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【随想】タオイズムの話

新年度のスタートは、新年と同じく初心を省みることが多い。今回は、俺の初心ともいえる上善如水から派生する話。

上善水の如しとは、中国古代の思想家老子の考え方であり、俺の座右の銘だ。詳しくはこちらの記事😏。

この言葉は老子の考え方をまとめた老子道徳経に載っているのだが、この老子と荘子(そうし)という人の考え方をまとめて老荘思想と言う。その考え方とは、ざっくりいうと「自然本来の考えや行動をしていけば、本来の素敵な生き方ができるよ」って話。

ちなみに、老荘思想においては、自然本来の考えや行動のことを無為自然、その自然本来のこと、つまり宇宙の根源的存在・原理のようなものを「道」といっている。道というのは中国語でタオと発音する。表題のタオイズムとは、この老荘思想を英語で表現した言葉なのだ。

断っておくと、そんなに詳しいわけではない。だから百科事典から引用してみる。

道教
どうきょう
Dao-jiao; Taoism
中国三大宗教 (儒教,仏教,道教) の一つ。道家,道学ともいう。中国古代の神仙思想を母体に,陰陽五行説,道家思想を加え,さらに仏教の影響をも受けて組織化された。後漢末 (2世紀末) ,張陵や張角によって創始された五斗米道や太平道は,呪術的な治病を中心とし,民衆に信仰されたが,六朝時代になると,仏教との抗争を通じて上記の各種思想をその体系内に組入れて教義を確立し,貴族間にも信仰されるようになった。5世紀,北魏の寇謙之の新天師道にいたって教団組織が確立され,儒仏二教に対抗して「道教」という術語が成立した。唐代には王室と結んで栄え,やがて全真教に代表される新道教も誕生した。現在はおもに台湾や東南アジアの中国人の間で信仰されている。
出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ね、面白そうでしょ?(俺だけw?)これをみると中国3大宗教の1つと言われているらしいね。

まずは儒教。これは孔子の考え方をもとにしたもので、中国、韓国、日本などの精神形成に大きな影響を与えている。特に江戸時代には庶民に至るまで多く学ばれたのは、渋沢栄一の大河ドラマでも描写されていた。

次に仏教。俺らの学生時代は、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教と合わせて世界4大宗教などと言っていたが今はどうなんだろう。インドから中国に伝わり、そこでさまざまな宗派が生まれ独自に発展している。日本でも、飛鳥時代〜奈良、平安、鎌倉とさまざまな形で伝わり、日本文化に根付いているよね。ここも面白いが、また今度😏

そして道教だ。俺の理解では、中国のさまざまな民間信仰を全て包み込む形で取り込んだのが道教というイメージ。シャーマニズムとか自然崇拝とか、土着神の信仰とか、そういったものはどこの世界にもあるが、それらをうまくつなげ、思想体系を形作るのに老荘思想(引用では道家思想と言っているね。)がぴったりだったというわけだ。

俺は、この道教が大好きである。

世界にはざっくりいうと絶対的なひとつの存在がある一神教と、さまざまな特徴を持った多くの存在を認める多神教がある(ニ神教などさらに分けることもあるよ)

一神教はその性格上、全てはひとつの存在に集約されるので、どうしても排他的になるか、支配下に置くかという選択になりやすい。そんな中では妖怪も精霊も生きていけないし、下手をすると全部悪者にされてしまう。

それに対して多神教は、なんでも神様になる。神様の特徴も千差万別。まさに多様性のかたまりである。そんな、なんでも招き入れる懐の深さがあるのが多神教だ。

道教はまさにその多神教的考えの塊だ。同じ多神教の国日本とも似ているところが多い。

例えば人間も神様になる。日光東照宮の祭神が徳川家康なのはご存じだと思うが、あんな感じで中国も人が神様になっている。先程の老子はもちろん神様になってるし、三国志の関羽とかも神様だ。ちなみに老子は太上老君、関羽は関聖帝君という神様になっている。

さらに、陰陽五行神仙思想も全部包含している。霊幻道士とか幽幻道士っての知ってるかな。あれも道教からきている。陰陽五行は日本でも国家の省庁になるくらいに取り入れられたが、神仙思想はそれに比べるとそこまででもない。とはいえ、久米仙人の逸話とかあるし、今でもドラゴンボールの亀仙人のように、我々にとってもイメージしやすい親しみやすい存在なのは確かだ。

ちなみに久米仙人は、女子のふくらはぎに見惚れて神通力を失うほどの足フェチである😏

神仙思想とは、簡単にいうと修行して仙人になろうという思想。

神仙思想
しんせんしそう
Shen-xian si-xiang
古代中国において,不老長寿の人間,いわゆる仙人の実在を信じて,みずからも仙術によって仙人たらんことを願った思想。
出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

イメージとしてはこんな山に住んでいる感じ。

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これは中国の心の故郷「黄山

黄色というのは五行説で土であり、人にあたる。その代表として黄帝という人から神格化した神様がいらっしゃるんだが、この方にまつわる逸話のある山だ。

水墨画の題材にもなっているし、確か世界遺産でもあるから旅行好きな人は知っている人も多いかもしれない。

確か世界遺産でもあるから旅行好きな人は知っている人も多いかもしれない。

そういえば、『神仙伝』という書物があって

『神仙伝』(しんせんでん)は、中国の西晋・東晋時代の葛洪の著したと伝えられる書。ただし、『隋書』経籍志や『抱朴子』の自序・内篇の記述から葛洪が『神仙伝』を記したことは確かだが、現行本は葛洪原作のものから改変が加えられ、収められた仙人のメンバーや文章は旧本とは異なるとする見方が強い。全10巻。
引用:Wikipedia

それに黄山君という仙人もいたが、やはりこの黄山に住んでいるのだろうか。

そんな道教も、中国本土では政治的な改革の影響で以前に比べ廃れてしまったらしい。でも、台湾ではまだまだ信仰されているらしいから、台湾にはいつか行って、道教の世界を感じたみたいものである。





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