話が通じる人は2割しかいない

8:2の法則、これを知ったのはもう十何年前だったか。
働きアリをモデルにした説明で、わかりやすくてよく覚えている。
簡単に言うとこうだ。

アリはよく働くというが、その中でも2割は他に比べて優秀な個体がいる。
そのよく働く2割の個体だけで群れを形成すると、今までは全員が餌を集めてきていたのに対し、そこからまた8割は怠けるようになる。

これは何度優秀な2割を取り出しても同じで、必ず優秀な者が2割出てくるらしい。
そしてこの法則は、数字の多少の変動はあれど世の中の全てに当てはまるらしいのだ。

これは、2割が優れているという話ではない。
何事も8:2に別れるという話だ。
実際に、この実験で、2割が怠け者のアリで8割が働くアリだという話も見たことがある。

私はこれを知ってから随分気持ちが楽になった。
当時私は、職場で10歳上の子持ちのおばさんにいじめられていた。
理由は、私の方がたくさん仕事を任せられていて子持ちでもなければ結婚もしていない私が任せられるのがそれが許せなかったらしい。

当時の私は、子持ちはみんなそんな思想なのだと思っていた。
独身は結婚してもらえない人。
子なしは子持ちより劣っている。
ママ友ルールは世界のルール。
その主婦が言っていたことが本当に、世の主婦全員がそう思っているのだと思っていた。

さて今自分が子持ちになって思うが、そんなことはない。
結婚してるかしていないかで人格が変わるわけでもない、子供がいることで我慢や制約は増え幸せも増えだと感じるが、それが人の優劣に関わるわけではない。

今考えると、あの人の子持ちと子なしの考えは確実に少数派の2割だったと思うし(やはりたまに子持ちは偉いというそういう思想の人はいる。残念なことだ。)、当時職場で頼りにされて好かれていた自信もあるので、私のことを気に入らない2割に彼女が入っていたんだなと感じる。

ところで、この8:2の法則は厳密には2:6:2となるらしい。
2割優秀、6割普通、2割怠け者。
2割があなたのことを愛していて、6割はなんとも思っていない、2割はあなたのことが嫌い。

そして最近私が導き出した答えがこれ。
・2割の友達とは分かり合えて、6割とは普通に過ごし、2割の友達とは疎遠になる。
・世の中の2割の人とは理解し合うことができ、8割の人とは話が通じない。

ひとつ目は、友達にわかってもらえなくても仕方ないということ。
友達と疎遠になってしまっても、それはあなたや友達が悪いわけではない。
そういうものなのだと世の中の理として受け入れると、楽に過ごせるということ。

うじうじ悩んでも結果は変わらないのだ。
あなたは悪くないから大丈夫。

ふたつ目については、私は常々8割とは話せば分かり合えて2割とは分かり合えないと思っていたのだが、違った。
世の中の8割とは話が通じない。

世の中にはTwitterやInstagram、他にも匿名SNS等があるが、それを使うと如実にわかる。
現実ではことを荒立てないようになんとなく流す話題でも、SNSだと匿名性もあり途端に噛みついてくる人たちがいる。
今日ケーキを食べた!というような呟きにすら噛み付く人はいるし、政治の話なんて始めたら相手を論破する勢いの人もたくさんいる。

こうしたSNSを使った結果、私は8割とは話が通じないと結論した。
日本語はお互いできるのだが、会話にならない人もいる。
「今日ご飯何食べた?」と聞けば、「明日は魚を食べます」と帰ってくるような訳のわからなさだ。

よって厳密にいえば、2割の人とは楽しく会話でき、6割の人とは不快か微妙な会話、2割とは完全に話が通じない。ということになる。

とはいえ、日本には2020年において1.258億人、世界には77.53億人がいるらしいから、日本の人口の2割は2516万人、世界の人口の2割は15.506億人である。
数字が大き過ぎてよくわからなくなってきたが、少なくとも目の前の意見の相違を感じる人と仲良くしなくても、あなたと意見が合う人は世界には15億人ちょっといる。

目の前のわからずやに悩むよりも英語なり中国語なりを勉強して、世界で気の合う相手を探す方がよっぽど有意義な時間の使い方である。
ですから皆さん、嫌な人と出会ってしまったら語学を勉強する糧にして、関わらない方が身のためという話でした。

ちなみに私は、気の合う2割以外の8割と過ごすくらいなら一人で過ごす方が良いと考えているので、最近は無駄な集まりに出かけなくなった。
コロナ禍はこの2割との関係を見直し大事にするためにも、誘いを断りやすくてありがたい部分もある。
コロナは早く終わって欲しいが、終わるまでにうまい断り方を探さなくては。

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