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今日の1戦 その9

久方ぶりの1戦。RIZIN.48も(大阪にいる時に)あり、また感動や情熱を感じる試合も多く、神興行とも言える内容だった。で、本当はそれを取り上げたいのだが………まだYouTubeでは試合映像が公開されてない。ここはそこまで待って、全部を見てもらいたい気持ちが強い


じゃあなにかあるか………もちろん大会もたくさんあるし、格闘技に限ったとしても取り上げたい試合は多い。他のスポーツも入れれば素晴らしい試合だらけだ。と、そんな中であれ?これは触れてないな………という伝説の戦いがあった


今回はそちらをご紹介。多分多くの方が知ってはいるんじゃないか、と(格闘技ファンとしては願望も含めて)思う1戦だ。それでは今回取り上げる1戦はこちら!



THE MATCH 2022
那須川天心 vs 武尊

ポスターのキャッチコピーが秀逸
あーこういうのも名言ではある



もう言わずと知れたキックボクシング夢のカードだ。この試合が実現するまで、どれだけ時間がかかったことか………特に武尊が背負っていた重圧は計り知れない。もう試合を組むということまで、彼の背中には重い十字架があったものだと思う


そもそも何故そこまで実現しなかったのか………これはK-1運営に問題があった。かつてRIZINのチャーリー柏木さんと直に話をしたのだが、あえてのMMAマッチを打診していたらしい。もちろん天心vs武尊だ。当時キックの試合は組まれない状況だったし、シュートボクシングルールも2度だけ。ただ、だからこそ2大スターの戦いは可能性があった


伸び盛りだったRISE王者天心に対し、武尊はこの時点で新生K-1のカリスマとして、着実に土台を作り上げていた。そんな状況で、RISE運営、天心、武尊の三者は前向きな反応だったらしい。そしてこれを阻んだのはK-1運営だとの事。ここでまず対戦は流れた…………まあその後「あの」木村フィリップミノルがMMAに乗り込み、ベネットに瞬殺されたりしてるわけだが………


その後K-1は鎖国体制を強化し、ますます夢のカードとなる。その間に那須川天心は慣れないMMAマッチもし、結果キックの試合をRIZINでできるようになる。先見の明があったとしか言いようがない。その後どんどんメジャー化する天心と、AbemaTVでしかやらないK-1………立場は逆転することになった


そして武尊はK-1運営を説得しまくることとなる。気持ちもわからなく無いが、選手が直訴しているのになかなか動かないK-1………その間もRISEは国内キック団体とも良好な関係を続け、ある種のK-1包囲網ができていた。天心効果でマイナー団体から、どんどんメジャー化していく………


悲壮感すら漂ってきた武尊の努力、それに応えた天心サイド。そしてやっとK-1が動いた………メインはもちろん2人のカリスマだが、その前にも互いにチャンピオンクラス同士での戦いがラインナップされ、まさに会場はお祭り騒ぎだ。東京ドームのリングサイド1列目はなんと三百万円!そのチケットが即完売したというのだから、まさにそれだけの価値があったのだ


そして始まるRISE、SB、日本キック連合vsK-1対抗戦。大方の予想に反して、圧倒的実力を見せつけたRISEサイド。K-1幻想が崩れてしまったのは間違いなかった。そして遂に始まるメインイベント。ここで落とすわけにいかなくなった武尊……彼の頭には自分がK-1最高を証明したければ、といえ義務感でいっぱいだっただろう


そして………始まった煽りVは、まさにこの試合を表すのに最適な内容だった。YouTubeで見つけたので(って大丈夫か、これ?)それも見ていただきたい


ハッキリ言って感動しかない。まさに世紀の対決に相応しい、そんな内容だと私は思う。この時点で天心の爛漫さに比べ、武尊は悲壮感がたっぷりだった。武尊を追い詰めたのは……K-1だとしか思えないのだが………

空を見上げる武尊
笑顔なく入場してくる様子から覚悟が見えた
と同時に悲痛な面持ちにも感じだ
対して天心は気楽に見えた
いつもながらのYAZAWAな入場だった
(この写真2枚は私撮影)

ド派手な入場の後、試合が始まる。これもいろいろポイントはあるが、なにより映像を見てもらいたい


天心のスピードに翻弄される武尊。ここまで差があればカウンターもそりゃ当たる。それでもひたすら攻めていく武尊と交わす天心。ダウンをとるまでのエサのまき方と、そこを見逃さないのは流石としか言いようがない。武尊も前身を続けるのだが、老獪ともいえる対応に為す術ないまま試合終了


天心はキックボクシングのみならず、MMA含めても無敗のままボクシングへ。負けた武尊はあまりの重圧から引退を考えるものの、退場時の温かいファンの声に支えられ、再度ONE FCで復活していく。こんな素晴らしい試合、感動したということしか有り得ない。お互いが死力を尽くした、勝ち負けよりも大切なものがこの試合にはあったと思う


リング上での2人の会話も素敵だった。これぞ格闘技!その良さが詰まった試合であったと今も感じる。もちろんこの試合は後世まで語りづかれる伝説である。是非とも煽りVからの試合映像まで、じっくり見てもらいたい

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