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初めて出会った本のこと

さて、少し時間が空きましたね。
自分の本棚を目の前に、次はどの本のことをお話しようかずいぶん迷いました。
結局、決めることができませんでした。
それよりも、あなたたちと読んだ本のことを記録しておきたいと思ったのです。
あなたたちが知らない、あなたたちの本の話。
そういうのを知っておくのも悪くはないでしょう。
今からはあなたたちとの読書の思い出をお話していきます。

はらぺこあおむし

(エリック・カール著,もりひさし 翻訳)

この本は、ねーねが生まれたときに母の親友から頂いた本です。
赤ちゃんだから多少乱暴に扱ってもいいようにと、こういうぶ厚い紙のバージョンを選んでくれました。
そう、絵本ってロングセラーになるといろんなバージョンが出てくるの。
布絵本もあったんじゃないかしら。
図書館に行けばきっと紙芝居みたいに大きなバージョンもあると思います。
一応言っておくと、一番最初のはらぺこあおむしは大きなお絵かき帳くらいの大きさで、それで薄い紙の本なのよ。
お家にある、ボール紙の絵本とは全然違います。
まあそんなことはともかく、あなたたち三人のはじめての絵本と言えば
それは間違いなくこの「はらぺこあおむし」です。


母はね、自分が本が好きだから、きっと自分の子どもも本が好きになると思っていたの。
でもね、それは大間違い!
赤ちゃんのねーねはちっともこの絵本を好きになってはくれませんでした。
でも母も諦めずに、一生懸命毎日のように絵本を読んだのよ。
でもそんなことしても、全然効果なし!
機嫌がよさそうなときに読み始めても、1ページもいかないうちにぷいっとどこかに行っちゃうの。
正直、がっかりしました。

結局、おばあちゃまが買ってくれた「もいもい」がヒットして、なんとかねーねは絵本嫌いになるのは避けられました。
母はね、このとき自分と子供はぜんぜん違う存在なんだと痛感しました。

でも、少しずつ慣れてきて、ついにはらぺこあおむしのぬいぐるみに反応するようになったとき、ようやく母は一心地つけました。
違う存在だと分かっていても、やっぱり嬉しかったの。

ちいさいねーねは、お歌からこのお話に入りましたね。
お歌と踊りが大好きだから、このお話もすぐに大好きになりました。
二歳になるころにはこの歌を歌っていました。
ただし、自分で歌うのはもっぱら土曜日のくだりだけでしたが。
他のところは、けっこうごちゃごちゃです。
一時期はお昼寝のたびに歌ってたので、相当お気に入りだったんじゃないかしら。

あかちゃんは、まだ好きも嫌いもない段階。
ニコニコしながらとりあえず絵本をしばいてます。
三人目ともなるとね、母もちょっとは心積もりが出来てきて
「絵本に乱暴したらあきませんよ」
と言いながらそっと遠ざけるようになるのです。
まあ、これからこれから。
ねーねやちいさいねーねも読んでくれますから、きっと嫌いにはならないでしょう。
……きっとね。

もいもい

(市原淳 著,開一夫 監修)

さっきもちょっと名前が出ました。
おばあちゃま(母の母です)が買ってきてくれた本です。
なんだかね、大学の先生が「赤ちゃんに楽しんでもらう絵」なんかを研究して、その成果がこの本なんですって。
そういう能書きは帯で見かけてたけど、はらぺこあおむし事件ですっかり自信をなくしていた母は「でも、うちの子はそんなに絵本が好きじゃないかもしれないし……」と買うのを躊躇していた本の一冊です。
おばあちゃまは絵本選びの天才で、他にもたくさんあなたたちに絵本を買ってきてくれて、それがことごとくヒットしています。
……正直母は悔しいです。
が、まあそれは良いとして。

この絵本のあなたたちの反応はかなり似てました。
ねーねも、ちっちゃいねーねも、赤ちゃんも、
娘たちは皆この本が大好きなの。
不思議なくらい。
もいもい!と元気に読むと、皆楽しそうにするから母は読み甲斐を感じてます。
しなプシュでも毎日もいもいのコーナーがやってますから、その影響かしら。
まだ「はらぺこあおむし」を叩いて遊んでる赤ちゃんまで惹きつけるんだから、すごい絵本です。
この、不思議な形のぐるぐるお目目に皆そろって釘付けになるの。
不思議ねえ。

もっと不思議なのは、大きくなった娘たちは誰も
「それで、もいもいってなあに?」と聞かないことです。
母は読みながら「もいもいって何かしら」とずっと思っているのだけれど、
赤ちゃんのときから親しんでいるとそういう疑問は抱かないのね。

どうしてこの絵本がそんなに好きなの?
覚えていたら聞かせてね。

だるまさんシリーズ

(かがくいひろし 著)

この絵本は、ちいさいねーねが検診で貰ってきた本です。
ねーねはお姉さん心に目覚めたころで、
よく赤ちゃんのちいさいねーねに読もうとしていました。
ちょうどひらがなが読めるようになってきて、絵本も一人で読み始めたころだったのよね。
もちろん、その頃のちっちゃいねーねは気ままなもので、あまり聞いていませんでした。
それでねーねを随分がっかりさせたものです。

でも、そんなねーねの努力が報われてか、ちいさいねーねはこの絵本が好きなのよね。
ねーねが戸棚から絵本を引っ張り出してくると、真似をしてちいさいねーねも絵本を出してきます。
そのときに選ぶのが、このシリーズでした。
ちいさいねーねはこの「だるまさん」のキャラクターが本当に好きだったんですよ。
近所の保育園の窓に貼ってあるだるまさんを見つけて、毎回のように「あ!」と大きな声を出すくらい。
特に好きなのは「だるまさんと」ですね。
フルーツが大好きなちいさいねーねは、ひとりで何度も何度もこの絵本をめくっていました。

赤ちゃんは、まだまだこの絵本を引っ張って遊ぼうとしますから、もうちょっと大きくなってからたくさん読みましょう。
「はらぺこあおむし」みたいに頑丈な絵本なら良いんですが、
これは小さくて、薄い紙の絵本なので。

ぺんぎんたいそう

(齋藤 槙 著,イラスト)

これは父が買ってきてくれた絵本です。
あなたたちの父も、ときどき面白い絵本を買ってくるんですよ。
それが、これです。
ねーねも、小さいねーねもこの絵本が大好き。


「ぺんぎんたいそう、はっじまっるよー!」
1ページ目のこの出だしで、あなたたちは瞬時にぺんぎんになります。
そしていっしょに手をぱたぱた、足をちょこちょこ。
読むというよりも、ぺんぎんになりきって楽しんでますね。
それが堪らなく可愛いったら!
動画でその様子を撮る暇がないのが心から残念です。
どうして母はひとりだけなのかしら。

赤ちゃんもね、ねーねたちの真似をして母が腕をぱたぱたさせたりするとニコニコ笑うんですよ。
ねーねたちといっしょが出来るのが楽しいのよね。
あなた、家族がみんな揃ってると本当にご機嫌だもの。

ぺんぎんに変身するだけじゃなく、時にはぺんぎんのぬいぐるみさんに体操させたりもしましたね。
大きくジャンプするときは、やっぱりぬいぐるみさんの方が上手にできるもの。
でも程々にね。
天井にぶつけるくらいは、ちょっとやりすぎ。
優しくしてあげてくださいな。


さてさて、思い出深い絵本はお家にもっとありますが、これくらいにしておきましょう。
また、何を書こうか迷ったときに紹介させてください。

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