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読書感想『妖琦庵夜話 ラスト・シーン/榎田ユウリ』

こんにちは、falです。
今回は、榎田ユウリ先生の「妖琦庵夜話 ラスト・シーン」の読了記録です。
妖琦庵夜話シリーズの9作目、決着巻ということで心して読みました。
(最終巻ではないそうです!)

▼これよりネタバレあり



まず、本を閉じて思ったこと。
タイトル………!
そういうことか………!

鳥肌がたって、しばらく茫然としてました。
読後、水中で浮かぶ時のように全身の力を抜いて、余韻をたっぷり味わいました。とても幸福な時間。

榎田先生の紡ぐ最後の一文を目にする瞬間はいつもこう。
脳がすごい勢いで、よかったね、生きててよかったねの物質を分泌する。

最終巻じゃないって、本当に安堵した…!
これからもまた会えるんだね。それが本当に嬉しい。

前作では脇坂の安否がわからない状態でTO BE CONTINUEだったのでハラハラしながらページめくりましたが…いやあ無事で何より!
まさかその状態を作戦に利用するとまでは思ってなかったので、クライマックスシーン(もはや全編クライマックスだったのですが)でのいきなりの登場でも、アッ、わ、脇坂?!脇坂!!ってなって色々追いついてなかった。まんまとやられましたね。
でもきっと彼は救ってくれるって、どこかではわかっていた。

先生もひろむさんも傷ついて痛々しいほどに心配していたので、これまで以上に元気な姿晒していてください。頼むよ。
脇坂とひろむさんが幸せだと私も超嬉しいからね。

ひろむさんと籍を作るにあたり、小鳩洋二かわいい〜って気に入ってる脇坂も最高だったし、こんな風に自分の名前をライトに選択するのいいなって思った。この世もそういう未来になれるかな。


青目のことは、正直どう捉えたらいいのかわかりませんでした。
誰が悪いとか、誰は悪くないとか、誰のせいだとか、誰のせいじゃないとか、何が原因だとかどこが発端だとか、そういう、明確に二分できるようなものや、断言できるようなものは実はどこにも存在していない。
立場や居場所が変われば、思想や正義も変わる。何を望むかも。

答えなど絶対に出ないからこそ、考えることを続けていく他ないことばかりで、それって全然簡単じゃなくて、でも、“ある“ことを“ない“ことのようにして安心するのではなく、見つめて考えていける命になりたい。と思いました。

もっと色んなこと感じたはずなのに、言葉に変換できないや…
とにかく、マメも芳彦も甲藤もウロさんも妖琦庵の面々みんな好きです…
(最推しは芳彦さん)

先生、おかえりなさい。

また彼らにお目にかかれる日を楽しみに待ってます!!

《追記》
中村明日美子先生の描き下ろしペーパー絶対に見たかったので、初版分を入手できて一安心でした。芳彦さんのふわっふわの御しっぽ…
榎田先生と明日美子先生の最強タッグ、ファンです。

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