【1998年11月14日 「トゥルーマン・ショー」公開】
▶人生の全てを24時間全世界に生中継で放送されているトゥルーマン(ジム・キャリー)。本人だけがそのことを知らずに生きてきたが、ある日、自分の日常生活に不審を感じ始める。
真実を知ろうと行動に出る彼の前に、番組プロデューサーのクリストフ(エド・ハリス)が立ち塞がる。
▶トゥルーマンとクリストフの関係は、親の過剰な庇護から抜け出し自力で生き抜こうとする子と、子離れのできない束縛する親といった疑似父子のようにも見える。
クリストフが作り出した偽りの人生から抜け出したトゥルーマンはまさに「真実(True)の人間」に生まれ変わるが、そこから先は彼自身の人生なので、観客の私たちも知ることができない。
自分の人生は自分で切り開くしかないことを、しみじみと感じさせるラストが秀逸。
▶そして、本作に出てくるトゥルーマン・ショーの視聴者たちは、番組に夢中になりながらも、番組が終了すれば急に冷めて別のチャンネルに切り替える。視聴者の気まぐれぶりを皮肉っている。