(韓国語)文法要素と連結語尾の組み合わせ 【-았/었- 前編】 #13
今回から何回かに渡り -았/었-、-겠-、-ㄹ 것이다 などの文法要素(専門的に言えばテンスやモダリティを表す要素)と連結語尾が組み合わさるとき、どのようなことが起こるか、という観点から解説していきます。-았/었- などは文末に位置しているときは本領を発揮できるのですが、連結語尾と組み合わさっているときは力が制限され、本来の力が発揮しきれないようなイメージです。
また、そもそも -았/었- と組み合わさること自体が不可能な場合もあります。今回扱っている連結語尾だと、-자마자、-느라(고) なんかは組み合わせがありません。組み合わせが可能でも、連結語尾の表す意味によっては不可能な場合もありますので、そのような例は追々見ていきましょう。
まずは以前に解説した連結語尾から見ていきましょう。
-다가
-다가 についてはすでに #10 で解説したとおりです。-았/었- と組み合わさった場合は過去の意味は表さず、「〜てから」の意味を表します。(1) でも「夕方にまた来ましょう」と未来のことを言っていることからも過去のことを表しているわけではないことがわかりますね。
-더니
-더니 についてもすでに #7 で詳しく解説しました。-았/었- と組み合わさったときは2, 3人称主語ではなく、1人称主語になるのでしたね。-더니 を含む文は基本的に「〜したところ、(…だった)」という意味になるので、-았/었더니 は過去のことを表すわけですが、そのような時制の意味よりも、主語の人称が変わるというのがポイントです。
-면서
-면서 には主に同時、きっかけ、逆接の意味を表すことは #6 ですでに解説しました。逆接として解釈される条件はいくつかあり、알다、모르다、否定形とくっ付く、という条件以外に、-았/었- と組み合わさるという条件があると説明しました。-았/었- と組み合わさった例は挙げていなかったので、ここで挙げておきましょう。
-(아/어)서
-(아/어)서 は基本的に -았/었- とは組み合わさらないとされています。しかし、近年 -았/었- と組み合わさった形を使う話者がたくさんいます。ただし、そのような話者も、-(아/어)서 と -았/었- を組み合わせるのは原因・理由の意味を表すときだけだという点には注意してください。例えば、「学校に行って勉強した」というとき、文末が「勉強した」というように過去だからといって、「学校に行って」を × 학교에 갔어서 などとは(少なくとも現時点では)言わないということです。
実例を見てみましょう。テレビのテロップでは、出演者が -았/었어서 と言った箇所も -(아/어)서 に修正されていますが、Netflixのドラマでは -았/었어서 という言い方もそのまま登場します。
この流れはおそらく止められるものではないでしょう。しかし書きことばで使えるようになるには時間がかかるかなと思っています。個人的には学習者が無理してマネする必要はないかと思いますが、今後どうなっていくか楽しみに見守っていきたいところです。
-고
-고 と -았/었- が組み合わさった場合、-(아/어)서 と同じように「〜て(から)」という意味は表さず、「〜したし、(〜したし)」という列挙の意味にしかなりません。これは -고 が -고 있다 とか -겠- と組み合わさったときも事情は同じです。基本的に列挙しようと思えば何回でも繰り返しできるのが特徴です。
解釈は難しくないのですが、文が長くなってくると日本語訳に困ることがあります。以前『82年生まれ、キム・ジヨン』の読解講座でも説明しましたが、日本語に訳す場合は適当なところで文を切ってしまったほうがしっくりいく場合があります。
今回は簡単に連結語尾と過去を表す -았/었- との組み合わせについて見てきました。次回は -면、-(아/어)도 について扱います。
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