今回は「引用形+連結語尾」で文が終始する例について解説します。まずは形について確認しておきましょう。「〜すると、〜するのかと、〜しようと、〜しろと」の形は以下のようになります。この「〜と」にあたる -고 が付く部分、赤で囲った部分を引用形と呼ぶことにします。
この引用形、-고 が付くところに -니까 や -면서 など他の連結語尾が付くのが今回対象とする形式です。
引用形 + -고
まずは基本の「引用形 + -고」の例を見てみましょう。これで文が終わる場合、"너도 간다고?"(お前も行くんだって?)のように聞き返しをするときにも用いられますが、下の例のように「〜だって(言ってるだろ!)」と自分の主張を相手に伝えるときにも用いられます。(1) は夫婦が言い合いをしている場面ですが、この「引用形 + -고」が連発されています。
引用形 + -니까
「引用形 + -니까」はさきほどの「引用形 + -고」と似ていますが、日本語の「〜なんだから!」のように自分の不満を相手に主張したり、「だから言ったでしょ?」と言うときによく用いられます。
(2) の最初のミジュのセリフには「引用形 + 고」も用いられていますね。
引用形 + -면서/-며
この形は、誰かから聞いたことを「〜なんだって?」と確認するときに用いられます。誰かはその場にいない第三者のこともあれば、目の前の相手のこともあります。目の前の相手の場合は「〜だって言ったよね?(話が違うじゃないか)」というニュアンスで用いられます。
-면서 は丁寧に言うために -요 を付けることができますが、-며 は -요 を付けることできません。ややぞんざいな印象のある言い方です。
まず「引用形 + -면서(요)」の例を見てみましょう。第三者から聞いたことを確認する例です。
次は相手から聞いたことを確認しつつ、「〜だって言ったよね?(話が違うじゃないか)」という意味を表す場合です。
この「〜するんだよね?」の -ㄴ다/다며? は話しことばでいくつかバリエーションがあります。-ㄴ다/다매? や -ㄴ대/대매? です。「〜だよね?」の -(이)라며? は -(이)라매? や -(이)래매? と発音されることがあります。字幕ではそのように書かれなくても、実際の発音は異なるということはよくあります。下の例では、字幕上は -다며 となっていますが、実際の発音は -대매 でした。Netflixでドラマが見られる方は、タイムも書いておくので、実際に見て聞いて確認してみてください。
今回は「引用形 + 連結語尾」で終わる文について見てきました。次回は連結語尾で終わる文シリーズのラストです。"그러니까" などの接続(副)詞の例、連結語尾で終わる文にさらに付加できる要素、の2本立てでお送りします。