~自己開示チャレンジ~ 高校編②

前回の記事はこちら↓
高校生活の部活以外の思い出です。

今回は【部活編】。
いかに部活がブラックだったかが半分以上を占めるので、あんまり楽しい内容じゃないかもしれない。


まずつらかったのが、練習時間がとにかく長い。
休みは年に数日しかない。コンクールが終わった後の2、3日と、年末年始くらい。ほぼ週7で学校に行っていた。


平日は、朝7時前には学校に来て、8:30まで朝練。
その後授業を受けて、放課後になったらすぐ部室に向かい、15:30〜19:30くらいまで練習。

休日は、8:30〜18:00くらいまで。昼休憩が1時間設けられていたが、10分で昼食を流し込んで、残り時間を練習に充てたりしていた。


 練習時間には定時みたいものが設けられていて、この時間までは全員強制参加だけど、それ以降は自主練習で、やりたい人だけ何時までやっていいよ、みたいな残業スタイルだった。

自主練習をしないと先輩達から「あの子あんなに下手なのに練習せずに帰るつもり?」とか思われそうな気がしたので、 時間ギリギリまで練習しまくっていた。

そのおかげで、「練習をいつも頑張ってる努力家な子たち」(友達も同じことを考えてたので、2人で練習しまくっていた)というイメージを先輩達からは持たれていたようだ。

ただ、練習している割に上達はしなかった。
なぜなら、やみくもに音を出しているだけで、目標も課題点も明確でないし、効率的に練習しようとかいう考えがなかったからである。

(友達の名誉のために言っておくと、友達はきちんと頭を使って目標や課題を持って取り組んでいたのでメキメキ上達した)

もはや練習は「頑張ってますアピール」でしかなかった。ブラック企業の社員みたいな根性で部活に取り組んでいた。
(実際に就職してからもブラック企業社員精神は発揮され、用もないのに残業したり、残業してるのに定時でタイムカード切ったりしていた)
(そんなことしなくていいよ、と言われた)
(部活より会社の方がよっぽどホワイトだった)


練習時間が長いので、それだけ疲労も溜まるし疲れが取れない。

寝ても疲れが取れなくなった瞬間をはっきり覚えている。1年生のGWに実施した合宿明けからだ。
2泊3日の合宿が終わったと同時にGWも終わったため、家に帰らずそのまま授業へ出ることとなったのだが、授業中ものすごく体がだるい!それ以来、常に体に重だるさが付きまとうようになった。


練習がそれだけ厳しいので、みんな精神的にも擦り減ってくるのか、はたまた元からストイックな人が集まりやすいのか、かなりキツいことを言う部員もいた。

私が2年のとき、同じbassパートのチューバの先輩(Nさん)が部長をやっていたのだが、副部長(Sさん)と折り合いが悪かったようだ。
Nさんは優しくて、どちらかというと裏方で支えるのが向いているタイプで、リーダーシップが上手く取れなかった。そんなNさんにSさんは「もっとしっかりして欲しい」と不満を持っていたらしい。

ある日、Sさんがbassパートの練習を見てくれることになったのだが、Nさんに対してSさんが、
「なんで後輩の方ができてて、先輩のお前ができてないわけ!?あんた部長でしょ!?示しがつかないじゃん!!」「ねえ!今私が言ったこと分からなかった!?頭おかしいんじゃないの!?練習する前に病院行って頭診てもらえよ!!」等の暴言を浴びせていた。

私に対しては何も言われなかったが、同じパートの先輩がそんな風に攻撃されてるのを側で見るのはかなりキツかった。

Nさんはその後、ストレスのせいか甲状腺の病気になってしまい休部してしまった。(しばらくして復帰してきた)

今でも後悔しているのは、つらい目にあっているNさんに対して何もできなかったことだ。
後輩から慰められたりしたら、余計みじめな気持ちになってしまうのではないかと何も声を掛けられなかった。
でも、同じパートの仲間としてできることがあったのではないか、助けるべきだったと今かなり後悔している。
もし、今後Nさんに会う機会があったら、「あのとき何もできなくてごめんなさい」と謝りたい。

先輩たちも怖かったが、何より恐ろしかったのがOB・OGだった。
定期演奏会の時期になるとOB達が演奏を聞きに来るのだが、
「お前らこんな演奏でお客さんからお金取るわけ?申し訳なくてお金取れないでしょ」「こんなひどい定期演奏会ならやらないほうがいいよ」「やる気あんのかお前ら!!!」等、辛辣なコメントを毎回残していくのである。
ゲネプロ(演奏会のプログラムを全て通して行うリハーサルみたいなもの)の後は毎年怒鳴られるのが恒例だった。

さらに、OB達は現役のころ、東関東大会金賞という、私達よりかなり良い成績をとっているのである。そのせいで、OBからは「母校の吹奏楽部も落ちぶれた」などと言われるし、私達はOB達に対して「何も言えねえ…」状態なのである。


コンクールと定期演奏会は、とにかくつらかった。
金賞が取りたいとか、いい演奏をお客さんに届けたいとかより、「早く終わってくれ!!!!」が私は強かった。
本番が近づいてくると、緊張よりも「あと◯日で開放される!!」という喜びの方が大きかった。
ダメ金(次の大会に勝ち進むことができない金賞)を獲ったときもメソメソしては見せるが、「やったーーー!!やっと終わった!!!!」と内心万々歳である。本気で練習してた部員たちに怒られろ。



つらい記憶ばかり書いてしまったが、もちろん楽しかったこと嬉しかったこともある。


部の活動の一環として、障害者の方が過ごしてる施設に慰問演奏に行ったことがあった。

そのとき、車椅子で連れられてきて、どこ見てるかもわからないぼーっとした表情をしていた方いた。ところが、演奏が始まった途端、ぱあっと顔が明るくなって、手拍子までしてくれた。それが今でもすごく印象に残っている。

練習が厳しくてつらくて、なんで音楽なんかやってんだろう、と音楽が嫌いになりそうになる瞬間もあったけど、こういう経験を通して、ああ、音楽やっててよかったな、音楽って楽しいな、すごい力を持ってるな、と実感した。 


他にも、部活を通してかなり「青春」を経験させてもらった。

コンクールが終わった翌日の部活が午前中で終わったので、同期生たちみんなで海に遊びに行って、夜に花火をしたり。

部内に「パートの先輩後輩の誕生日は盛大に祝う」というしきたりがあったので、先輩の顔面にパイ投げをしたり、逆に投げられたり。

学校からの帰り道、部員みんなで口合奏(自分のパートの譜面を歌って合唱すること)したり。

残業練習(自主練習)のとき、いきなり他のパートの教室へ飛び込んでいってゲリラ合奏をしたり。

つらいことが多かった分、楽しい記憶も際立っている。


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