船に揺られてどんぶらこ

久しぶりにマッサージに行った。
10年前、残業月100時間を越えて働いてた頃、身体がバキバキで、マッサージに行きまくってた。整体、足つぼ、タイ式、鍼灸、アレクサンダーテクニーク。その時は京都に住んでたので、雰囲気のいい町家で受けられるやつなど。とっておきのご褒美にしていた。自分でも先生について習って資格も取ったりした。

その後身体を壊し、仕事も辞めてからは、一切行かなくなった。そんなお金はなかったし、身体もそんなに痛くなるほどひどくならなかったからだ。あのマッサージ通いの日々はなんだったのだろう...と夢から覚めたような気持ちになり、もうマッサージ通いをするほど働くまい!と強く誓った。

今は子育てで時短勤務。働いてもせいぜい月100時間。昔の残業分も働いてない。

それでも先月産後の生理が戻ってきて、それに伴い残念ながらPMSも戻ってきてしまった。生理前になると、身体が鉛のように重くしんどい。治療用にピルも復活したけど、娘は10キロを超え、抱っこが腰に響く。

自宅勤務だったけど腰痛がたまらず、早退。しばらく横になっていたけどやっぱりつらく、鍼灸に駆け込んだ。でも鍼灸を受けるほどの時間がなく、マッサージをお願いした。マッサージ終了後、腰がふわっと軽くなった〜。やっぱりマッサージっていいな〜としみじみ思った。人が触ってくれるとほんとに気持ちいい。

青森出身だという朴訥とした女の子がやってくれて、不器用な感じのコミュニケーションに初めは若干不安を覚えたけど、45分の施術の間に、ちょっとオタク的な独特のマイペースな喋り方で、家族仲の良さをたくさん話してくれて、ご両親とお姉ちゃんたちに愛されて育ったのだろうなぁ...そんな子が今私のつらい身体をほぐしてくれてるのだなぁ...としみじみ有難かった。

マッサージって高いし、気持ちいいのもその時限りだし、通うのは勿体無いかなと思ってた気持ちも吹き飛び、美容院に行かなくていいから、その代わりにマッサージにまた通いたい!と思った。次回の鍼灸も予約した。

身体が痛いと気も滅入ってくる。マッサージに行く前には、もう仕事も辞めようかなぁ、座り仕事より立ってるほうがいいかなぁ、じゃあ飲食店で働くのはどうかな?といつものように適当なことを夫に言うと、「そういう少人数で人間関係が濃いところは疲弊するから向いてないでしょ、自分のペースで一人で完結する仕事がいいでしょ」と言われ、それって今の仕事だわ...みたいな話になった(いつものパターン)。

仕事探しの話から話が飛び、東進ハイスクールの林修先生が社会人のはじめの頃に色々失敗して大借金を負って、その後予備校講師になり大活躍したという話になった。やっぱりドーンと活躍する人はそういう大失敗とか、ドーンと沈む時期があるもんだよね。浮き沈みがある人は沈んだ時にあれこれ迷走するから、そこで新しい人に出会ったり、新しいコミュニティに触れて、人生が転がってくよね。同じコミュニティにずっといて同じ人とばかり会ってたらそんなに変わっていかないよねみたいな話になった。

そうして浮き沈みの大きい私は、なんとなく肯定されたような気になって、浮き沈みが大きいこともまんざらでもないなという気持ちになるのであった(単純..)。

今日も少し憂鬱な気持ちで昼休みを迎え、気分転換に読書をしたくてお気に入りの店へ向かった。良い感じの音楽が流れてるのを聞いた途端に、昼休みに会社を抜け出して、一人お気に入りの店で音楽を聞きながら好きな本を読む状況に対して、気分がブワーっと高揚した。映画の中の主人公のようなきもちになった。

沈んでる時には、時にこういう麻薬のような高揚感がやってくる。一週間頑張ったから、花金の解放感がある。何事も裏表で、優越感が強い人は劣等感も強いという話を最近読んだ。ほんとそうだろうなぁ。いつもどんぶらこっこと揺れる舟に乗っている私の旅を、こうして楽しんでいきたい。

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