#40 新宿二丁目でオネエと猫系男子と昼飲み耐久八時間の日曜日
タイトルを書きながら、自分の年齢を顧みない、しょーもない休日の過ごし方に呆れ返ってしまい、このまま日記を書き進めるべきか否か悩んでいる。
しかし、恥に恥を重ねて恥ながら生きるのがわたしの人生というものなのだから、仕方がない。
翻訳の仕事がまだ全然終わっていないけれど、このしょーもない日記の方を優先して書こう。
とある日曜日。
「白丸さん日本無事帰還会」を大学時代の友達二人が開いてくれるというので、新宿へと向かった。
この友達というのは、わたしが二十歳でベビ子を出産した後、上海駐在妻一年、東京の商社で受付のち事務として二年つとめ、24才で復学した二回目の大学生活の同級生なので、五歳年下である。
一人はグミというオネエ系で、神奈川県の某行政機関勤務。
もう一人はクリちゃんという猫系男子で、テレビ局勤務だ。
恐らく、彼らは最も高頻度で会う友人であり、娘のベビ子とも仲が良い。
特にグミに関しては、ベビ子を幼少期から可愛がってくれていて、二人は15年前に「ベビ子のハタチの乾杯はグミとする」ことを約束し、お互いにしっかり記憶している。
(約束の日は来月か…)
新宿到着。
クリちゃんはわたしとグミとは属性が異なり、きっちりかっちりタイプの人間なので、日曜日の東京が雨であることを事前に把握し、地下道で動けて駅近で飲めるということで集合場所が新宿になった。
店選びはグミの担当。
しかし、グミは当日になってから、自分の活動拠点である新宿二丁目のお店を指定したのである。
(二丁目は新宿駅から遠い)
そうして、開始前にすっかりクリちゃんの機嫌を損ねてしまったようだ。
グミ「ごめん、ごめん、ごめーんってば!」
クリちゃん「…(怒)」
わたし「まあまあ💦」
餃子がおいしかったので、なんとか機嫌を直したクリちゃん。
クリちゃん「みそちゃん、中国一周無事でよかったね」
グミ「ほんと〜よかった〜。日記読んでたけど、危ないこととかなかったのー?」
わたし「うーん、特にないよー。マカオのホテルで向かいの部屋の男の人が声かけてきて気持ち悪かったくらいだなー」
グミ「アタシは〜こないだ沖縄のホテルで偶然出会った52歳と熱い夜を過ごしたよ〜見てみて〜」
そう言ってスマホを取り出すグミ。
クリちゃん「グミ、キモい。メシマズになるからやめろ」
わたし「へ〜イケメンだね」
グミ「火曜日会うのは32歳。こっちは超イケメンだよっ」
またしてもスマホを餃子の上にかかげる。
わたし「おー…確かに俳優みたいじゃん」
グミ「クリさんもイケメンだけど、身長低いからなー。クリさんはまだ彼女なし?」
クリちゃんはイケメンだが、理想が高いのか、長年彼女がいない。
クリちゃん「恋愛とか今は面倒くさい」
わたし「出会いないの? 紹介しようか?」
クリちゃん「んー、会社に新人入って、顔は可愛い。だけど、なあ…」
グミ「だけど、何なの?」
クリちゃん「好きなアーティスト、優里なんだって(失笑)」
わたし「何がダメなの、全然普通だし、可愛いじゃん。私もシャッター歌えるよ」
クリちゃん「朝もさ、スタバの新作飲みましたー?とか聞かれるんだよ。俺、なんて答えればいいの? もうさ、全く文化が違うんだよね」
グミ「クリさんは背低いのに、そうやって自分が高いところに立ったつもりで人を見下すのがよくないよ」
わたし「いや、違うな。あえて話題にしてるから、その子を気にはなってる。少なくともビジュアルには高評価。クリちゃんはさ、若くて可愛くて且つ賢くて面白い子にこだわるから彼女見つからないのよ」
クリちゃん「みそちゃん、怖。その通りです」
二軒目、鳥メロ。
我々の後ろの席にイケメン4人組が座ってくる。
わたし「(小声)まさか、あの4人組もそっちのひと?」
グミ「そうよ〜っ! ここどこだと思ってんのー? 二丁目よ〜っ」
わたし「シーっ、グミ声でかい。手前の2人とかめっちゃ美形じゃん。女子からもモテると思う」
グミ、おもむろにスマホを取り出す。
画面には、今見ている後ろのテーブルのイケメン男性の写真。
わたし「どうゆうこと?」
グミ「ゲイの出会い系アプリよ〜。6m以内にいるって出てるわ〜。よーし、いいねしとこっと」
わたし「お、おお…ゲイ界隈、アツイね…」
グミ「そうよ〜っ! そうなのよ〜っ!」
ということで、気の置けない友人たちと、二丁目でしょーもない会話をしながら八時間飲み倒した日曜日であった。
今週こそは遊ばずにしっかり働きます…。
キリッ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?