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知識ゼロで人生初のクラシックコンサートに行ったら夢の中にいるみたいだった @東京オペラシティ

1月5日。東京オペラシティで催されたウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団のニューイヤーコンサート2025に母と行ってきた。


クラシック何も分からないのにコンサートに行った理由

ちなみにクラシック音楽はほぼ全く分からない。
毎年正月にNHKで放送されるウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを一昨年か昨年あたりに観て「なんか良いなー」と興味持ってから、そのコンサートのアルバムをちょろっと聴いてたくらい。といってもApple Musicで垂れ流してただけなのでどの曲が何とか全然分からない。
おまけに私は中学・高校と歴史が大の苦手だったので、名だたる作曲家達が活躍した時代背景も全然分からない。

ではなぜ突然クラシックコンサートに行くことになったかというと、きっかけは母である。
駅に貼ってあったポスターで、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団が東京でコンサートを開催することを知った私は、母に「コンサートやるんだね」と話を振ってみた。
母は子ども時代にピアノをやっていたこともあってかクラシックは割と好きで、NHKのウィーン・フィルも毎年なんとなくは観てるっぽいので、興味あるかな?と思って聞いてみたのだ。

そうしたら母は既に知っていたらしく、「ね〜、ちょっと気になってる」と言った。

……気になってるだと!?!?!?
この瞬間、私は絶対に連れて行こうと決意した。母は本当にあらゆる物事に対して興味を持てない人間なので、「気になる」という言葉は非常に貴重なのだ。

じゃあ行こう!と言ったら、「でも高いし……」とか言い出しやがったので私が出した。(普段超どうでもいいものにばかりお金を使いまくって家計を苦しめてるのに、コンサート代は気にするの、マジデイミワカラナイヨ……)
B席(6,500円)なので二人で13,000円。大丈夫、BUMPさんのS席は13,200円だし、うたプリのSSS席は20,000円だし、デレマス10周年ライブのツアーファイナルなんて出演者非公開なのにアリーナも天井席も全席一律で13,000円だった(※すべて1枚の値段)。それらに比べたら半額以下なので全然安い。

とにかく母は何に対してもフットワークが激激激重すぎる。でも私が勢いでチケットを購入し、もう行かざるを得ない状況になると「何着ていこうかな~」と言いながら楽しみそうにしていた。買ってよかった。

まあこの通り、大きなきっかけとしては母だったが、私自身もクラシックコンサートには興味があったので、純粋に楽しみにしていた。


圧倒される非日常的気分&別世界に入り込んだ感覚

前置きが長くなったが……。
行ってみて感じたことは、何と言えばいいかわからないけど、なんだか現実じゃないみたいだった。夢の中にいるみたいな感覚だった。

それは、普段私が行くような音楽ライブと同様、楽器の音と会場の空気感に圧倒される非日常的な感覚と、まるで映画館で映画を観ているときに感じる、別世界へと入り込んだかのような感覚とが同時に降ってきたからだと思う。すごい空間だ……と思った。

ちなみにクラシックコンサートなんて絶対寝ちゃいそうだなと思っていましたが……えっと……寝ました。(本当にすみません)
でも、寝てる紳士淑女の方々、割といた……。
本当に心地良かったんですよ(言い訳)
※もちろん、「夢の中にいるみたいな感覚」というのは別世界に入り込んだ感覚という意味であり、寝るときの夢というつもりではありません笑


全曲だと長くなるので、お気に入りの曲や印象に残った所だけピックアップして感想を書いていきます。(結局長いけど)

2.ポルカ・シュネル「心うきうき」op.319(原題「Leichtes Blut」)

ポルカ・シュネルってなんやねんと思い調べてみたら、シュネルとはドイツ語で「速い」という意味で、要するに「通常より速いポルカ」のことらしい。弾むように軽快なリズムが特徴とのこと。

まさに弾むようなリズムで、お祭りとかパーティーとか、これから楽しいことが起きる!ってワクワクしてるような心の様子が伝わってくる。そしてなんともかわいらしいタイトル。本当にうきうきしてくるから不思議。新年にぴったりな曲だなあと思った。

6.ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325(原題「Geschichten aus dem Wienerwald」)

森が見えた……。動物たちが優雅にお茶会してそう。アリス・イン・ワンダーランド的な光景。
すごく静かで穏やかなターンと勢いのあるターンとが交互に来る感じが、自然の偉大さ・壮大さと神秘的な美しさ・繊細さが両方表現されているように感じられて好きだった。私が森などの自然が好きな理由はまさにそこで、自然の中にいると「途方もないほど大昔からこの木々は生きているんだな」という事実に圧倒され、自分という存在がちっぽけに思えるほど大きなパワーをもらえるとともに、木々のざわめきや川のせせらぎ、小鳥の鳴き声といった美しい光景に心が浄化されるからだ。
この曲聴いてると森の中にいるときみたいな気持ちになれるから良い意味でめちゃくちゃ眠くなる。今このnoteを書きながら聴いていたけどめちゃくちゃ眠い。

7.喜歌劇「ヴェネツィアの一夜」/序曲(原題「Eine Nacht in Venedig: Ouvertüre」)

この曲、結構強弱というか波があって、まるで物語みたいだなあと思ったけどよく見たら喜歌劇って書いてあった。「ヴェネツィアの一夜」という演目の喜歌劇(オペレッタ)とのことで、その序曲だという。

オペレッタってなんぞやと思い調べてみたら、

オペレッタはヨーロッパ生まれの音楽劇の一種です。
歌やオーケストラの演奏する音楽と、セリフの部分から成り立っています。

オペラがほぼ全体にわたって音楽中心でつくられているのに対して、オペレッタはセリフの部分が非常に多く、演劇的な要素がより大きいのが特徴です。
また、扱う内容も演じ方も、オペラに比べよりリアルでわかりやすく、初めてみる方でも理屈抜きに楽しめるものが多いです。

ミュージカルは広い会場で演じる場合や、激しい演技や踊りを伴う場合など、マイクを通して歌い演じることがほとんどですが、オペレッタは基本的には伝統的なオペラ歌手と同じテクニックを用いて、「ナマ」の声で歌い演じます。

へー!オペラVer.のミュージカルみたいな感じか。面白そう!オペラ興味あるけど難しそうで敷居高く感じてたから、ちょっと興味が出てきた。
ミュージカルも好きだし、やっぱり物語性のある音楽が好きなのかも。というかもはや、何に対しても、勝手に意味やストーリーを見出す行為が大好きなのです……。

8.ポルカ・シュネル「チクタク・ポルカ」op.365(原題「Tik-Tak, Polka」)

よく見たらこれもポルカ・シュネルだった。テンポ速いのが好きなのかもしれない。この「チクタク・ポルカ」って原題もそのまんまなのか。
この曲は誰が聴いても「チクタク感」を分かってもらえるんじゃないかと思う。鉄琴の音がもろ時計のチクタク感。軽やかなリズムがなんか楽しくて良い。
ちなみにこれ、仮面舞踏会で相手が妻であると気付かずに自慢の懐中時計で女性を口説こうとしている愉快な曲とのこと。なにそれめちゃくちゃかわいいな。

11.ポルカ・フランセ「クラップフェンの森で」op.336(原題「Im Krapfenwald'l」)

鳥笛が印象的な曲。会場で聴いた演奏は鳥笛がだいぶふざけてて面白かった。めちゃデカい音で鳴らしたりとか笑
曲そのものも、優雅でありながらも陽気な軽やかさがあって、鳥笛の音でちょっと気の抜ける感じがなんとも楽しい気分になるけど、そのうえ指揮者も奏者も遊び心があったのがとても良かった。オーケストラってきっちりしてる印象が強いから、人間味を見せられるとなんかほっこりする。

12.ワルツ「美しく青きドナウ」op.312(原題『An der schönen, blauen Donau』)

ワルツといえばこれ。タイトルは知らなくても、誰でも聴いたことあるはず。やっぱり聞き馴染みのある有名な曲はそれだけでテンションが上がる。
そしてこれ今聴いてたら気付いたら寝てた。クラシックの入眠効果えぐい。すんごい落ち着くのよ……。

EC1.唱歌「一月一日」

え!まさかの日本の曲!お正月の曲!ニューイヤーコンサートならではですね。ちなみに私はこれを現地で聴いたとき「うわ、絶対日本の曲だ……なんだっけこれ……多分お正月の曲のはず……」しか頭にありませんでした。こんな有名な曲のタイトルもわからないとは日本人としてお恥ずかしい限り。

アンコール前のタイミングで、指揮者と奏者全員が「あけましておめでとうございます」って声を揃えて言ってくれて嬉しかった。指揮者の人はちょくちょく「ドウモコンニチハ!」「ドウモアリガトウ!」「チョットマッテクダサイ!」などと日本語で話してくれて、こんなマイナー言語にも寄り添ってくれてありがとう…という気持ちになった。

EC2.ポルカ・シュネル「シャンパンポルカ」op.221(原題「Champagner-Polka」)

さすがに3回目だから覚えた!ポルカ・シュネルは速いやつだ!やっぱり私はテンポ速い曲が好きっぽい。そしてまた今これ聴きながら寝ていた……。テンポ速くても寝るんかい。いや、単に仕事終わりに書いてるから眠いだけか。

EC3.ポルカ・シュネル「愛と踊りに熱狂」op.393(原題「Sturmisch in Lieb' und Tanz」)

これめちゃくちゃ好きだー!またポルカ・シュネル。
カービィのBGMにありそう(褒めてる)
そのくらい軽快かつ爽快で楽しくなってくる。
タイトルが「愛と踊りに熱狂」とあり、熱狂の部分は夢中とか熱中とも訳されるみたい。確かに、夢中で周り見えなくて一直線な勢いある感じと、浮き足立つフワフワした陽気な心がもろに伝わってくる。

EC4.「ラデツキー行進曲」op.228(原題「Radetzky-Marsch」)

さすがにテンション上がった!やっぱり最後はこれだよね。テレビで観てたウィーン・フィルでも「手拍子楽しそうだな〜」「会場との一体感良いな〜」って思ってたので実際にできて楽しかった。
普段は冷めてる母も「ラデツキー聴けた🎶」って嬉しそうにしていた(まだ人間の心が残っていたようで良かった)。


思ってたより敷居高くなかった

クラシックコンサートってとにかく「敷居が高い」印象だった。テレビで観たウィーン・フィルも、お客さんみんな貴族か?って感じの見た目だし(あそこはさすがにドレスコードあるんだろうな)。

でも実際行ってみたらみんな割と普通の格好。年齢層は全体的にはやや高いけど、金髪のイケイケな若者とかも全然いた。男女比率は半々か、やや女性多めくらい?(夫婦で来てる人が多いのかも)
あまりにもカジュアルすぎる服装(サンダルとかダメージ加工系とか)だとあれかもだけど、シンプルなトレーナーとかジーンズくらいなら問題ないくらいの雰囲気だった。

値段的にも、S席なら高いけどそれでも11,000円なので「BUMPよりは安いな…」って思ったし、A席〜C席ならもっとお手頃だし。初めてだったからB席にしたけど(Cは売り切れてた)、次はとりあえずA席がいいかな〜。真横のバルコニー席だったからオーケストラ半分くらいは見えなくて、「この音は何の楽器…?」って分からないことがちょくちょくあった。
ちなみに席種の割り振りの規則性がよく分からない。単なる見やすさだけじゃないっぽいけどやっぱり音の聴こえ方なのかな?

曲名とかも全然分からないから楽しめるか不安だったけど、知らない曲たちにたくさん出会えるのが楽しかった。チラシに曲目書いてあるし、今回はパンフレットも買ってみたので各曲の解説を読んでみて「なるほど〜!」とか「そんな背景があったのか」とか新鮮に味わえた。サイン会やっていたのでサインももらった。

下の余白に書くのかと思ったら大胆だった

またクラシックコンサート行きたいなあって思った。気軽に行って良い場所なんだなあと思えた。
次は寝ないことが目標です(当たり前)。というか、坂だらけの道を30分以上自転車漕いで来たせいで、めっちゃ疲れてたからっていうのもあるかもしれない。やはり筋肉をつけねばならない…(※ケチなので電車で行く気はない)。

余談:椿屋珈琲行った

お腹が空いたので何か食べたいねと話していたら、東京オペラシティの中に椿屋珈琲があったので入ってみた。
椿屋珈琲といえば、チェーンの珈琲店の中では結構高い部類に入る。高校生の時、ルノアールには入れたのに椿屋珈琲は値段を見た瞬間「私には早い…」と即引き返した記憶がある。
ただ、初めて入ってみて思ったけど喫茶店にしてはややお高めとはいえ普通にご飯行くのとそんなに変わらないから、たま〜〜〜に行くなら良いなって思った。まあお金があるなら、全然毎日でも行きたいですけども……。

ちなみにハヤシライスを食べたかったんだけどご飯系が売り切れだった。仕方なくバジルソースパスタを頼み、季節のケーキセットにしようとしたら季節のケーキも売り切れ。じゃあチョコレートケーキでって言ったらそれも売り切れ。じゃあチョコレートシフォンでって言ったら今日は紅茶のシフォンだけなんですと言われ(おそらくシフォンは日替わり?)、結局チーズケーキにした。ここまでことごとくハズレを引きまくると逆に面白い笑(でも私が最初に「ケーキはこの中から選べばいいですか?」と聞いたときに教えてくれてもいいじゃないかとは思った笑)

味はめちゃくちゃ美味しかったです。パスタはバジルの風味と香りがすごくて、クリーミーなモッツァレラとの相性が最高だった。エビもプリプリ。チーズケーキはめちゃくちゃ濃厚で、でも決してしつこくなく、パクパク食べれちゃう。

初めて来たお店なら、まずはやっぱりブレンドだよね。

なんといっても珈琲がすごく美味しかった!!高いとはいえチェーンだからそんなに期待してなかったのに、ここ最近飲んだ中では一番美味しかったかも(ちなみに過去一で美味しかったのは仙台の純喫茶 星港夜シンガポールナイト)。
苦味・酸味・甘味のバランスがすごくちょうど良くて、まろやかで角がない感じ。変なクセもないから誰でも飲みやすいと思う。ザ・王道のブレンドって感じ。

飲み比べるために半分ブラックで半分ミルクと砂糖を入れて飲んだけど、やっぱり全部ブラックで飲めば良かった。ミルクと砂糖入れるのが勿体ないくらいだった。
5のつく日は珈琲豆が10%オフということでちょうど5日だったので買ってしまった。珈琲豆は高くないどころかいつも買ってるところより全然安かった。でもこれ家で淹れても全然違うんだろうなあ…やっぱ珈琲の勉強がしたい…。

あと食器が全部ロイヤルコペンハーゲンだった。めちゃくちゃかわいい。こういう派手すぎないの大好きだ。青系ってロイヤル感があって良い。

超余談:ワンカラ行った

これはマジで1ミリもコンサートとは関係ないのですが、ここ最近本当にカラオケに行きたくて仕方なかったので行ってきた。ここでもケチを発揮し、駐輪場が2時間無料なので2時間以内に収めてきた。歌い足りないと思ったけど喉はカッサカサだったのでやっぱりちょうど良かったな。フリータイムにするとつい歌いすぎて本当にぐったり疲れるし喉が終わる。普通に翌日仕事だったので軽めにしておいて良かった。

・・・

年末年始休みの最終日を思い切り満喫できてよかった。結局大掃除は何も出来ていないので今私の部屋はとっ散らかっていますが、まあ……片付けなんていつでもできるし……。
クラシックコンサートに限らず、行ったことない場所に行ったり、知らないものに触れたり、というのは今後もゆるりとやっていきたいです。

2025年1月7日 しろくま

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