【AP3最速情報】-STORY「AGE」トゥルーエンド追加-
[1]PROCESSの恩恵
皆様こんにちは一週間ぶりです。製作者のシロキシです。
前回はTYPEをより使う人によって戦略に幅をもたせる為のPROCESSについて紹介させて頂きました。
パッシブやスキル。それらのキャラの成長は戦いにおいて3の強力な武器を皆様に与えることでしょう。
しかしPROCESSが出来たことによって得られる恩恵はそれだけではありません。
PROCESSという分岐が出来たということは、AgroPulseの一番の醍醐味とも言える、キャラのストーリー体験が出来るという点においても非常に多くの魅力を皆様に伝えることが可能になったということです。
つまりPROCESS実装により、TYPEのバッドエンドやハッピーエンドなどの選択を、皆様に委ねることが可能になったということです。
よりキャラを生き生きと。まるで自分自身がそのTYPEの追体験をしているかのように。
これは、ゲーム性とストーリーを重視しているAgroPulseにとっては大きな進歩と言えるでしょう。
[2]エイジについて
そしてその中でも大きな恩恵を得たTYPEが一人います。
それは、従来ゲームの都合上どうしてもバッドエンドしか用意してあげることが出来なかった。
エイジ-AGE-というTYPEです。
エイジは【鉱石】を他のTYPEよりも多く獲得でき、それを味方に還元するか自分自身に費やすかを選べる特殊勝利型のTYPEです。
それを顕著に表すかのようにしてAgroPulse2のゲーム内でもTYPEのスキルを組み上げていました。
特に鉱石をコストにして時代を上げていき、「AGE0※時代→AGE1→AGE2→AGE3」のAGE3になった時の光悦感(※敵では絶望感)と言ったら、実際に体験した者にしかわからないものがあります。
物語上では、エイジは親に捨てられ鉱山で働くこととなった奴隷であり、
セレクターという勇者の炎によってこの世界を憧れの炎で包み上げる事を誓った少しサイk特殊なお考えを持った少年です。
セレクターを実質TYPEにしているエグゼと呼ばれる親友によって人類史上初の神である、【SelectorEgze】となりますがバッドエンドでは、バレッタによって力を与えられたエイジがとんでもない速度で力をつけていき、世界を救うはずの勇者は儚くも敗れ去ります。
そして見事、エイジは念願の溶岩に包まれた世界を目の当たりにし、満足しながら微笑んでBADENDという流れです。
はい。従来はここまででした。おしまい。ちゃんちゃんって感じで。
他のTYPEには基本的にHAPPYENDのルートが用意されていましたが、エイジが活躍する世界線ではいつも世界が滅んでいました。
AgroPulseのキャラクターは全員が主人公であり、誰が欠けてもいけない。そういうストーリーゲームです。
そこでPROCESSによって物語のエンドを選択できるようになったので、エイジにも立派なハッピーエンドを用意することにしました。
[3]エイジストーリー概要
ーエイジは炎に憧れていた。
きっかけはある勇者の輝かしい炎を見てしまった事が全てだ。
奴隷であるエイジはただ言われるがままに鉱山で働かさられる毎日を過ごしていた。だがある日、鉱山に奇声を発しながら暴れまわる魔物が侵入したことにより彼のTYPEとしての物語が動き出す。
魔物は狂ったように鉱山の壁を叩き壊していた。補強された壁や床。その全てを親の仇のようにして壊して周り、暗闇だった鉱山に風穴を開けていく。
鉱山の中はパニックになり、多くの奴隷が泣き喚き「救世」を求めた。
そこで現れたのが、勇者のセレクターである。
セレクターは鞘から剣を取り出すと、そっと額に剣先を近づけ、何かを願った。その刹那、剣に薄っすらと炎が宿る。
誰も傷つけたくない。だけども守るためには戦うしかない。そんな彼の優しい意思が投影されたかのようなその炎は、優しく、暗闇に満ちた鉱山を明るく照らす「希望の光」となった。
エイジはその炎をただただ眺めていた。
その炎に対し、何か言葉にする時間さえも勿体ない。
その炎に対して何か感想を述べることさえ申し訳ない。
そんな不思議な感覚が彼を取り込んでいた。
セレクターは目を閉じると、静かに詠唱を始める。
そして再度眼をそっと開いた時に、彼の剣はメラメラと全てを焼き尽くすかのような炎を纏った。先程までの比になんてならない。戦いを決意した青年の決意の炎だった。
セレクターは剣を力強く握ると、地響きと共に魔物の周りの地面が赤黒く変色していく。そして、地面からふつふつと火花が飛び散っていった。
【ヘクトバーン】
そう静寂の中で呟くと、セレクターは魔物に対し剣を大きく振った。
剣先から荒々しい豪炎が蠢き放たれていく。魔物に直撃したヘクトバーンは体を焼き尽くし、悲鳴が収まった後も体中に燃え上ってやがて静かに煙を上げながら鎮火していった。
この鉱山でその一部始終を見届けた者にとって、セレクターの勇姿に憧れを持った者は少なくないだろう。
彼を救世主とそっと感謝の意を示し、彼自身を神様とそう呟いたものさえいた。皆が「セレクター」を見て、彼に対して気持ちを高めていた。
だが、エイジは違った。
セレクターではなく、憧れ、抱いた思いの対象は
「どんなものでも終らせる力を持ったー炎だった」
この炎によって包まれた世界はきっととてつもなく素晴らしいものだろう。
この炎で終える世界は、どんなに美しい終わりなんだろうか。
この炎は、皆に平等に、等しい「最後-END-」を与えてくれる。
奴隷、平民、国王。ー勇者。
立場や地位なんて関係なく、等しく、ただ正しい終わりを与えてくれる。
炎は、なんて美しいのだろう。
こうして、彼の偉大なる炎を目の当たりにした彼は、炎で世界を熱く染め上げることを願った。
かつて両親に見捨てられた彼は、自分の憧れを必ず叶える不屈の意思を持っていた。それは心の曇りとは違った、恐ろしいほどに執着した情熱とも言える心の意志だった。
必ずこの世界を自分の理想に染め上げる。
エイジは着実に心の中に溢れ上がっていく炎のような熱に翻弄されていった。
やがて「熱心」の信仰神であるバレッタの力を貰い受け、TYPEとして目覚めたエイジは、かつてのセレクターのように自身が炎を自在にコントロール出来るに気がつく。
「心熱」(※心の情熱が熱く夢や目標に向かっていく力が強い程力を与えられ、TYPEとして目覚めやすい信仰。)
これが、彼の夢の実現へのスタート地点となった。
バッドエンドでは、このまま世界を炎に包み込ませて世界は滅びる。
[4]エイジトゥルーエンド
トゥルーエンドでは、セレクターの対の存在とも言えるナンバーと、ハッカーを救出するために合流したキャッシュと出会うことが必要条件となる。
ナンバーはエイジと同様に、鉱山で働く奴隷少年の一人だった。
だがナンバーの場合の物語の分岐は、セレクターの炎でもセレクター自身でもなく。
倒された、魔物自身と出会う事だった。
TYPEとして目覚めたエイジとナンバーは対面し、それぞれの信念を抱えて、戦いを起こす。
片方は世界を包む「炎」を「理想」で満たすために。
片方は世界を包む「影」を「正義」として残すために。
二人はスキルをぶつけ合い、己の信念を交え、ぶつけていく。
既に強大な力を蓄えたエイジの前にナンバーは劣勢であり、当然苦戦を強いられたが、エイジに対しあるスキルを放つ事でエイジの戦いの勢いが突然衰え始める。
それは、エイジにとって何か既視感があったからだ。
そのスキルだけは、今ようやく手にした自分の夢を叶える力でも到底及ばない何かがあると体感的に感じたからだ。
キャッシュは、ナンバーに頼まれていた通りにそのスキルをメモリーに変換し、そのスキルの記憶。記録を、エイジの脳内で再生した。
―その瞬間、エイジは、父や母と過ごした時間を思い出した。
もうすっかりと忘れた。
いや、忘れようと努力した、過去の辛く幸せな毎日を。思い出してく。
父の視点を、追いながら。
ー父と母は国の反逆者であった。
国に反旗を振るう軍に所属し、国に対し力を持って抗議を行っていた。
戦死する者もいれば、罪もない犠牲が生まれることもあった。
だがそんな暴動もやがて鎮圧にへと向かっていく。
鎮圧を確実のものとする為にも、国王は反逆に関わった者全てを見つけ次第処刑するように、騎士に命じた。
当然。反逆に関わっていた父と母も騎士から命を狙われる立場となった。
毎日死に脅かされ、待つ未来は、少なからずの存命か、殺される道だけだ。
大好きな息子を守る為にも、我が息子のエイジを守る為にも、
少しでも苦しくない道を進ませるしか方法はなかった。
愛を見せてはダメだ。
愛を彼に残してはダメだ。
きっと寂しくなるだろうから。
きっと、親を思う優しい子として、この先の未来を辛く、苦しみながら生き続けなくてはならないだろうから。
エイジは、鉱山の主に引き渡された。
父はエイジに情を見せなかった。
泣き喚き、なんで!と何度も何度も連呼しては父と母に手を伸ばしていたエイジに振り向くこともなく、涙を悟られる事もなく、奴隷として、彼を鉱山にへと引き渡した。
大好きだからこそ。「大切な息子」を出来るだけ残酷に見捨てるしかなかったのだ。
エイジを捨ててから僅か、逃亡の最中で母は騎士に命を奪われた。
終わりは儚くあっけなかった。
剣で胸を一突きされ、苦しむ時間を与えられぬまま喉仏を切られていた。
母の最後の言葉は、何も聞けなかった。
息子と妻。
家族や大切なものを何もかも失ってしまった父は、悲しみに暮れた。
やがて積もっていく後悔は心を曇らせ、心を毒々しく染め上げていった。
父は。「心雲」されていく。
そして、そんな中で出会ってしまった。
街の一角で静かに息を潜めていた父は、スラム街である者に声をかけられる。
「心雲」を崇拝するカルト信仰。ポイズンヒドラの信仰者に。
父は、カルトの誘惑に負け、やがて「心雲」に手を出してしまう。
まるで麻薬のようにして、夢中になって体にその力を取り込んでいく。その瞬間だけは、苦しさや現実から目を背けられるような気がした。
見なくても良いものに勝手に雲りをかけてくれるような感覚だった。
「心雲」は、心も体も何もかもを壊していく。
数日に渡り父はみるみる体を蝕まれていく。
やがて体の一部が腐り落ると、メキメキと生え始めた禍々しい魔物のような擬態に体と侵され、脳内にまで侵食を始めた心雲によって、日に日に理性を失っていった。
父の姿は完全に魔物とし、最後は人間としての道理さえも失われていった。
それでも、どうしても。
息子のエイジの事だけは忘れられなかった。
父は雄叫びを上げる。
街に響き渡った薄気味悪いその悲鳴は、父自身に一番大きく聞こえていた。
最後に。彼を自由に。
息子に。もう一度光を。
どうか、大切な家族に、
前を進むための、一つの「勇気」を。
もうすでに人間としての理性を失った父は、まるで帰巣本能かのようにし、ただ己の意思に従うままに、エイジを捨てた鉱山にへと向かう。
賢さの微塵の欠片もない。正しさも間違えだってそんなものは一切考えにはなかった。
ただ、ひたすらと壊した。
鉱山を閉じていた檻も、壁も。めちゃくちゃに暴れて、暗闇に光を照らした。
狂っていたのは間違いなかった。とても人間らしくなく、悪であり、完全に魔物としての振る舞いだって事も百も承知だったことだろう。
だが父は、間違っても誰かを傷つけることなどけしてしなかった。
何故ならそれだけが、父の中に微かに残っていた、人間として最後の理性に従った行動だったのだから。
父は奴隷を開放する為に。エイジに対する過ちに許しを請うかのように。
鉱山を破壊し続けた。
セレクターによって倒されるその瞬間まで。
父は、自分自身と、戦い続けた。
―エイジは、頬を伝う涙を流す。
記憶と共に、炎なんかよりも温かく、そして尊い。
家族の温もりをもう一度知る。
ナンバーは、膝をついてがっくしと座り込んでいたエイジの手を取り、そっと言う。
「君の父は、きっと最後まで正義にはなれなかった」
父は、正義ではなく、悪だ。エイジにも、それは分かっていた。
ナンバーは「でもー」というと、言葉を続けた。
「きっと彼の行動は正義という名の光に落ちた、影そのものだ。
その影はきっと誰かの影になり続けていくことを望んでる。
光として前を照らすことは出来ないって分かってる。
だから。...大切な者の背中を支え続けていけることを、願ってる」
エイジは、キャッシュによって再ネーミングされた、ナンバーのスキルの結晶。父そのものの力を授かる。
ナンバーのTYPEとして目覚めることとなったきっかけ。始まりの力を、エイジは二人から託された。
エイジはそのスキルをぎゅっと抱きしめると、くしゃくしゃになった顔で、大粒の涙をこぼしながら、呟いた。
「...これは、僕の「勇気」だ」
一方で、セレクターは国の市民を守る為に立ち上がっていた。
「心雲」によって魔王と化した存在に立ち向かい、その強大な力の前に屈することはけしてしなかったが、窮地に立たされていた事は間違いなかった。
エグゼは致命傷を負い、その傷は死の寸前にまで追い込まれていた。
勇者と魔王の戦いは、敗北を喫するかと思われた。
その時、誰かがそんな彼らの元に静かに近寄る。
その誰かは、かつてセレクターが他に与えたような優しい炎を体に揺らめきながら纏っていた。
その誰かは、かつてのセレクターのような、覚悟を決めた情熱に満ちた炎で照らしていた。
エイジは、エグゼにそっと耳打ちする。
自分が、勇者と共に戦うと。
エグゼの意思を継ぎ、自分が「炎」となり、勇者の行く先を照らす、「炎」となり、真っ暗な道を勇気で照らした、そんな「炎」を。
今度は。自分自身がと。
彼の優しい覚悟を目前にし、エグゼは優しく微笑むと、エイジに力の全てを託した。エグゼ自身がエイジに取り込まれていく。半分神であるエグゼが、ただの人間であるエイジと合わさり、「水妖精」と「炎妖精」のハーフともなる。
ー「半炎神-EgzeAge-」となり、セレクターの側に立ち続けた。
確かに「勇気の炎」は一人の少年の未来を照らし、繋いだのだった。
[5]おわり
エイジのトゥルーエンド。如何だったでしょうか。
AgroPulseの魅力は、ゲーム内でキャラクターの追体験が出来ることです。
どんなキャラの魅力も引き出す事が出来て、もしかしたら製作者の知らない物語をゲーム上で演出することだって可能なのかもしれません。
これからもTYPEによっては、PROCESSによって解放されるエンドがあるかもしれません。
是非是非ゲーム内のストーリーもお楽しみに!ではまた!