お人形と暮らして一年経った徒然
人形はいい。歳を取らず、感情がなく、静かで無機質だ。部屋が寒くても凍えたりしないし、ご飯がなくとも飢えたりしない。毎日同じ服を着せていても「飽きた」と文句を言うこともない。放っておけば埃を被ってしまうが、それについて所有者に抗議することも無く、彼らは黙って状況を受けいれるだけだ。部屋の隅から、硝子の瞳で私たち人間が生活しているさまを、じっとただ見つめている。空洞のからだは、人間が自分勝手に愛情をぶつけても、ただただそれを無限に受け入れてくれる包容力がある。だからこそ、安心して