
Photo by
shiroyukimin
【WACK】零街の片隅へ
ノートガルドガルドの片隅の
ふらりと立ち寄ったそこは、街の喧騒を外れた一角にある扉の先。
昼間に訪れると、一瞬奈落へ落ちたかのように感じるが、じきに目が慣れると下へ続く螺旋が見えてくる。
一つ一つ足元を確かめながら降りていくと、いつしかそこは少し開かれた空間へと繋がっていた。
「いらっしゃい」
いつの間にか現れた人影から、脳へと直接響くような声が聞こえてくる。
「やあ、ゆきみんちゃん。遊びにきたよ!」
屈託なく声をかける。
「もう、白さん!雰囲気台無し!」
「あはは、ごめんごめん!なんか面白いの入ったんだって?」
「そうなの。さすが耳が早いね。ということはサンプルも持ってきたんでしょ?」
「ああ、それなんだが、ちょっとノートガルドの蓄音機が使えなくてね。異界の技術を使ってみたんだが、これでいけるかな?」
そういってひとひらの花びらを差し出す。
「こ、これ、どこで?」
「まあ、それはいいじゃないか。さて、こうやって展開をして…と。」
「これで、どうだい?もし無理だったら教えてね」
呆れ顔で眺めているゆきみんを尻目に花弁から音声を取り出す。
「う、ん。そうね。あっちに持って帰ってみないとここじゃわからないわね。」
「そうだよな、やっぱり。んじゃ、こいつごと持っていって。それさえあれば向こうでも聴けるはず。無理だったら諦めるよ。あ、それはあげるね。」
薔薇の形をしたそれは、微かに光を帯びているようにも見える。
ゆきみんはそれを手に取り少しの間眺めると、そっと水晶の右にあった一口瓶に挿した。
「OK。また連絡するわ」
「助かるよ。…ところで、まだ時間あるなら、もうちょっと君の話を聞かせてくれないか。」
※※※
おわりに
このお話はゆきみんのコラボ企画!
声から何かを読み取るなんて面白そうだよね。バインディングルーン欲しいなあ😏
いいなと思ったら応援しよう!
