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【意外と曲者?!】Account Engagementのキャンペーンを利用しよう

Account Engagementキャンペーンはメールやフォーム、ランディングページなど様々なマーケティングアセットが作られる時に、必須項目として選択します。ここで選択されたキャンペーン名はそれぞれのアセットにビジターが初めにタッチした時にトラッキングリンクまたはトラッキングコードを通じてAccount Engagementに記録されます。

広告やコンテンツマーケティング由来のファーストタッチはメールアドレスの分からない匿名ビジターが多いと思いますが、ビジターは後日にフォームを通してメールアドレスを送信してプロスペクトに変換されると概要タブのソースキャンペーン項目に表示されます。

プロスペクトのソースキャンペーンにファーストタッチが記録される

では、例えば鈴木さんのソースキャンペーンが「春のキャンペーン」だったとします。季節が変わり鈴木さんが「夏のキャンペーン」のランディングページを訪れて商談に繋がったケースではソースキャンペーンはどうなるでしょう?

ご想像通りソースキャンペーンは「春のキャンペーン」のままです。Account Engagementのキャンペーンはファーストタッチポイントなので人為的に上書きしない限り値は変わりません。

Account Engagementはどの入り口から自社の商品やサービスを知ってもらったかという点にフォーカスします。また、その入り口に導いた流入元も捉える事ができて、こちらはソース項目にデータが入ります。詳しくは過去記事をご覧ください。

プロスペクトのソースにファーストタッチに至る流入元が記録される


ところでCRMにも「キャンペーン」がありますね。こちらはAccount Engagementのキャンペーンとは違って一人を複数のキャンペーンに紐付けることが出来ます。名前が同じキャンペーンなのでちょっとややこしいですが、人とキャンペーンが「1対1」で紐づくAccount Engagementのキャンペーンに対して「1対 複数 」で紐づくのがCRMのキャンペーンです。

ここまでは「名前は同じなだけで、両者はまったく別物なんだな」
と理解していただいてOKです!

と言った舌の根も乾かぬうちに、ややこしいことを言うようですが、Account EngagementのキャンペーンとCRMのキャンペーンは接続させることが出来ます。

「違うものをくっつける?、え?」

となりますよね・・
説明させて下さい!

両者を接続すると何が嬉しいかと言うと、ファーストタッチから商談に至るまでの一連のキャンペーン履歴をCRMと共有できるようになります。
共有することによってソースから商談までを見通して、

「どのキャンペーンが効いているか?」
「最後に背中を押したのはどのキャンペーンか?」
「マーケティングアセットがどれくらい顧客に好感を得ているか」

をCRMで確認できるようになるのです。

商談化までのマルチタッチポイントの流れ

たとえば、上図のようなカスタマージャーニーを考えてみましょう。

1,検索から資料ダウンロードページに訪れファーストタッチ
2,そのままフォームにメールアドレスと交換に資料をダウンロード
3,関心を持って後日ウェビナーに参加
4,期間限定のフリートライアル版を利用
5,商談化

商談化までは(2〜4)3つのキャンペーンを渡っていきますが、最後は商談がゴールになります。CRMは商談の結果から逆算してキャンペーンが商談に与えた影響度を評価します。

この機能はCRMに実装されていて「キャンペーンインフルエンス」と呼ばれています。デフォルトではリードまたは取引先責任者が商談化する直前に触れたキャンペーンに影響度を全振りする「主キャンペーンソースモデル」が使われています。

CRMの商談オブジェクトでキャンペーンインフルエンスを表示

この「キャンペーンインフルエンスモデル」はユーザが評価モデルを作ったり、キャンペーンの影響度のパーセントを独自に選択できるようにカスタマイズ可能なのですが、ちょっとハードルが高いですね・・・

とりあえず、マーケティング担当者向けのキャンペーンインフルエンスモデルとして下図のCRM画面で追加キャンペーンインフルエンスモデル (初回接触、最終回接触、均等分布) を有効にすると

・ファーストタッチに全振り
・ラストタッチに全振り
・通過したすべてのキャンペーンに均等に影響度と収益を振り分ける

3パターンのモデルを選べてAnalytics StudioのMulti-Touch Attributionダッシュボード画面でそれぞれのモデルをプルダウンしてグラフで値を確認できます。

【⚙設定】→【キャンペーンインフルエンスの設定】
Analytics StudioのMulti-Touch Attributionダッシュボード画面


先ほど「ハードルが高い」と言った箇所ですが、実はAIが賢いモデルを自動生成してくれるようです。(エディションがAdvanced以上)公式のヘルプページには「Einstein 属性はキャンペーンインフルエンスを Einstein のインテリジェント分析と結合して・・・」と書いてあります。きっとAccount EngagementとCRMを軸としたキャンペーン分析は、今まで以上にマーケティングにインパクトのある指標となってくるのではないでしょうか?


追記:セールスフォースのAIは「Einstein」(アインシュタイン)と呼ばれています。去年の11月からchatGPTを中心に大波が来ている感のあるAIですが、7月に開催される「World Tour Tokyo, 7/20-21にザ・プリンスパークタワー東京」ではその名も「Einstein GPT」が発表されるようです。
どんな内容になるか楽しみですね!


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