VRChatイベント「バーチャルSF研究会」紹介
ここはmitsue氏がVRChat上で主催して運営するSFイベント「バーチャルSF研究会」の開催会場、コズモ神社。毎月第二・第四土曜日の22時より、回によって10人~程度の参加者が集まり、好きなSFについて思い思いに語ったり、最近の世相をSF的視点で読み解いたり、SFをテーマにして自由に喋っている。
VRChat上でのイベントのため、老若男女や年齢、国籍を問わず、イベントは全ての人に開かれている。当然初心者も歓迎しており、あまり喋る気分でなければ聞き専やペンを使った筆談での参加でもOKだ。参加方法は簡単、時間になったらmitsue氏にJoinするか、Groupに参加を押すだけ。
会場に入る前に参加者はここで自分の好きなSFや作品のジャンル・雰囲気を選択することができる。SFと言ってもその一語が包含する範囲は広いが、ここでおおまかに「好きな感じ」をいくつか選ぶことで、自己紹介代わりに頭上に関心タグを表示させることができる。初めてイベントに参加して知っている人がいなくとも、このような機能を用いて趣味の近そうな人を探したり、話しかける話題を作ったりする役に立たせることができる。もちろん慣れて不要に感じたら非表示に切り替えることもできるため、場面に応じて使い分けよう。
実際に参加者の中には理系の専門分野を持つはずなのにほとんど文系的な分野にのみ関心を寄せてタグを選んでいる人もいるという。何なら詳しいか、いっぱい喋れるだろうか、なんてことは考えず、純粋に好奇心だけで選んでいくと良いだろう。「物理」「哲学」といった一般的で広いテーマから「奇想」「ワイドスクリーンバロック」といった(こういった場では)やや珍しいものまでひととおり揃っているため、SFファンならきっといくつかは関心分野が見つかるはずだ。
また、「コズモ神社」との名前通り、境内の奥の方には神社の形を取る本会場の信仰対象であるブラックホールに向かって祈ることのできるスペースが用意されている。賽銭箱に小銭をトスし、宇宙の消失点に二礼二拍手一礼。
周辺には人気のSF作品のポスターや書籍などのサンプルが配置されており、それらを手に取って雑談に明け暮れることもできる。映画コーナーに置かれてある『メッセージ』は人気作品らしく、これまでの参加者の大半が観ているらしい。比較的マイナー寄りの作品も散見されるが、参加者から「この作品を置いてくれ!」という声があるためだという。
ちなみに賽銭箱の傍には授受品の隕石キューブのサンプルも置かれてある。何故かBOOTHで購入することもできるため、気になった方はそちらもチェックしてみると良いかもしれない。みなぎる宇宙パワー!
時間を回ると、ぽつぽつと参加者が集いだす。挨拶が交わされたあとぬるっとSFの話が始まる。あの映画はどうだった、そういえばあれってどうなったんだっけ。特に最近だとNetflixでのドラマ化も果たし、中国版のドラマやアニメが配信されてもいる『三体』の話や、やがて歴史的な瞬間として語られるであろう程度に急発展を遂げているAIの話が多いという。各々どのキャラクターが好きなのか、長いシリーズのうちどのエピソードやシーンが好きか等々、話題には事欠かない。SF関係の集会に大抵一人はいる、攻殻機動隊の原作を読むよう熱っぽく語る参加者もいることだろう。
日常生活と密接な関わりを持つAIなどに限らず、この頃は量子コンピューティングがRSA暗号の信頼性を揺らがせる可能性について、並行宇宙が近年の物理学的にどうもマジかもしれない、といった話がアツいという。必ずしも身近な話題に限らず、参加者の知識や経験から関心分野選択にあるような分野で専門的な話が広げられることも多いが、包括的なコミュニティのため参加しづらく感じる必要はないことも付け加えておく。
会話に聞き耳を立てていると、もしかすると境内の脇にあるボードがちらりと言及されるのが聞こえるかもしれない。誰かが指差す先を見ると、そこには新しい世界への目標が掲げられているのが見える。ここではSFの性質上、時事や政治、社会問題に関するトピックが話題にのぼることも少なくない。その最終的なゴール、あるいは議論の対象として、本研究会では下のような目標が立てられている。
というのも、主催曰く本研究会には「ワンチャン世界を根底からひっくり返す」という裏目標があるとかないとか。言っちゃうんだ裏目標。
テクノロジーがその開発・普及とともに引き連れて来る社会変動と革命に目を向けているのであれば、誰であれ参加してみて欲しい。
改めて詳細をまとめると、本イベントは
毎月第二・第四土曜日の22:00から、
ワールド「コズモ神社」にて、
mitsue氏へJoin、またはGroupに参加することで参加可能な、
SFについて語り合う
怪しげな会合
である。参加に際して事前の連絡等はもちろん不要のため、気になったら、あるいは少しでもSFについて何か喋りたくなったら是非参加して欲しい。SFの受け手をひとりでも増やす、という目標のもとで開催されているイベントのため、全く詳しくなくとも「なんか面白そう!」と感じたならぜひ足を運んでみよう。