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その夜、日本武道館は『角野隼斗』という宇宙に包まれていた。(2024.7.14)

音楽は、いまと、そのちょっと前後の時間の流れでできている、といつもつねづね思って生きている。
今奏でられた音がどう鳴って、どう響くか。その音の与えた印象がつぎの音の未来を左右するし決めていく。そうして、ひいては現在(いま)ここで生まれる音楽の全体像がつくりあげられていく。
だから、音楽は今ここで鳴って生きた一音、が大事で、その一音の活き方しだいで、次の音がまた生きて(活きて)、そんな音の連なりでできているものという気がしている。
いうなら、パラレルワールドたりうる分岐点が無数にあるなかで、たったひとつ今この目の前で、音楽家によって選び抜かれて生み出されたこの一音とその連なりが、音楽を生かしたり殺したりする。

私は音楽を聴くとき、いつもそんな感じがしている。
だから、そんな不可逆的な変化を刻一刻と重ねる、時間軸と絶対的に不可分な「音楽」はまさに「いま」を体現する圧倒的な芸術だと思うし、それでいて限りなく別け隔てなく誰でもわりとすんなり受け取れる神さまからの人類への贈り物、って感じもする。

とにかく、そんなわけで音楽をとくにライブ会場で聴いているときには、強烈に猛烈に激情的なほどに「いまこの音楽を聴いて感動で昂ぶり震えている自分」や「いまこの音楽に出逢えたことへの歓び」がぐわーっと押し寄せてきて、「いまわたしは最高に地球上でもしかしたら一番レベルで幸せかも」という思いに包まれる。
いま最高に幸せ、そう思える感情がたしかにここにあると実感できることってほんとに尊いことだと思います。
だって幸せって見えにくい。ささいなことで幸せが膨らんだりしぼんだりするけど、幸せ本体はどこから湧き上がってくるものか、わからない。
そいつを離さないように捕まえようとしても、掴んだ手のなかは一瞬先には空っぽの空間で、すぐ私は幸せ迷子になりかける。

けれど、角野隼斗さんの7月の武道館公演は、本当に本当に素晴らしくて凄すぎて、感情の針が振り切れるほど感動して、間違いなくその日わたしは地球上でもしかしたら一番幸せな人間になれた。
音楽がどんどん変化する、不可逆で時間と不可分の芸術であればこそ、新天地で見聞きし吸収した全ての新しい刺激が彼の音楽に新しい試みや表現方法、ときには不協和音さえ負の感情(怒りや悲しみや苦しみ)を表現するための完璧なアウトプットとして成立していて、具体的にはBoleroの超新星爆発的展開は、最高にエキサイティングだった。
ほかも最高だったから具体的に挙げると全部挙げることになる。とにかくわたしが書くのはおこがましいレベルの超一流の凄さだったから、もう敢えて書かないけど本当に素晴らしいコンサートだった。
(この文章を書くための心の整理に三ヶ月もかかるほど、素晴らしいコンサートだった)

それは、この宇宙が生まれて、ある瞬間にいろんな天体の事象が起こって、さまざまな天体の衝突や爆発やガスの噴出がおこったり、互いに重力や引力が作用したりした結果、次の段階の宇宙を生み出して、そんな作用ととてつもない時間が積み重なって、あくまで偶然なのかまたは必然なのか、いま現在、天の川銀河の太陽系に地球が存在してそこに人間が生きている。
奇跡のような確率で、この人生でわたしは武道館のコンサートを観ることができている。
星星の力関係が、宇宙に噴出されるガスの方向や量の大小が、惑星同士の距離や角度が、ほんのすこし違えば、きっと全然この宇宙は大きく違っていた。

もしかしたら違った宇宙もあって、そのパラレルワールドでは武道館ライブを観られていないどころか、角野隼斗さんを知らない自分がいたかもしれない。
そもそもパラレルワールドに、音楽があるかどうかもわからない。音楽がなかったら淋しいだろうな。人生を彩ってくれるものがある世界に生きていることがそれだけで幸福なことなのだなと発見する。

長くなりましたが、そんな素晴らしいコンサートを魅せてくださった角野隼斗さんという素晴らしい音楽家が、10月末に『Human Universe』というアルバムを発表します。
まさに、才気煥発の極み。名盤爆誕!です。
角野隼斗という鉱石を削り出していったらとてつもない成分でできていて、八角形の頂点それぞれにダイヤモンド(演奏家としての才能)、ルビー(編曲家)、サファイヤ(即興演奏家)、プラチナ(ピアノ作曲家)、金(オケ作曲家)、……ほかにも、アレキサンドライトや、タンザナイト、現代の技術力では解析できない物質とかまで含まれているような、そんなとにかくどれだけ凄いねん!!!て思ってしまうような、多彩なそれでいて造詣が深くてひとの奥底まで入り込んで心を癒す、そんなアルバムになっていること間違いなしです。

ぜひ多くの人に聴いてほしい。
聴けばわかります。どんなに真剣に音楽に角野隼斗さんが向き合って、心底全身全霊かけて一曲一曲に魂こめたのか。
音楽家として恥じないどころか、ますます音楽家として純化されていっている角野隼斗さんの進化する最前線を、どうか聞いてみてください。

『Human Universe』を聴いたら、あの三ヶ月前の感動が、よみがえってくるかもしれないと、私も凄い楽しみで楽しみでいっぱいです。
あとは、そう感じる方がたくさんたくさん増えてほしい。角野隼斗さんの表現したい音楽に触れて、それをいいなって思ってくれたら、それはもう私と同じ仲間だから笑、最高に幸せです。音楽を聴いてたくさんの人に感想を聞きたい。

遅くなりましたが、7月武道館ライブ、大盛会に終わって本当に本当におめでとうございます!!!!
そして、最高の時間を、最高にいま幸せだと振り切れるくらい思っちゃった時間を、ありがとう!!!

アルバム発売がさすがに近づいてきたので、こちらの、文章アップしなきゃと思って急いでアップします。誤字脱字あったらごめんなさい。

今後も地球を所狭しと駆け回るかてぃんさん。
来年には宇宙ステーションで演奏会、再来年には月および火星での演奏会が予定されているということで(そんな事実はありません!笑、真っ赤なウソです)、いつか本当に地球を飛び出しちゃいそうなくらいですが、変わらずに応援しております🔥🔥🔥

すでにめちゃくちゃ頑張ってると思うのですが、どうかこれからも、そのまま角野隼斗さんらしく楽しんで頑張ってください!!!!


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