東京鬼リピ店vol.6 コスパ最強!行列覚悟の神楽坂高級焼肉店の昼メニュー
実はもう五日、炭水化物を食べていない。
十代後半のスリムな女の子からしたら、「そんなの当たり前ですけど」なのかもしれないが、わたしは自称・グルメもどきの食いしん坊万歳な四十才である。
いや…嘘をついた。
先週日曜日にカラオケ・パセラでトーストを食べていた。福包の餃子も二十個ほど。
なんなら一昨日はタリーズでレモンパスタを食べた。
都合良く、炭水化物に小麦が含まれるという事実を忘れていたようだ。
※この日記は三日前に書かれて放置されています。
「あー、コメ食いたい…」
西武新宿線のプレハブ小屋みたいなビジュアルの最寄駅ホームで、わたしはひとり心の中で呟いた。
すると、隣に立っていたかなりご高齢な男性が訝しんでこちらを見てきた。
サイレントだったつもりが、音声として発していたようだ。
さて。
口にした途端、その想いは欲望の渦としてわたしの五臓六腑を駆け巡った。
コメ食いたい…
コメ食いたい…
コメ食いたい…
Blaahh!
そうなのだ、わたしは今、無性に白米が食べたいのである。
その時、メールが鳴った。
白丸みそ子という人間は、厚顔無恥、「遠慮」という言葉を知らないようだ。
人(田中さん)の壮行会の会場を、自分の気分によって決めたのである。
やった、これで明日はコメ解禁だ!
焼肉にはコメ、白米に限る!
しかし、待てよ。
行くのは、大人のいい店激戦区・神楽坂の焼肉だ。
そして、奢ってくれるのは、有り余る富を築いた勝ち組社長ではなく、借金二千万・ギリギリで会社を経営している八十才のF社長だ。
ごめんね…🥺
そういえば、F社長依頼の、某県某議員の政治史ゴーストライターの仕事断って、ごめんね…。
諸々仕事がたてこんでいてストレスMAXで、抗争とか逮捕とか派閥とかと向き合う自信がないのだ。
何かを書けというのなら、うまい、たのしい、きれいだけでお願いしたい。
うん、今抱えている、遊び倒したせいで納期ギリギリの仕事たちが片づいたら、きっとF社長をお手伝い・恩返ししよう。
翌日。
やって来たのは、神楽坂の飯田橋駅方面口からほど近い焼肉店KAZU。
神楽坂ランチの超超超人気店である。
ちなみに、白丸みそ子的にはKAZUが神楽坂で一番美味しい焼肉店だと思っている。
とか偉そうに言ってみたが、この店以外、神楽坂では他2店の焼肉屋にしか行ったことがなかった。
さて。コメとニクが楽しみすぎて、11:45待ち合わせなのに11:25に着いてしまったぞ。
仕方なく、近くのゲーセンで時間を潰す四十才。
集合時間5分前になり、ようやく店へ向かうと長蛇の列の先頭にF社長がいた。
なんと、本日のお会計をする人が、開店30分前から4人掛け席を取るために並んでいたらしい。
重ね重ね、ご、ご、ごめんなさい…。
ところで、KAZUがランチタイムに大行列になる理由は、恐らく、肉丼メニューが大変お得だからである。
しかも安いだけでなく、肉も上質なのだ。
やはり、(借金返済に追われる)F社長に高級焼肉を奢ってもらうのは恐縮なので、炙った肉に白米という願いは次回として、リーズナブルな丼ランチメニューで済ませよう。
コスパ最強の丼ランチメニューたち
ローストビーフ丼。
いや、これユッケですよねというやわらかなお肉。
ほとんど生ですよ、生。
そして、肉に絡めた刻み玉葱と黄身、甘辛ダレが絶妙!
こちらは肉丼。
ランチの二大人気メニューはローストビーフ丼とサガリ丼だけど、わたしはこれが食べやすくて好きだ。
少年漫画のキャラみたいに、お椀抱えてかっこみたくなる。
ちなみに、切り落とし肉とは言え、A5級なので、高級焼肉を食べている感がある。
それにしてもKAZUさんコスパが良すぎるぞ。
F社長はカネはないけど太っ腹なので、結局、夜メニュー(普通の焼肉)を追加することになった。
きめ細かいサシが入ったハラミは、儚い雪のよう…。
何回か咀嚼して肉の味わいを愉しむと、あとはバターかって具合に、口の中でとろけます…🤩
神様ありがとう! のシャトーブリアン
ラストには、シャトーブリアンが登場!
ヒレ肉自体が🐮さんの3%に満たないというのに、このシャトーブリアンちゃんは、ヒレ肉の真ん中、幻とも言われる最高級部位。
やはり、このように素晴らしいお肉は、表面をさっと炙っていただくことにする。
ジリジリ🔥パク…。
とても赤身とは思えない繊細な食感。
濃厚な旨みが口いっぱいに広がる…。
神様ありがとう…。
あと、F社長、いつも美味しいもの食べさせてくれて本当にありがとう…。
人生いろいろあったけど、今日まで生きてきてよかったと思う。
シャトーブリアン…君に会うためにこの時代、この場所に生まれてきたよ。
それくらいの美味。
で、ダイエット中の白丸みそ子さん、大量のコメだけでは飽き足らず…。
「日が入らない部屋で食事していたので、昼夜を取り違えて酒を飲んでしまった!」
という言い訳で、ハイボールをしれっと注文。
結局、午後の顧客訪問(営業担当に同行)では、自分の臭いが気になり、出来るだけ顧客に近寄らず、開口せず、何をしに来たのか分からない存在としてやり過ごしたのであった…🫥
おわり