(韓国語)連結語尾と助詞の組み合わせ 【導入編】 #21
前回までは過去などの文法要素が連結語尾と組み合わさるときの特徴について解説してきました。今回からしばらく、連結語尾の後に助詞が付くときの特徴について見ていくことになります。前回までは連結語尾の内側に注目していたのだとしたら、今回から外側に注目するということです。
ここでいっている助詞とは、-가/이, -를/을 などの助詞(格助詞と言います)ではなく、-는/은, -도 などの助詞(日本語研究の世界では「とりたて助詞」、韓国語では 특수조사(特殊助詞)や 보조사(補助詞)などと呼びます)を指します。-는/은, -도 などの助詞は、文の中での役割が、-가/이, -를/을 とは異なり、一定しておらず、様々な意味を添えるという点で、区別されます。例えば、下の b) のように -도 は -가/이 の役割をしたかと思えば、c) では -를/을 の役割をしています。
a) 친구가 밥을 먹는다.「友達がご飯を食べる」
b) 친구도 밥을 먹는다.「友達もご飯を食べる」
c) 친구가 밥도 먹는다.「友達がご飯も食べる」
なにを -는/은, -도 などの仲間に含めるかは学者によっても意見がバラバラなので深入りはしないことにします。また、ここでは連結語尾に助詞が付いたときの用法を理解できればいいので、格助詞もとりたて助詞も区別せずに助詞と呼んでおきます。
連結語尾の後に付く助詞としては以下のようなものを対象とします:
마저, 뿐, 밖에, 든지, 나마, 조차, 나, 까지, 만, 부터, 라도, 도, 야, 는
連結語尾に助詞が付くと、様々な振る舞いをします。単に普通の名詞の後に助詞が付くときと同じように解釈できるときもあれば、「連結語尾 + 助詞」ひとまとまりである意味を表すときもあれば、助詞が付いてもあまり連結語尾の意味には影響がなさそうな場合まで様々です。
ここでは -는/은 を例に取って説明してみましょう。まず、(1) は連結語尾の -게 に -는 が付いた例ですが、これは "밥은 못 줘."(ご飯はあげられないよ)のように、普通の名詞に -는/은 が付いたときと同じように解釈できます。否定する対象について取り上げる場合です。
次に、-는/은 が付くことで、一見それまでになかった意味を表すようなことがあります。(2) では、-았/었다가(〜てから)に -는 が付くことで「〜したら」という意味になっています。ここの -았/었다가 は -면 に置き換えられるような意味になっています。これはどういうことでしょう。
実は -는/은 が付かなくても -다가 が「〜したら」という意味を表すことはるのですが、そのような例についても追々詳しく見ていきましょう。なお、-았/었다가 については過去の #13 も参考にしてください。
最後に、-는/은 があってもなくてもあまり意味に差がなさそうな例を見ます。(3) では "있으면은" を "있으면" と言っても意味は大きく変わりません。
以上、今回はこれから見ていく「連結語尾 + 助詞」について概観しました。次回からは、ときに連結語尾の側から、ときに助詞の側から「連結語尾 + 助詞」の用法について解説していきます。
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