ボストン・ポップス、ジョン・ウィリアムズ トリビュート日本公演の大歓喜と、NHK-BS1「街角ピアノ」感動の号泣
2023年10月7日は歴史的な一日になった。
ボストン・ポップスが二十年ぶりに来日、しかもソリストとして角野隼斗さんが二公演に登場、という夢のような一日。
それが2023年10月7日、今日起こったスペシャルな出来事です。
(日付的には昨日だけどボストン・ポップスの歓喜!からの、NHKの特集2連続視聴でアドレナリン出過ぎて興奮のあまり起きているから今日の認識です)
しかもジョン・ウィリアムズのトリビュート公演! 私の両親は映画好きで若き日の二人の出逢いは大学の映画研究会だった、という家庭で育ったので、小さい頃から映画がやたらめったらTVで流れていた。
実家では絶対的な権力者であった父にチャンネル決定権があったので、夕飯を食べながら字幕版の映画とかも普通にお茶の間で流れていた。幼心に英語やフランス語など分からない言語の映画は勘弁してくれと思っていた。
しかし。ジョン・ウィリアムズが音楽を手掛けた映画は、ほぼ全部吹き替え版になってた。そりゃあもう見てて楽しかった。
ジョーズはめちゃ怖いし、E.T.は感動で何度見ても号泣したし、スターウォーズは近未来的な世界観と何といってもライトセイバーが格好いいし、中でもインディー・ジョーンズが小さい頃はめちゃくちゃに好きだった。あんな冒険に、謎に、スリリングな旅に、そして結末がとてつもなく爽快な世界に心から憧れた。
大きくなってからは、シンドラーのリストも見たし、ハリーポッターももちろん見た。というかはまりすぎてハリポタに至ってはDVD全巻持っている。
考えたことなかったけど、あれもこれもそれもどれも、全部ジョン・ウィリアムズ! なんてこと! すごすぎる! 本当に信じられません。
という訳で夢のような公演に、私の世界一推している角野隼斗さんが出演される訳で、これは興奮しないわけがない訳です。
13時開演と18時開演があったのですが、もちろんどちらも可能ならば拝聴したい‼‼‼と熱量と鼻息が我ながら異常なほどに熱かったので、おそらく神様がやれやれ行かせてやるかと思って下さったのか、幸運にも両方拝聴することができました。神様ありがとう。
感想は、もう、……その、敢えて書きたくない、というのが本音です。
私の言葉など薄っぺらでぺらっぺらであの音楽を前にしたら何の意味も価値もない。
全くもって、ほんとうに素晴らしかった!!!
言語化を放棄するくらい、それくらい良かった。。。
でもnoteなので言語で書かないと伝わらないので、私の陳腐で拙くて極々一部の魅力しか伝えることができぬ圧倒的に不足した文章力で、しかも音楽を専門的に学んだわけでもない素人が言語化できる部分だけ断片的に書きます。(自分の事ボロクソに言うのいい加減やめたいが事実だから仕方ない……無力)
今日ボストン・ポップスを聴くまで、白状しますがオーケストラの中で金管楽器がそんなに魅力的に思えてなかったりしました…。特にトランペットなのかと思うのですが、破裂音のような感じに聴こえるというか、あの耳にパーン!ってくる感じが何か風船が割れるみたいな感覚というか、びっくりしてしまって、どうにも心がざわついてしまって。
しかしながら、私の金管楽器への偏見は今日で完全に拭われた、どころか180度見方が変わりました。
ボストンポップスの金管楽器、なんてカッコいいの! バシッとはまったときの爽快感、華やかさ、圧倒的な存在感の大きさ、もう素晴らしすぎて最高!!
何とかして吹いている姿が見えないものかと、一階席の割と前方の席だった自分は、弦の合間を縫って金管楽器の姿を探そうとするのですがどうにも見えず、見えないけど音がめちゃカッコいいという、名乗らずに仕事する必殺仕事人みたいなシチュエーションにまた図らずもさらに金管楽器へのリスペクトが募る……。
一番最初に『スーパーマンマーチ』を聴いた時から「おっ!私はこの金管大好きかも」となって、その感覚は『レイダース・マーチ』で「わー!私金管めっちゃ大好きだわ!」という確信に変わっていました。
金管楽器は、アドベンチャーや勇敢さ、冒険心や華々しい勝利を表現するためには絶対に必要な重要なキャラクターで、RPGでいうと「戦士」のような、音楽の物語の構成に於いては欠かすことのできない存在なのですね!
今日得た一番の驚きと学びでした。金管楽器、素敵だ!
ついでに気づいたのですが、ジョン・ウィリアムスの映画音楽にはハープがとても多用されているのですね。
ハープが鳴ると、より一層その世界のドリーミングな空想の翼が広がるような、フィクションの中での煌びやかで創造的なワクワク感が広がるような、何かそんな感じがものすごくしました。
RPGゲームでいうなら「魔法使い」。わが家では息子と『ゆめ成分』という独自な言い回しを使ってるのですが、私たちの想像力の翼を広げて、今ここに生きていないものにも心があるとしたらどんな感情だろうか、その世界では何が大切で彼らは何をして生きているのだろうかを空想する。
何でもいい。ぬいぐるみでも蟻でもゾウリムシでも無機物でも建築でも車でもいい。彼らの視点になって、彼らが日々を生きている仮定で感情や日常や悩みやそんな他愛もないことを空想していく、いわばごっこ遊びの拡大版です。
たとえば車の調子が悪いとして、車を擬人化してその気持ちになって考える。昨日の夜風が強くてめちゃ寒かったからエンジン温まらないんだよな、とか、私が昨日めちゃくちゃ遠出をしたせいで疲れてて今日はとてもじゃないが走る気分じゃない、とか、走ってやっても良いけどごほうびにガソリン入れてくれよ、とか。そんな他愛もない空想のやり取りが日常的な会話の中によく出てきて。
彼らを生かすその原動力が『ゆめ成分』で、それは人間の想像力なくしては成立しないのは当然なのですが、そのゆめ成分を音楽の物語に吹き込むような、そんな力がハープの音色にはあるなって。
現実でないものを現実にする、想像力を掻き立てる、ドリーミングな空想の翼をどこまでも広げていく、そんな場面で特にファンタジーな要素が必要とされる場面で、凄く重要な楽器なのだなと思いました。
あと、ハープ×グロッケンシュピールはもう向かうところ敵なしの最強タッグ魔法だなと思いました。最高すぎて何度も昇天しそうでした。
そして私の目玉、角野隼斗さん。
これは完全に個人的な感想なのですが、13時の部では休憩後のガーシュウィンのピアノ協奏曲とアンコールの『アイガットリズム』がめちゃくちゃ最っ高に格好よくてスタオベしてしまい、18時の部では『サブリナ』のテーマ、『Over the Moon』が素晴らしすぎて感動が物凄くて泣き、アンコールの『きらきら星変奏曲』のキレも緩急も凄まじくパワーアップしていて観客の心鷲掴みの最高の演奏で、またスタオベしてしまい、まさにヒーローみたいでした。
(余談ですが、今体調が悪く療養中でして、現在顔が自分でも見たくない程ぱんっぱんにむくんでおるため、スタオベは人目に触れるし非常に恥ずかしいのでできる限り我慢しようと思っていたのですが、……はー。無理だった。立たざるを得ない演奏でした。大感動に感謝)
ルロイ・アンダーソンのピアノ協奏曲では、むしろボストン・ポップスよりもはるかに角野さんの演奏がシャープで、軽やかにリズミカルで、オケの方が後半ようやくそれに追いついてきた感じもあって、贔屓目でなく角野隼斗さんの演奏の凄さを感じたし、いやもう本当に格好良かった……。
ほんとうに指が軽やかで、以前に指にジェットエンジン搭載してるんではと思った記憶があるのですが、そんなものではなかった。もう羽が生えてた。
あれは飛ぶ生き物だよと説明されないと理解ができないくらい、重力を無視してピアノの鍵盤の重さなど関係ないように鍵盤の上を飛び回って、信じられないくらい軽やかな音を出していました。人間が出せるのか謎なレベルの、ほんとにマジックか奇跡みたいな音。
今日は一日に二公演も観ることができ、本当に幸せ過ぎて興奮が収まりません。
そんなさなかの、まさかの当日にNHKでの出演が2本。
はー。寝かさないつもりですね。少なくとも今のところ全く眠くありません。このまま深夜のテンションで書ききってしまおうと思います。
(次の日後悔するかもしれないけどそれはそれ)
まず、ニュースウオッチ9。冒頭から演奏動画で始まって、軽くジャブを打たれて動悸がしてしまったのですが、それも落ち着いてきたかなという番組の中盤でいよいよ角野さんの特集へ。
NYでの姿や今までの軌跡や活躍がまとめられていましたが、どれも今の角野隼斗さんの姿を伝える真摯なまなざしに満ちた取材と映像で、これだけでも充分に渋谷方面に深く頭を垂れて感謝できる内容だったのですが。
BS1での「街角ピアノ スペシャル 角野隼斗 ニューヨークを行く」、堂々90分に及ぶ大型の特集です。なんて神がかった番組を考えて下さるのか! NHKさんありがとう! この感謝をどこに伝えたらいいのか分からない位、企画を考えた方も企画をOKした方も放映時間を決定した方も編集した方も取材した方も皆さんに有難すぎて大好きすぎて、どうか良い事が起こりますようにと願ってやみません。NHKさん心の底から尊い。昔から大好きです。
「街角ピアノ」は本当にほんとうに素晴らしいドキュメンタリーでした。私が知りたくても知る事の出来なかった、NYでの角野さんの日常や挑戦や葛藤や自由なのびのびとした姿が、これでもかと映像に収められていて宝物のような映像でした。
ほんとうに角野隼斗さんがNYに行くことができてよかった、こんなに素敵な素晴らしい時間を経験を空気を挑戦を日々味わいながら音楽にひたむきに向き合って進んでいるんだな、と、めちゃくちゃ感動して泣いてしまいました。
中でも、『Heal the World』を演奏する角野さんには、涙がほんとうに止まらなかった。やっぱり角野さんは自分の気持ちをピアノで表現したときの演奏がなによりもいい。言葉にしなくても心に気持ちが伝わってくる演奏。何とも表せない感覚や感情を、ピアノで、演奏でひとの心の奥底まで、魂まで直接伝えられるような演奏。だからこそ私は角野隼斗さんが大好きになったので、そんな事を思い出して胸が熱くなりました。
つまりは結局、角野さんがなにかに感情を揺さぶられたり、なにかを新鮮に素敵に感じたり、心の中に思ったりするそのことが何よりも重要で(インプットすること)、それが音楽というアウトプットにつながって、ひいては私が大好きな角野隼斗さんらしい演奏を聴き続けることにつながるんだなと思い、それならばぜひその心ののびやかさを全力で守って欲しい、なにかに忙殺されたりせず、ぜひわがままに生きて欲しいと心から思いました。
ていうか、忙殺させちゃいけないです。本当に大事な貴重な感性なので。人類の財産ですよ。忙殺、ダメ、ぜったい。(すみません、深夜のテンションで少しふざけてしまいました。ごめんなさい)
角野さんがいたいと思う刺激に満ちた環境で、つねに心が動く場所で、心が動くやり方で、ワクワク楽しんで毎日生きていて欲しいと、ほんとうにそう思う。NYでそんな風に過ごしていると思うと本当に嬉しく思う。
角野さんが「いまやっていることをやりつづける」という覚悟と意志を込めて弾いた『Bolero』は、テレビの中でストリートピアノで弾いてもすさまじくて、とてつもなくめちゃくちゃに人の心を動かして、私はあんまりにもその演奏と姿が格好良かったので、録画した番組を見ているのに「このまま時が止まればいいのに」と思ったくらい感動の嵐だった。
はー。
思っていたよりも短く終わりました。
ほんとうは色々と自分の事を書きたいと思っていたのですが、自分の事を書くのは難しいですね。色々あるのですが上手く書けない。
とにかく、今日(2023年10月7日)が素晴らしい一日だったこと、ひたむきに真摯に果敢に挑戦していく姿に胸が一杯になるほど感動したこと、このことは忘れないでいたいと思う。
どうか、角野隼斗さんの前途が、抱えきれない程のたくさんの希望や光や幸運に満ちた素晴らしいものになりますように。祈りを込めて。