(韓国語)連結語尾の主語をチェック! 【2; -면서】 #6
前回、連結語尾の使い方をマスターするうえで必要な、主語が同じかどうかという視点と、主語の人称がなんなのかという視点について解説しました。今回、主語のチェックが特に必要なのは -면서 について解説します。
まず、-면서 の表す意味を、大きく3つ、① 同時、② きっかけ、③ 逆接に分けておきます。基本的には① 同時と③ 逆接の場合は主語は同じですが、逆接のときは主語が異なることもあります。② きっかけの場合は主語が異なることが多いです。これが基本で、他にも考慮しなければならないことはあるのですが、追々補足していきます。
① 同時
-면서 が「〜しながら」という同時の意味を表す場合、前後の主語は同じです。「Aさんが伴奏しながら、Bさんが歌う」のように前後の主語が異なる(Aさん≠Bさん)場合、-면서 を使うことはできません。
(1) の例では主語が表面上現れていませんが、補ってあげれば "(우리) 차 한잔 마시면서 (우리) 얘기할 수 있어요?" ということでしょう。
同時といってもいろいろあり、(1) は動作が同時に行われる(お茶を飲み、それと同時に話をする)という場合でしたが、韓国語の -면서 は日本語の「〜ながら」と異なり、ある性質を同時に備えている場合も使えます。
(2) の場合は「(雰囲気が)柔らかいのと同時に(雰囲気が)エレガントだ」ということで主語は同じです。
ただ、次の (3) を見ると、一見前後の主語は異なっているように見えます。つまり、表面上出ていない主語を補ってあげれば「量が少ないのと同時に(価格が)高い」となり、主語が異なるわけです(量≠価格)。そのため厳密には主語ではないのですが、大きな主語としては「料理が、量が少なく価格が高い」ということになります。
(3) のような大きな主語を考えなければいけないときもありますが、おおまかに言って同時の意味を表す場合、-면서 の前後の主語は同じだと言えるでしょう。
② きっかけ
すでに #2 で例を見たように、-면서 は「〜するにつれて、〜がきっかけで」という意味を表すことがあります。この意味の場合は、「AということがきっかけでBということが起こる」のような文で使われ、当然といえば当然ですが、この場合はきっかけとなるAと、その結果起こるBとでは主語が異なることが多いです。
(4) では、前半の主語が 낮 기온(昼間の気温)で、後半の主語が 지표면(地表面)です。この文では「昼の気温が上がるのをきっかけに、地平面が加熱される」という意味になっています。
(4) のように前後の主語が異なる場合も多いのですが、(5) のように主語が同じ場合もあります。ここで主語は表に現れていませんが、1人称、つまり「わたし」が主語です。
このように -면서 がきっかけを表す場合は -면서 にも、後に続く動詞にも -기 시작하다(〜しはじめる)、-게 되다(〜するようになる)、-(아/어)지다(〜くなる)が付くことが多いです。
③ 逆接
-면서 にはさらに、「〜のに、〜くせに」 という逆接的な意味もあります。日本語の場合も「そうとは知りながら知らないふりをした」というときの「-ながら」は逆接的(「知っていたのに」と言い換えられる)な意味を持ちますが、「-ながら」より -면서 のほうがより幅広い逆接的な用法を持っています。
逆接的な意味を表す場合は大抵、前後の主語は同じです。(6) で前後の主語はどちらも表に現れてはいませんが、「他人」だと言えるでしょう。日本語訳は少し意訳してしまいましたが「なにも知らない」のも他人だし、うわべだけの言葉を投げかけるのも他人です。
逆接的な意味を表す場合、(6) のように 모르다 と付いたり、알다(知る)と付くことが多いです。あるいは否定形、過去形の場合もあります。
大抵は主語が同じだと言いましたが、(7) のように主語が対照的に述べられている場合は異なることもあります。
ここまで主語が同じか違うかに注目して -면서 を見てきました。簡単に要約すれば、同時と逆接の意味のときはだいたい主語が同じで、きっかけの場合は異なることも多いということでした。ここで -면서 のことを全て説明しつくしたわけではありません。また追々違う観点から -면서 については考察します。
次の#7では、主語の異同が重要なもう1つの連結語尾、-더니 について見ていきます。
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