見出し画像

人生が豊かになる「いい出会い」の力


なにをやるかではなく、誰とやるか

なんとなく、自由に生きたかった。
なんとなく、専業主婦になりたかった。
 
私がまだ若かったとき、将来を描くベースはいつも「何をするか」でした。もしかすると、それさえも真剣に向き合っていなかったかもしれません。そんな私を変えたのは、なんとなく参加した企業説明会で、汗だくで夢を語っていたおじさんでした。
 
「発展途上国の子どもたちを北海道に呼んで、農業を教えて、自分の国をよくするサポートをしたいと思っているんだ」
 
私とSHIROの前身であるローレル創業者の彼しかいないたった2人のブースで、必死に夢を語る姿に心を惹かれ、私は初めて「誰とやりたいか」で人生を決めました。
 
それからというもの、新しい挑戦をするときはいつも、「人」を軸にして考えるようになりました。出会いを大切にして、なにをやるかではなく、誰とやるかで決めるようにしたのです。
 
人を軸に考えて過ごしていると、おのずと人に求められる機会も増えました。そうやって関係人口が増えていくにつれて、人生がどんどん豊かになっていくように感じます。今回は、私がたどり着いた「人で選ぶ生き方」についてお話します。

夢は「ひとりぼっち」では叶わない

ホテルの経営は、かねて私の夢でした。
SHIROは現在、一棟貸しの宿泊施設「MAISON SHIRO」や、経営権を譲っていただいてリニューアルを進めている「砂川パークホテル」を運営しています。
 
私の「ホテルを経営してみたい」という夢が叶ったのは、ほとんど縁のおかげです。出会った人々が夢を叶えてくれたのであって、自分だけで夢を掲げていたときは妄想の域を出ませんでした。ホテル名の商標登録を済ませ、物件探しまでしていましたが、どうしてもプロジェクトが進まないのです。
 
いくつもの夢を叶えてきた今だからわかるのですが、自分ひとりで掲げた夢は、なかなか実現しません。社会の要請がなかったり、仲間からのあと押しがなかったりする夢は、社会とマッチせず、縁にも恵まれないのです。
 
自分のことだけを考えた夢には、どうしても「無理」が生じます。
そして、その「無理」は、必ず違和感となって表出します。表出した「無理」は、人の目にも透けて見えてしまうものです。
 
ホテル経営という夢が叶ったのは、同じ志を持った仲間たちとの出会いがあったから。できることが増えて、やるべきことの解像度が高まり、無理が生じていないから叶うのです。
 
こうした経験を何度もしてきているので、私が行動をする動機はいつも「人」にあります。どんな挑戦であれ、いい人が近くにいれば、必ず叶う。だから、「いい仲間」との出会いは大切だし、誰かにとって自分が「いい仲間」であれるように日々を過ごしている理由です。

人生の中心に「出会い」を置いてみる

MCの泉さんと収録している「TABI SHIRO」も、出会いが生んだ番組です。
私は「ポッドキャスト」という言葉すら知りませんでしたが、過去に素敵な取材をしてくださった泉さんと「おもしろいこと」をしてみたいと考えていたら、音声配信を始めることになりました。
 
そして不思議なことに、「TABI SHIRO」のプロデューサーである野村さんは、泉さんの前職時代の同僚。やっぱり、実現する夢の近くには、いつだって縁があるのです。出会いを大切にしていれば、たいていの夢は叶うものだと信じています。
 
そもそも、私がSHIROの社長になり、会長になったのも、出会いがきっかけです。なんとなく参加した企業説明会で、汗だくで夢を語るおじさんに心を掴まれて、気づいた頃には社長になっていました。コスメティックの知識はゼロだったけれど、会社には化粧品と食品をつくる設備があり、コスメティックに詳しい顧問の方がいろいろと教えてくれて、今日のSHIROがあります。
 
もちろん「出会いに恵まれる自分」でいることは重要ですが、出会うべきタイミングで、出会うべき人に出会えるのなら、出会いは手段ではなく目的になります。だって、出会いが夢を叶えてくれるのですから。
 
「起業に必要な資金は、どうやって調達すればいいですか」
「会社に必要な仲間は、どうやって集めればいいですか」。
 
SHIROの経営者として学生さんと会話をするとき、熱心に夢を語る彼らから、たくさんの質問をいただきました。
 
夢を叶えるために、人やお金を集める行為は間違っていません。
でも、そんな風に考えるより、身近にいる好きな人と、好きなことをやってみるのが一番だと思うのです。進むべき道を間違えていなければ、お金と仲間は不思議と集まるものです。そして、そうやって立ち上げた事業は、もっと素敵な出会いを呼び込んでくれます。
 
ひとりで描く夢は、ひとりが想像し得る範囲までしか膨らみません。
でも、みんなで夢を描けば、描いた人の分だけアイデアが広がっていきます。関係人口が多いほど、人生も物語も豊かになっていく。そうであれば、出会いを軸にする生き方を選ぶのは、とても魅力的な選択なはずです。

出会いの数だけ夢がある

私が出会いたいのは、「社会」が主語にある人たちです。
いつも、そんな人に惹かれます。
 
SHIROを経営する目的でもありますが、私の夢は「社会をよくすること」です。後世に美しい地球を残すこと、子どもたちが安心して暮らせる社会をつくることに、人生を賭けています。私と同じ未来を見る人に出会うと、どうしても心を惹かれてしまいます。「あなたと一緒にやりたい!」と、わくわくが止まらなくなるのです。
 
「TABI SHIRO」のMCである泉さんは、言葉で社会にうねりを起こしたいという信念を持っています。手段こそ私と異なりますが、「社会をよくしたい」という思いが通底している自分がので、こうして番組をご一緒させていただくことになりました。
 
私ひとりだったら、きっと「TABI SHIRO」は生まれていません。
リスナーの方はご存知でしょうが、理路整然と話すのはあまり得意ではありませんし(笑)、言葉のプロというわけでもありませんから。
 
新しい挑戦をするときって、なにか壮大な夢を描かなければいけないように感じることがあると思います。就職活動をするにしたって、「やりたいこと」を持つことが条件のように扱われることもあります。
 
でも、実際はそんなことありません。
背中を預けられる仲間ありきで会社をつくってもいいし、出会いありきで会社を選んだっていい。そうすることで、世界はどんどん広がっていきます。
 
SHIROという会社が、SHIROの製品が、「TABI SHIRO」という番組が、あなたにとっての素敵な出会いになっていることを願っています。
 
(編集サポート:泉秀一、小原光史、バナーデザイン:3KG 佐々木信)

いいなと思ったら応援しよう!