「鄭州のすぐ近くの平遙。昔旅行で行ったんだ。古い街並みがあってすごく感動した」
わたし「わかった。そうする!」
…
おい、サアヤ…。
平遙は河南省ではなく、山西省じゃないか。
しかも、鄭州に全然近くないぞ…。
しかし、気づくのが遅かった。
わたしは自分で調べもせず、サアヤの言葉を鵜呑みにして平遙ルートで予定を組んでしまったのだ。
(平遥が河南省だと思っていたので、平遥の後に山西省・太原に寄って二つの省をクリアしようと思っていた)
そして、わたしの計画では、この土曜に内モンゴルの草原へ行く予定なので、現在の北方面ルートではもう河南省が回収できない。
結果、後半戦に河南省という課題を残すことになってしまった。
ガーン。。。
ということで、西安から新幹線で3時間、夜8時に山西省・平遙に到着したわたしは、今回の旅で今のところ一番安い110元(2200円)の民宿へと向かった。


宿のおじいさんはとても親切で、チェックアウトの際には、瓶のお酢をくれようと追っかけてきたが、荷物を増やしたくないので丁重にお断りした。
だけど、気持ちが嬉しいよ。
ありがとう、おじいさん。
平遥の人たちは特に親切な印象だ。
ところで、どうやら昨夜、クリーピーナッツの「二度寝」を聴きすぎたのが良くなかったようだ。
つまり、5時に目覚めたわたしは軽く仕事をして、8時頃再び眠ってしまったのだ。
(8時半前に宿を出る予定だった)
結果、ホテルを出たのは再び目覚めた9時半過ぎ。
列車の出発時刻(11:35)を考えると、現在いる北門付近から観光しながら南門を目指し、10時半にはタクシーに乗りたい。

北門から南門までは点在する赤丸の主要スポットを見ながら歩くと最低1時間はかかる。
しまった、ギリギリだ。
しかし、この古城ダンジョンがなかなか手強かったのである。
まず、街並みが大体同じ。

おまけに、わたしは地図が読めない左脳または無能人間なので、GPS機能を使いながら進むのだが、街並みに見惚れているうちについつい道を間違えてしまう。
そもそも、学生時代、体育の授業だけはなぜか多摩奥地のキャンパスで(普段は23区内)、バイクで埼玉から多摩へ行くと必ず帰り道に横田基地あたりで迷子になり、いつまでも埼玉に帰れないことが頻繁にあった。
また、白根山で遭難して、しにかけたこともあるような極度の方向音痴なのだ。
「リレミト…」
(※)ドラクエで自分がいるダンジョンから一瞬で脱出する魔法。
わたしの「リレミト」は、古城の路地に虚しく吸い込まれていった。

とりあえずは落ち着こうと思い、時間がないのに謎に朝ごはんを食べてみる。
テスト前に部屋の掃除を始めるようなものだ。
さて、道は大体わかったが、相変わらず荷物は重く、出口は果てしなく遠い。
もう予約した列車に間に合わないと覚悟したわたしは、仕方なくスマホで新幹線を一本遅らせた。

ようやく脱出。
しかし、城を出ても苦難は続いた。
わたしは、この街でまだ「各省でご当地グルメを一つ食べる」ルールを達成していないため、平遥名物の平遥牛肉を買いたいのだ。
いや、実は古城の中にもたくさん売っていたのだが、高いな…と思っているうちにうっかり城を出てしまったのである。
そこで、まずは大通りに出ようと、城を背にそのままひたすら直進してみた。
すると、謎の廃墟エリアに迷い込んでしまったのだ。


さて、しかし。
どうやら青海で開眼したわたしには、かみさまが味方についているようである。
ひたすら廃墟エリアを直進し続けたわたしに奇跡が訪れたのだ。

一瞬、砂漠の蜃気楼か何かかと思ったが、突如、わたしの目の前に都合よく露天販売の牛肉屋が現れた。
地図にはのっていない店なので、全くの偶然だ。
しかも、先ほどの古城内では48元(960円)もした牛肉が、20元(400円)で買えたのである。

こうして平遥名物、平遥牛肉を手に入れたわたしは無事、河北省・石家庄行きの新幹線に乗車したのであった。
旅はつづく

現在の総移動距離 約11000km
現在の33地域クリア率 33分の8
降り立った都市 12
①上海②新疆ウイグル自治区(カシュガル/ウルムチ/トルファン)③甘粛(敦煌/蘭州)④青海(西寧/海南チベット族自治州)⑤寧夏回族自治区(銀川)⑥陕西省(西安)⑦山西(平遙)⑧河北(石家庄)
飛行機 2回
新幹線 4回
寝台列車 3回
普通列車 0回