「好き」の輪郭が見えるインタビュー連載 《点光源》 を始めます。
新しい企画のお知らせです。
「点光源」と名付けてみました。ASKAの音楽を愛する人たちへのインタビュー連載です。
これまで雑誌やWEBなどで読めるその手のインタビューは、著名な方々のものが多かったと思いますが、この企画では基本「ごく普通のファン」の方々へのインタビューを載せさせて頂くつもりです。
「ごく普通の」って、便宜上使っているのですが、考えれば変な言葉ですよね。
人は皆まったく違う人生を歩んでいるのに、その人を知ってる人の数が多ければ「著名」、少なければ「ごく普通の」に分類されていきます。まあ、社会の仕組みとして当たり前なんですけれどね。
アーティストを応援し、その活動を支えている人たちというのは全て著名な方々で埋め尽くされているはずもなく、結局のところはエンドユーザー、「ごく普通の」方々の力が実は一番効力を発揮している。
これは間違いないことです。
noteを続けていて、だんだんと思い始めました。
ASKAの音楽って、どんな人達にどんな風に愛されてるんだろう?と。
私がnoteを始めたきっかけは、大人になってから再びチャゲアスとASKAの音楽に、思春期とは違った色でガツンと衝撃を受けたことでした。
この惹かれる気持ちの理由を考えていくと、ASKAの音楽には「なんか他では満足できん!と思わせるもの」がありそうだな、という気持ちがムクムクと湧き上がり、それを抑えきれずに書き始めたのでした。
今までの記事では、歌詞考察や音楽家・野井洋児さんとの音楽対談を通じて、ASKAの作品自体の特異性、素晴らしさについて書いてきたつもりです。
それに加えて、これからは「どんな風に世の中に愛されているのか」ということにも焦点を当て、プロジェクトとして、どこまで続くのかわかりませんが、書いてみたいなと。
アーティストが自ら光を放つ存在ならば、ファンというのは小さな光を各所から当て続ける存在だと思います。
アーティストという大きな光が光ることを休んでも、ファンという小さな光の集合体は休むことなくあちこちで瞬き続けます。
だから音楽というのは、世の中で長く愛されます。
そんなイメージから付けた企画の名は「点光源」。意味、伝わりますか?
昨年まで行われていたツアーにて、ファンの方々がスマホのライトを点灯させるという演出がありました。
ASKAさんがブログにてこれから観客となる人達に向け、ライトを見せてくれるよう呼びかけていらした時に、私は思いました。
きっとアーティストも、自分の音楽を聴いている点のような光の数々を感じたいんじゃないのか、と。
誰に向かって投げているのかわからないボールを、投げ続けてきたのがアーティストなのかもしれない。
その期待や不安ってどんなものだろう?
今の世の中、様々なツールを使って、誰だかわからなかった薄闇も明るくできるなら、私はぜひそうしていきたいと思っています。
それが少しでもアーティストの、そして巡り巡って世の活力になるのならば。
もう、すでにインタビューを始めています。
予想通り、「ASKAファン」という一括りの中に存在する方々は、全く違う個性で、全く違う考えを持ち、全く違う人生を歩んでらっしゃいます。
それでも、聴いている音楽は一緒なんですよね。
一つの「これを聴こう」という衝動でつながっている。
ASKAさんのファン層は、アラフォーと呼ばれる私と同世代のボリュームが一番大きい実感です。
この世代、どう生きていこうかと真剣に自身の人生を見つめる時期ですよね。ミッドライフ・クライシスなんて言葉もあります。
自分を振り返り、大事なものを確認し、覚悟を決めて先に進む。
そんな時期に、どんな風にASKAの音楽は寄り添っているのか。
なぜ他でもなく、ASKAなのか。
それもとても気になります。
もちろん、若い方もASKAさんの年齢に近い方も、ファンの方々の中にはたくさんいらっしゃる。
そしてそれぞれの「これを聴こう」という衝動には、理由がある。
もしかしたら、数々の愛され方が浮かび上がれば、そのアーティストが世の中に与え続けているものの本質が、作品分析とは別の角度から見えてくるかもしれない。
とても遠い目標ですが、それをこの連載で叶える気持ちで、ゆっくりじっくり進めていこうと思います。
点光源の小さな光の海を文字で作っていきますので、ぜひお楽しみにしていて下さい。