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サスティナビリティをデータドリブンでサポートする中間支援組織・・・めざしながら、まずはスマートシティのマスタープランや論文の勉強会・・・興味ある人はいるでしょうか?
長いタイトルだ・・・
私は、10年以上も海外のスマートシティを追いかけています。
実は、スマートシティと言われる都市を歩くと、いろいろな仕掛けがたくさん備えられています。
見えやすいのは、CCTVやセンサー類ですが、アスファルトの下とか地上から生えているスマートポールも装置のひとつ。
街に備えられているそれらの設備を現場で見ても面白いですが、その場所でスマートシティをなかなか実感できません。
これらのデバイスが集めたデータが、データハブでDB化されそこから分析、加工されて、ビジュアルに可視化された都市マネジメントという視点で運営されている場所がある。
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一般的にスマートシティマネジメントセンターや管制センターと言われる設備だが、スマートシティ化の状態を評価する国際標準規格には、このような都市マネジメントのセンターの設備の存在、それを支えるIT人材も評価対象になっている。
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現実にスマートシティとして作られている都市は、それぞれマスタープランを持っている。
私が完成度の高いマスタープランにはじめて出会ったのは韓国の世宗市のスマートシティのマスタープランで、全体のプランナーは、Jeong Jaeseung教授で、韓国のKAISTの教授で、専門はバイオと脳工学です。
都市工学ではない教授が韓国のナショナルプロジェクトのマスタープランを描いていますが、彼が提唱するサスティナビリティをめざす理想としての都市の計画は、従来の都市の問題提起からはじまり、理想的なサスティナビリティを可能にする都市サイズ(人口や規模)、インフラの構成、機能を持ったとして備えるための各分野の市民活動としてのシナリオなどは、想像力を刺激する要素が詰め込まれていました。
世宗市は、人口800人の村に目標人口55万人の行政都市を開発する計画(実際に実行されている)。
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韓国のスマートシティの多くは、マスタープランが描れており自治体により差はあるがページ数は膨大なものになる。
例えば、私が5月に日本からの人びとを案内をした大邱市は、人口240万人で、中核産業が大邱市からソウル市へ移転して、大邱市としてどのように未来に向けてサスティナビリティを実現するのかを反映された内容になっています。
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大邱市は韓国では比較的遅れてスマートシティに着手した事で、韓国でも先進的なスマートシティアキテクチャーのブラウンシティのスマートシティとしてのマスタープランを描いています。
700ページ以上の膨大な量のマスタープランは、産学公民がそれぞれの役割りを持った活動を行い、行政がすべきことや市民の参加の方法、大学や民間企業の関わり方などが描かれている。
大邱市はスマートシティのマイルストーンを定め、それに民間企業への参加の方法や、スマートシティ人材の育成、スマートシティを効率的に開発・検証するためのスマートシティコンプレックスの造成と企業誘致など、日本でも参考になる取り組みが多々あるのかなと思います。
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オランダでは、バイスクルエンバシーが作成した都市の自転車の設備やレーンのデザインなどをどのようにすべきかの秀逸なドキュメントが公開されている。
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これらの先人の知恵や知識があり、それが知見が薄い領域であれば(知見があったとしても)、読み、学び、議論をする教材として活かす活用ができそうです。
読書会のようなものかも知れませんが、海外のスマートシティもマスタープランを読み、議論をするところから、我々のスマートシティを考えるためのステップになればと思います。
個人的には、分からない事で悩み、あくせくするよりも、良書に出会い感想を言い合う方が手っ取り早いと思うし、その後に現地へ行くとより理解が深まるな・・・そんな事を考えています。
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最近、私が注目をしているのは、UNが推進している持続可能性の都市を構築するための指標としてU4SSCと言われるスマートシティ(サスティナビリティを可能にするためのデジタルの導入)の指標。
どのようなデータを取得する事が必要なのか?
データを取得し可視化することで、都市の持続可能性を共有化できる。
スマートシティ化のガイドブックとしての利用などの可能性ある。
採用している都市も多く、それらの都市とサステイナビリティのベンチマーキングが可能なのも国際標準規格に利点だとも言える。
ベンチマーキングして、比較する事で見えてくる課題や利点もありそうです。