そんなこと、「あるわけがある」
今日も仕事と転職の話です。
筆者の業務は前から書いている通り、米中対立とか経済安全保障とか、そんな最近話題のトピックにも結構関わる内容です。最近はGoogleアラートで関連記事を全世界のネットから毎日集めていますが、それで色々新たに見えてきたりもします。「世界はこんな風に動いているんだな」とか「今後はこうなりそうだな」とか。
各国政府の諜報機関ではスパイ活動もしつつ、必要な情報の9割以上は公開情報から集めていると聞いたことがありますが、「それってこういうことなのかな…」っていう感触です。
最近は部門内でも重要そうな記事をピックアップしてコメントもつけてメンバーにも共有していますが、それでまた問題になるのが「上司ブロック」。新たな取り組みの提案は「そこまで必要ない」リスク分析と対応策を提案しても「そんなの非現実的だ」と一蹴されるケースの多いこと多いこと…。
自分の仕事が増えるのが嫌なのか、変化が嫌なのか、変化を見たくないからなのか。過去の延長でしか判断しようとせず、しかも役員から言われたら聞くのに、下から何を言っても馬の耳に念仏。「何を言うか」じゃなく「誰が言うか」だけが判断基準。筆者は精神障害者なことも余計に災いしてるのか、「また変なこと言ってやがる」ぐらいにしか思われてなさそうです。今月初めの役員向け報告書に筆者が1月から出し続けていた提案がやっと入ったのに(何度もくどいですが…)、まだわからないようです。
例えば2年前に「香港国家安全維持法」ができましたが、この法律は中国の国家分裂や体制転覆の扇動行為を「場所を問わず」取り締まる内容を含んでいます。そして華為やTioTokのような中華スマホやアプリ、携帯基地局は情報が中国政府に全て筒抜け状態なので、そんな環境でウイグルや香港問題、台湾海峡問題で中国政府を批判すると中国(香港・マカオも)へ入国した瞬間に拘束されるリスクも理論上あります。華為のCFOがカナダで拘束された時に中国にいたカナダ人も人質状態になりましたが、社員がそんな目に遭う可能性もあります。
また、いま審議中の経済安全保障法案は特許の非公開とか海外での出願への制約もかかりそうで、そうなると製品開発に制約もかかります。そうなると経営企画や総務や知財部門と連携して国内外社員への注意喚起(中華アプリを入れるなとか、入れて中国の体制批判をするなとか)や、開発する場所とか使う技術とか、色々ルールを整えていくのが必須になります
一方、そんな中華ITを締め出す国ではライバルとしての中華系メーカー不在なので、日系企業にはチャンスにもなり得えます(但し「チャイナフリー」なサプライチェーンが必須なのと、当然欧米や韓国のメーカーはライバルのままですが)。
そんなことも提言しましたが、上司は十中八九動かないでしょう。筆者が提案したリスクも「そんなわけあるか!」としか思っていないはずです。でも本当にそうでしょうかね。
20年前の9.11、貧乏な途上国と見下していた中国に怯える今の日本、コロナの蔓延、はるかアフリカまで普及したスマホ、エンジン車の販売禁止(2030年以降)、台湾の同性婚実現、香港の自由の消滅… 今の世界自体が「ありえない」だらけなのに、「変わらない」が前提の経営。そりゃうまくいくわけないでしょ?
それに「何事も変化はするもの」って前提で色々工夫して知恵を絞って、戦略を考えてくのは結構楽しいものです。何をそんなに怯えて古いやり方にしがみついているのか筆者にはわかりません。何も変わり映えしない環境とか同じことの繰り返しとか、むしろ筆者はすぐ飽きそう、頭もボケそうで嫌です。
ちなみに在宅勤務の今日はエージェント3件と面談でしたが、面談含めたエージェントとのやり取りも毎回ほぼ同じ、既に飽きています。早く終わらせたい…(-_-)。