(韓国語)連結語尾で終わる文 【導入編】 #29
これまで連結語尾の例を見てくるなかで、本来2つの文を「連結」するから連結語尾と呼ばれているのに、連結語尾で文が終わり、なにも連結していないように見える例がありました。#26で挙げた例を再掲します。
この例では連結語尾の -게 で文が終わっているわけですね。いや、それは後に "재료를 써는 거야(材料を切ってるの)" などなんらか省略されているのでは?と思うかもしれません。たしかに、連結語尾で終わる文は、元々後に続くはずだった文が省略されているように見えるものもあります。あるいは、連結語尾の部分が倒置されているように見える場合もあります。ですが、ここではそれが重要なのではなく、連結語尾で文を終わらせるパターンが存在し、それが好んで用いられているということです。さらに連結語尾で文を終えるとき独特の用法も存在します。
-는데/ㄴ데 は、テキストによっては連結語尾だけではなく、文を終わらせる終結語尾としても載っている場合があります。ですが、連結語尾で文を終わらせることができるのは、なにも -는데/ㄴ데 だけではありません。じゃあ一体「文」ってなんなの?みたいなことが言語学の世界では問題になってくるのですが、ひとまずそんな問題は置いておいて、多様な連結語尾の用法を楽しんで観察しましょう。
連結語尾で文が終わる現象を見るにあたって、3つポイントがあります。1つは対応する本来的な連結語尾の用法が存在しているかどうか、という点です。もう1つは한다体語尾の後に付き、引用の構造を取るかどうか、最後に文末に丁寧さを付加する -요 を付けられるかどうか、という点です。具体例を見てみましょう。
対応する本来的な連結語尾の用法があるか
上で述べたように、一見、連結語尾の後に続く文が省略されているような場合も多いのですが、中には対応する本来的な連結語尾の用法が想定できないような場合もあります。例えば次の例がそうで、この例で -게 は相手にクイズを出す用法として文末で使用されています。-게 の前に過去接辞の -았/었- が入っていますが、そもそも本来的な連結語尾の用法で -게 は -았/었- と結合することはないので、これは文末特有の用法だと言えます。
한다体の後に付き引用の構造を取るか
한다体(한다[平叙]/하(느)냐[疑問]/하자[勧誘]/하라[命令])の後に -고 を付けると「すると、するのかと、しようと、しろと」というように引用構文をつくれるわけですが、この -고 の部分に -니까 や -며 など他の連結語尾が付いて、文末で使われることがあります。
ここで -며 は第三者に聞いたことを確認する用法として文末で使用されています。このような引用の構造をもって文末で使われる場合、特有の用法を持つので、区別して解説したいと思います。
文末に丁寧さを付加する -요 を付けられるか
連結語尾が終結語尾のように用いられるということは、丁寧さの -요 を付けられるということです。(4) では -니까 が文末で用いられ、丁寧に表現するために -요 が付いています。
一方、次の例では -면서 が文末で用いられていますが、通常、相手を非難するようなニュアンスで使われるため、-요 を付けることはありません(絶対に付けられないとまでは言えませんが)。このように、連結語尾で文が終わるときに -요 が通常付かない用法があるので、このような用法にも注目していきたいと思います。
さて、今回は連結語尾で文が終わる場合に、どのような点に注目すべきかを解説してきました。次回は、終結語尾の1つとしても取り上げられることが多い -는데/ㄴ데 について見ていきたいと思います。
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