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ご意見箱へ出した手紙7/13

拝啓,
○○病院「ご意見箱」係 ご担当者様

平素より大変お世話になっております。
私は乳がん患者として,4月より○○病院で治療を受けている者です。このたびは,私の治療に関する重要な問題について,このご意見をお送りいたします。

まずは,いつも私の病気に対して的確な診断と治療計画を立て,プロフェッショナリズムと温かい人間性をもって支えてくださる乳腺外科の先生がた,また私の身体的な不快感や不安を軽減するためにご尽力くださり,治療に伴う心理的負担にも優しさと思いやりで寄り添ってくれる看護師の皆様,ならびにいつもご親切に対応くださる病院スタッフの皆様へ,心よりの感謝を申し上げます。

さて私は,現在,抗がん剤治療の一環として頭皮冷却を希望しています。

頭皮冷却は,抗がん剤の副作用である髪の毛の脱落や毛根の壊死を抑える効果があることが示され,近年,がん治療の現場において取り入れられています。とくに比較的若年の女性が多い乳がん患者の心理的負担を軽減し,QoLを保つ上で非常に重要な手段です。しかしながら現在,○○病院で抗がん剤投与の際の頭皮冷却を希望する場合,入院で行うしかなく,外来で頭皮冷却を受け付けることはできない旨を伺っております。

入院での治療は患者にとって,社会的にも経済的にも多くの負担を伴います。がん治療の発展により,強い副作用をコントロールする手法が開発され,抗がん剤の外来投与が可能になってきているところです。
私自身にとりましても,家庭や仕事への責任を考慮しなければならず,度重なる入院による抗がん剤投与は,現実的な選択肢ではありません。治療を継続するための経済的な基盤が揺るがされる事態も予測されます。

また,現在計画されている私の抗がん剤のスケジュールは,入院で行うには適さないため,抗がん剤の種類を変更する必要も生じるとのことです。そうなった場合は,期待される治療効果が低くなってしまうという,治療へのダイレクトな不利益が生じます。

以上のことから私は,抗がん剤投与に関しては外来での治療を希望していますが,外来で頭皮冷却を受け付けていただけない場合には,社会的・経済的・身体的・精神的な負担を被ります。

頭髪の脱落は,抗がん剤治療の他の副作用と比較すると,目に見えやすいものです。私の場合は治療のため,無念ではございますが,乳房の摘出を避けることが叶いませんでした。けれども頭髪の脱落や毛根の壊死に関しては,頭皮冷却という方法で低減させることが可能です。

この方法を用いることで,私の生活の質は向上し,社会との繋がりも保ちやすく,治療へのモチベーションも高まることでしょう。がんという病気により,思いも寄らぬ負担がのしかかり,自信も気力も失いそうになる中,頭皮冷却による頭髪の温存に取り組むことは,私自身の自信や希望の回復につながると信じています。

このような現状を踏まえ,私は,信頼する○○病院において,外来での抗がん剤治療時に頭皮冷却を受けられるよう改善を求めます。私の要望は,他の多くのがん患者にも共通するものであり,多くの人々が同じ問題に直面している可能性があると考えています。

頭皮冷却を伴う抗がん剤治療は,乳がん患者にとって心理的な支えとなり,治療への積極性を高めることに繋がります。私は,○○病院がそのような利点を認識し,患者の利益を最優先とした改善策を講じてくださることを望みます。

副作用の高い抗がん剤の投与に関しましては,現場でサポートしてくださる医師・看護師・スタッフの皆様におかれましても,制約が多く緊張感が高く人手が足りないといった現状があるのかもしれません。
患者としてもなるべく負担をかけない形で,希望している治療が行えるよう情報収集をし,必要なやりとりをさせていただき,努力いたしますので,外来での頭皮冷却使用のご許可と,最低限のお力添えがいただけるようご配慮いただけますよう,お願い申し上げます。

最後になりますが,私の要望に真摯に向き合っていただきありがとうございます。迅速なご対応をお願い申し上げ,この問題に関して進展がありました際にはお知らせいただけますと幸いです。
心からのお願いを込めて,お手数をおかけいたしますが,ご検討とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
敬具,                7月13日               

乳がん患者拝

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PCで文面作って、日付と「乳がん患者拝」だけ手書きで添えた。生身の人間が書いたんだって伝わってほしかったから。

急いで書いたから、間違いもあるし
文章が長くてしつこい感じがするところもある。

私は私は自分の主治医が大好きだし、いまかかってる病院も好きだから、ご意見出すのは抵抗もあった。だけどそれ以上に、がん治療の苦痛が突然自分にとって現実味を増してのしかかって来た翌朝に、私はこの意見を書いてみたくなったし、誰か知らない、ご意見箱のむこうにいる「ご意見聞き役」の方に読んでもらいたかった。

正しいかどうか分からない。
病院全体から、ややこしい患者として敬遠されるようになるかもしれないと思うと怖い。
意見なんて出して(別紙で名前も提出したし、どちらにしてもこんな要望してるのは私だけみたいだから、乳腺外科にまわされたらすぐわかっちゃう)、立ち回り方を間違ったかもしれないとも思う。

だけど、結局、これからも書いていこうと思ってる。

書くしかできない、書かなきゃ考えられないし、愚痴りながら病院に通うのだけは嫌なんだ。

書いたら、また考えが変わる。だから私、しばらく毎週お手紙の投函続けようと思ってる。次回のお手紙は、もう少し具体的な必要を洗い出して、対応をお願いする手紙にしようかと考えている。
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