10/12 膝に乗ってくる猫

リビングの椅子に座ってスマホをいじっていると、にょいしょ様がこちらをじっと見上げてくる。おそらく膝に乗りたいのだろう。

にょいしょ様は足腰が弱っているので高いことろへジャンプができない。だから乗りやすいように床に正座してやる。
私が正座するなり、のしのし、と膝に上がってきた。関節が痛むのだろうか、もじもじと何度も足踏みしながら、ゆっくりとしゃがみ込む。リラックスする姿勢が決まったようだ。


毎日当たり前のように猫たちは膝に乗ってくるが、あらためて考えると不思議な気持ちになる。

人間は猫より何倍も体が大きい。
野生動物と遭遇してしまったら、体を大きく見せて威嚇しろ、などと聞いたことがあるが、それだけ動物にとって大きな体を持つ相手は脅威になるはずなのだ。
それに力だって人間の方が強い。猫が人間の力の大きさを把握してるかは分からないが、日常的に抱き上げられたりしてるのだから、多分分かってると思う。


それなのに、人間のことを信頼して自分の体を完全に預けているのだ。今も安心しきってよだれを垂らして寝ている。
そうしようと思えば自分を殺せるほどの力を持っている相手にここまで無防備になれるのはすごい。それだけ私は信頼されているんだなぁと思うと、嬉しさと尊さがじんわりと湧き上がってくる。


まあ、多分そこまで猫は考えてないだろう。肌寒くなってきたので暖房器具にされているだけかもしれない。しびれてきた足もなんのその、よろこんで暖房器具になろう。

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