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The Last of Us Part II 感想(微ネタバレ)

(スチールブックがついているバージョンがあるとつい買ってしまう...)

どうもこんにちは。
このゲームの発売から二回の土日を挟み、クリアできた方も多くなってきたのではないでしょうか。
それではつらつらと書き連ねていきます。

はじめに

この記事は未プレイの方も読めるように買いたつもりです。しかし物語のネタバレはしていませんが、アビーというキャラクターの描き方には少し言及していますので、微ネタバレかもしれません。

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『ラストオブアス』シリーズ

このゲームシリーズの舞台は人をゾンビ化させる謎のウイルス(いや正しくは菌かな)が蔓延してから20数年後のアメリカです。既に文明は崩壊し、生存者たちも生きるのに必死で余裕が無く、物資をめぐる争いも絶えません。そんな世界でも誰かを想い、行動する人物を主人公に据え、この残酷な世界を描いていきます。

前作の主人公は中年男性のジョエルと14歳のエリー。なりゆきで行動を共にすることになった2人が困難を乗り越える中で次第に打ち解け、お互い大切な存在になっていく様が描かれていきました。今作はその5年後、平穏に暮らしていた19歳のエリーに、とある事件が起きます。そこからエリーの復讐の物語が始まります。

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感想

このゲームシリーズはストーリーに関しては完全に一本道で、プレイヤーは物語の展開や主人公の決断を変えることは出来ません。まぁこういうゲームはよくありますよね。

そんな中で『ラストオブアス』シリーズが強烈なのは、「プレイヤーにそんなことさせないで」と思うような行動をプレイヤーにさせることで、プレイヤーの倫理観に直接訴えかけてくる部分が大きいと思います。プレイヤーがどう思おうと、主人公がそう決断したのならそれに従って操作しないと物語が前に進みません。

それでも前作には救いがあったように思います。終盤の主人公のその行動を、ちゃんと理解できるようにそこまでの旅路を描かれていたからです。その行動は正しくはなかったとしても、あの旅路を体験したプレイヤーなら誰もが思う願いを少なからず叶えた行動でした。

でも今作の場合、プレイヤーは主人公のその行動を、間違えている、と感じるように物語を描いていきます。最初こそ主人公の思いと同調していたプレイヤーも、進めていく中でどんどん主人公の思いと乖離し、最後にはプレイヤーは主人公のその行動を心の底からやめてくれと思います。(その上でやっぱりボタンを押させるのですが…)

そういった意味では前作と今作は対局にあるように感じました。

そしてまた今作で憎いのが、アビーというキャラクターの描き方。報復のため、主人公のエリーが心の底から殺したいと思っている人物です。このアビーが実はこのゲームのもう一人の主人公となっていて、このキャラの操作パートが全編の4割くらいを占めているんです。その操作パートでアビーの行動のわけや、アビーの思い、苦しみがしっかり語られていきます。それによって、エリーと主人公の思いが進行する毎に離れ、エリーがどんどん恐ろしくなっていったエリーパートとは対照的に、最初はエリーとプレイヤーにとって憎き存在のアビーの思いがだんだん理解できるようになってくる。その周りの人物にも思い入れが生まれる。

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(今作のスチールブックのデザイン。右側がエリーで左側がアビー。)

エリーとアビーの鏡合わせのような関係性も面白い。似たもの同士なんですけど、色んな要素が対極にあるというか。

…なんかエリーのこと悪く書きすぎかも。エリーの気持ちも分かるんです。こんなくそったれな世界でもエリーには幸せになってほしいんです。ただその行動の先に救いが無いことは分かっていて、そんなことやめてほしいと願うだけなんです。

そして、その上で、エリーはアビーを殺そうとします。ここがとても辛く、ゲームを進めることを躊躇うことも多々ありました。それでもこの復讐の物語を見届けたいと、自分の手で進めたいと思う力強さがこのゲームにはありました。

戦闘や探索などのゲームプレイの部分の話もすると、とても楽しく仕上がっていました。マップを一つ一つ進めていく形なんですけど、一つのマップの進行ルートも複数用意されていますし、探索する場所も豊富なので、マップを攻略していく過程も楽しい。リアルでありそうな風景の中に自然にパズルが組み込まれているところも見事ですしね。戦闘に関してもとれるアクションが多くてこれまた楽しい。色んな抜け道があるマップのおかげで攻め方を考えるのが楽しく、限られた武器や物資をどうやりくりするか迷うのも楽しい。ロケーションがどこも綺麗で作り込まれてるのにこれだけの大ボリュームも本当に驚きです。その上で物語の内容は超ヘビーなので少し胃もたれしちゃうかも。とにかくゲームとしての完成度もとても高い!

長々と書き連ねてしまいました。この体験は僕の心に残り続けるでしょう。まだ未プレイの方はプレイ動画でいいやとか言わず、是非ご自身の手で、エリーの復讐の物語を見届けて下さい。
駄文をここまでお読みいただき本当にありがとうございました。

次はこのゲームの賛否について書くかも...

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