(韓国語)連結語尾で終わる文 【-는데/ㄴ데】 #30
今回は -는데/ㄴ데 で終わる文について見ていきます。
#29 の導入編で見たように、本来連結語尾である -는데/ㄴ데 等の語尾で文が終わる際、丁寧さを表す -요 が付くかということが問題になるのですが、-는데/ㄴ데 の場合はどのような意味であれ -요 が付くことができます。また、過去の -았/었- や推量・意志の -겠- との結合も可能です。
-는데/ㄴ데 は連結語尾で使われるときも逆接や理由など、後続する文や文脈によって様々な意味を表しますが、-는데/ㄴ데 で文が終わる場合も様々な意味を表すと解釈できます。今回は網羅的な分類ではないかもしれませんが、いくつか -는데/ㄴ데 が使われる状況を分けて見てみます。
① 言い切りを避ける 「〜けど(どうしよう、なんで?…)」
-는데/ㄴ데 で終えることで言い切りを避けることがよくあります。ときに、上昇調で発音され、相手の発言を促すようにも用いられます。日本語の「〜けど」も似ていますが、「〜けど(どうしよう、なんで?…)」など後に続きそうな様々なことを暗に表すことができます。例えば、以下のようなパターンがあるでしょう:
(1) 〜けど(どうしよう?)
(2) 〜けど(なんで?)
(3) 〜けど(ダメ?)
(4) 〜けど?[言い切りに近い]
「〜けど」と言ったあとには様々なことを暗に示すことができますが、なんでもありというわけではないのがポイントです。また、どの程度言い切りに近いかには差があり、(4) のように相手に有無を言わせない、言い切りにかなり近い言い方まで様々です。具体例を見てみましょう。
(1) の最初のスヨンのセリフです。「店が閉まっているみたいだ」と言い切らずに「みたいですけど?」と言いつつ、「どうしましょう?」と相手に投げかけるような言い方です。
最初のセリフでは "같은데요?" というように -요 が付いて丁寧に発言されています。次のスヨンのセリフ "맛있는데"(後の '…' はわたしが付けました)では付いていません。2番目のセリフはより独り言に近い発言だと考えられます。独り言の例については最後に見たいと思います。
次は (2) のチュヒのセリフです。1番目の「家にあるんですけど」は (1) の例に似ているようです。「あら、どうしましょう?」が続く感じでしょうか。2番目の「見ませんでしたけど?」は「だからなんですか?」のようなことが言いたいと解釈できるでしょう。
(3) は「わたしはかわいいと思うけど?なんでダメ?」のようなことが言いたいと解釈できるでしょう。
(4) のソンギョムの、1番目と2番目のセリフです。(3) にも近いですが、ここまでくると言い切りに近くなっています。
② 疑問文
-는데/ㄴ데 は疑問文でもよく用いられます。-는데/ㄴ데 の疑問文はただし、なんの前提もなくいきなり用いることはできません。(5) の例であれば「出ようとしてたところ」と言われたのが前提となっています。
"이게 뭐야?"(これなに?)と聞いて、相手が答えなかったときに "이게 뭔데?"(これなんなの?)と -는데/ㄴ데 で再度聞くのはよくあるパターンです。
③ 感情表現
言い切りのパターンとして、自分の感情を表現するときに用いられる -는데/ㄴ데 を見てみましょう。
感情を表現するときにはまた、反語文でも -는데/ㄴ데 が用いられます。
④ 独り言
(1) の例のところで言及したように、-는데/ㄴ데 は独り言をつぶやくときにも用いられます。ちなみに独り言をどのように言うかというのは、あまり研究されておらず興味深いテーマです。
今回はもはや終結語尾ともいっていいような -는데/ㄴ데 で文を終える場合を見てきました。次回は多様な用法を持つ -게 について見たいと思います。
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