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20年後も、ミシンと共に健康に。

靴の中で一番目立つアッパー(靴の上部)の表面を滑らかに走るステッチ。

靴のパーツ同士を
縫い合わせている糸目のことですが、
使う糸の太さを変えたり
糸目の幅を変えてみたり
はたまた、革とは違う糸色を使ってみたりと
靴の表情を変えるのにも一役買います。

▼ 自己紹介
  伊藤孝 / シロクロ製靴

そんなステッチを縫うミシンのお話。
靴作りで使われるミシンは
家庭用のミシンとは違い、
机と一体となった大きなもの。

さらに、その机には動力となる
ラグビーボールほどの大きさの
モーターがついています。

生地と比べて強靭な革を
重ね合わせ縫うためには
そんな大きなモーターが必要なのです。

さらにもうひとつ、大事なものが
このモーターを制御する
サーボと呼ばれるコンピューター。

例えるなら
車のブレーキに相当するもので、
付いているといないとではで
縫いの難しさに格段の違いがあります。

想像してみて下さい。
ブレーキ無しの車を運転することを。

最初に買ったミシンは
靴の専門学校に通い始めてすぐに
当時乗っていたバイクを売り、
そのお金で買った
サーボの付いていないミシンでした。

バイクのように乗りこなしてやるぜ
(実際はバイクの運転も下手です)
という意気込みで買ったミシンでしたが
操作の難しさに挫折。
早々に部屋のオブジェと化しました。
(今思えばただの練習不足。
 ミシンのせいではありません。)

数年後、少しお金に余裕が出来たとき、
サーボ付きのこのミシンに買い替えて、
かれこれ、10年以上の付き合いになります。


他にも便利な機能の付いた高額なミシンもありますが、
私にとって一番縫いやすいのは
身体に馴染んだこのミシン。
性能ではありません。
(けどサーボは必須)

アイボリーの色合いも
角の取れたフォルムも
温かみを感じさせ、
気に入っている要素のひとつ。

この先、買い替えることは
もう考えられません。

こまめにオイルを挿し
丁寧に扱えば
何十年と動いてくれるミシン。
あと20年くらいはお互い健康に
働くことを目標に

働きもののミシンには
少し多めに油を挿して。
胃もたれ気味の私には
野菜多めに脂を抜いて。
明日の作業に備えます。


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