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#73 しょーもない賭け

深圳でのミッションを終え、ただいま無錫空港に到着。
これから昔取引があった蘇州の日系企業を訪問して、明日・明後日は上海に滞在して日本へ戻る予定だ。
中国語をひと言も話せないTさん(出張仲間)はどうしたのかというと、「身振り手振りで福田口岸を目指して頑張ってください」の激励の言葉をおくって、深圳に置いてきてしまった。
そう、秘書というのはじょーだんで、実際にはプロジェクトのメンバーなので、後は自力で頑張っていただきたい。

そんなTさんと深圳滞在最終日にした「しょーもない賭け」の話。

このプロジェクト(某家電の販売)の出資者であるZ社長は日本語が話せる中国人だ。
そして、Z社長には独特の日本語の言い回しがある。
その一つが「しょーもないから」である。

本人は「どうしようもないから(諦める)」の意味で使用しているようなのだが、Z社長はやたらこの「しょーもないから」を会話で連発するのだ。

そして最終日、朝から夕方までZ社長とミーティングの予定があったわたしとTさんは、ある「しょーもない」賭けをした。
それは、今日、Z社長が「しょーもないから」を何回言うか当てるという「しょーもない」ものだ。

白丸の予想:10回
Tさんの予想:6回

朝一ミーティングがスタート。
Z社長「テレビショッピングはダメならダメで、もうしょーもないから」
笑いを堪える白丸。
Z社長「⚪︎⚪︎の倉庫の費用は、しょーもないからということで」
黙々と正の字で記録を続ける白丸氏、その横で焦りの色を見せるTさん。

昼前、予想以上のハイペースで発せられる「しょーもないから」に焦り、負けを回避したいTさんは、奇策に出た。
Tさん「いや、大丈夫ですよ。交渉してみましょうよ!
どうやらZ社長を、悲観的な(しょーもない)気持ちにさせないという作戦のようだ。
ならばこちらも対抗して、「しょーもない」を煽ってみようではないか。
白丸「ほんと、しょーもないですよね!

白丸、もう自ら「しょーもない」を使う作戦に出る。
煽られたZ社長「⚪︎⚪︎の件は、しょーもない、しょーもない、しょーもないよ!」

まさかの三連発「しょーもない」デターーー❗️
(゚∀゚)

結果、朝から夕方までのミーティングで発せられた「しょーもない」はおよそ20回。

白丸「こ、この戦い…引き分けということで…ハアハア…」
Tさん「ああ…まさかこんなにしょーもないが出るとはな…」

_:(´ཀ`」 ∠):

こうして白丸みそ子のしょーもない深圳出張は終わったのであった。

おわり


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