リープフロッグ
今読んでいるこの本↓の感想みたいなことを書いてみます。
リープフロッグってのは「蛙飛び」のことですが、発展が遅れていた社会や国が一気に先んじているそれらを追い越すような急成長をとげることです。例えば日本の電話は最初に黒電話があり、次にプッシュホン式の電話、ガラケーやPHS、最後にスマホが普及しました。ところがアフリカの多くの国では何もなかったところにいきなり携帯基地局が建てられてスマホも売り出されたので、最初の電話がスマホだったりするようです。他にも国民の大半が銀行口座を持っていないので、逆に口座無しで金融決済ができるアプリが一気に普及したりもするようです。
同じようなことは歴史上も何度も起きているようで、例えば産業革命発祥の地であるイギリスが19世紀末から停滞し始めアメリカやドイツに抜かれた理由には、蒸気機関やガスが他国に先んじて普及したために逆に後から登場した電気のインフラ普及が遅れたのも一因のようです。
これを読むと、例によって日本や現職の現状を連想してしまいます。
20世紀型の大量生産・大量消費、「ものづくり」に最適化された垂直統合型の日本の社会や企業のシステムが、ネットやクラウドの普及で変化する世界についていけなくなったのも同じだと、この本では書いてあります。
昔は服を作るのに糸車や機織り機を使っていて、そこへ産業革命で紡績機が登場しました。しかし古い器具が普及してたために(失業を恐れる職人が「抵抗勢力」と化したりもして)社会が新しいやり方に乗り換えられず後れを取ってしまう、そんな感じでしょう。
日本でDXもD&Iもクラウド移行もなかなか進まないのも、既得権や職を失いたくない「昭和のおじさん」やSIerが「抵抗勢力」と化してるのかもしれません。人は持っているものを失いたくないので、気持ちはわかりますが。
ただ、「無くなるものは無くなる」と言わざるを得ない面もあります。
例えば昭和の駅では改札に人が立っていて、客の切符をチェックしてハサミを入れていました。でもその駅員はどんなに動体視力やハサミの手さばきを上げようとも、自動改札機に置き換えられたら一気に失業です。それでもその職を守るために自動改札機を導入しないとしたら、いつまでたっても非効率なままです。駅員に別のスキルを身に着けてもらうしかないでしょう。
今はテクノロジーの変化がどんどん速くなっていますし、ある日突然要らなくなる仕事も出てきてしまいます。日本は雇用の流動性も低いので、再スタートを切るのが難しくもあります(特に一度貧困に転落してしまうと経済的・精神的余裕もなくなってしまいます)。
個人の力でできることは、情報を広く集めて世界のトレンドを敏感に把握しすること、斜陽な分野から伸びそうな分野へ移動すること、その分野で生きていける力をつけること、一時的に収入が減っても生活に困らない貯えや複数の収入減を持つ、ぐらいしかなさそうですが。
今週結果待ちの転職活動もその一つですが、それ以外にも並行して色々やっています。まだ種蒔きの段階ですが。