これまで見てきたように、一つの連結語尾でも多様な意味を表します。一応の最後となる今回は、連結語尾の多義性について整理してみたいと思います。対象となる連結語尾は -(아/어)서, -니까, -더니, -고 に助詞 - 는 が付いた -고는 の4つです。極々おおまかな多義の関係を示すと以下のようになります。
「連続/発見」はちょっと強引な括りではありますが、おおよそ日本語の「〜すると/したら…した」の「〜と」「〜たら」のように訳せる意味だと思ってください。確定条件と呼んだりもします。
-(아/어)서
まず -(아/어)서、図だと赤で囲った部分です。この連結語尾は継起(〜てから)と原因を表します。
-니까
次に -니까 ですが、これは図だと緑で囲った部分です。この連結語尾は理由を発見(「〜すると…だった」のように後に話し手が発見したことが続く)を表すのでした。
-더니
その次に -더니 です。図ではオレンジで囲った部分です。この連結語尾は発見と逆接を表します。
-고는
最後は -고는 です。図だと紫の点線で囲んだ部分です。これは連続した出来事と仮定、そして逆接を表します。(6) で -더니 が表す意味として逆接を挙げましたが、(9) の -고는 が表す逆接とはまたニュアンスが異なるということはわかってもらいたいと思います。あくまで連結語尾の意味の広がりと部分的な重なりをおおまかに把握するための解釈ということです。
今回はこの連載のまとめとして、一部の連結語尾、あるいは「連結語尾 + 助詞」の組み合わせを取り上げ、その多義性について概観しました。
さて、これまで6つの観点から連結語尾について解説してきたわけですが、#1 で挙げたように、連結語尾はまだまだありますし、助詞との組み合わせを考えれば、その数はさらに増えます。しかし、頻度の高いパターン、考え方として重要なパターンは取り上げてきたつもりなので、この連載で扱っていないパターンに出会っても対応できるものと信じます。
6つの観点から連結語尾を解説した本連載はここで終わります。今後いつになるかわかりませんが、追加コラム的な感じで、いくつか補足の記事は書きたいと思っています。
連結語尾を巡る旅は終わらない、まるでどんどんと繋がっていく連結語尾のように…