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濡れた狂犬 4/5
次の日の朝、お父さんはいつも通り仕事に行っていたが、帰りが遅かった。毎日まっすぐ家に帰ってくるお父さんがこんなに遅くなるのは珍しいことだった。そして、家に帰ってきたお父さんは異様に落ち着いていて、まるで別人のようだった。
あの取引があった日以来、お父さんは1人で出掛けることが多くなった。一緒に散歩に行くこともなくなり、なんだか別人のように変わってしまったお父さんに段々と近づくことが少なくなっていった。
俺はお父さんが出掛けるたびに、あの粉を貰っているということを知っていたが、気付かないふりをし続けた。
次回 → 8月18日(金)です。