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11.異業種交流会に飛び込んでみる【47歳で独立した私が50歳で軌道に乗るまでに経験した99のこと】

いよいよ開業スタート。
まずは前職の知り合いに会ってもらったところで、いきなり厳しい現実を目の当たりにすることになった。

事務所のリノベーションにお金をかけて、ワクワクだけで開業をスタートしてすぐに、厳しい現実を見つめるのは怖かったです。
こんなこともある。
だけど、こんなことばかりじゃない。
前職の知り合いなんて忘れよう。
大事なのは、これからだ!
そうやって、自分の気持ちを落ち着かせていました。

よく言えばポジティブ、悪く言えばバカなのが、私の特徴です。
開業して10年以上続いていることを考えると、この性格は、開業向きなのかもしれません。
ちゃんと考えたら、誰だって開業なんてしないでしょう。
うまく行く保証なんてないし、そもそも開業とはどういうものなのか、何をすればいいのか、誰も教えてくれません。
バカになって飛び込める人じゃないと、開業して動き続けることはできないと思います。

開業の挨拶状を送れるだけ送り、仕事につながるかもしれないと感じた知り合いに会いに行き、そんなことで仕事が入るほど現実甘くないと知った私は、人が集まる場所へ積極的に出かけて行こうと考えました。

開業を決める前から、行政書士の勉強会や懇親会には何度か参加していました。
私は社交的とは言えない性格ですが、人の話を聞くのは好きで、新しいことに対する好奇心は強い方だと思います。
そのため、開業について話ができる場に参加するのは楽しい時間でした。

そんな時に届いたのが、異業種交流会の案内でした。
おそらく行政書士登録したことで事務所の住所などが公表され、案内が届いたのだと思います。
FAXだったかもしれません。
事務所住所の隣の市が主催するものでした。
事業主や法人が集まるものなので、すぐに参加を決めました。

名刺交換の練習と思い、色んな人に話しかけては挨拶していきました。
ここで、同じ市の行政書士に会います。
私より1年早く開業した男性でした。
まさか先輩同業者の話が聞けるとは思わず、ついつい話し込んでしまいました。
「行政書士は儲かりませんよ」
男性は笑顔で断定的に言いました。
まったく悪気はなく、常識を教えてくれるトーンで言いました。
「行政書士は儲からないですよ」

じゃあ、なんで行政書士をやっているんだろうと思いました。
儲からなくてもいいから行政書士の仕事をしたいのか。
実は、行政書士にはそのスタンスの人が少なくありません。
最初は意外でしたが、徐々に驚かなくなりました。
ただ、本当に儲からなくていいと思っているのか、儲からないから強がりで言っているのかはわかりません。
どちらのタイプもいるとは思います。

この異業種交流会では、社労士や中小企業診断士など、他の士業の人たちにも何人か出会いました。
しかも、ほとんどが私の事務所と同じ市で開業している人たちでした。
士業の仕事は、事業主や法人が依頼するものが多いので、お客様を探しに異業種交流会に来ているのでしょう。
参加している士業は多く、気が付いたら士業で集まって雑談していました。

その後、たくさんの異業種交流会に参加しますが、同じような光景になることは少なくなかったです。
どこに行っても士業はたくさんいて、何となくかたまって、営業ではなく、雑談を楽しんで帰る流れになります。
その方が気楽だからかもしれません。
異業種交流会で仕事につながる士業がどういうタイプなのかは、結局イメージできずに終わりました。

「行政書士は儲からない」と教えてくれた先輩行政書士とは、その後、何度かお会いして、他の先輩行政書士も交えて話を聞くことになります。
「儲からない」と言う人の周りには「儲からない」人がいました。
みんな良い人でしたが、数年後には、他の仕事(雇われてお給料をもらうもの)に就いていました。
良い人なだけでは開業は難しいのだと感じました。

積極的に人の集まる場所に行き、色々な人と名刺交換しましたが、当時名刺交換した人で、今もつながっている人は1人もいません。
ただ、当時聞いた話や感じたことは、その後の私の行動に少なからず影響を与えたのは間違いありません。
人との出会い、人から聞く言葉は、すべて軌道に乗せるために有益だったと思います。
良い人も嫌な人も、何かしらの学びを与えてくれます。

もし、私のようにあまり社交的ではなく、人の集まりに参加するのを迷っている人がいたら、どうせすぐにつながりはなくなるので、気楽に参加することをおすすめします。
相手もすぐに忘れるので、こっちもすぐに忘れてしまえばいいだけです。


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