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人生雑感∣ブラック大学でも心を無くせば5年も務められるのさ。

 過去エントリーを修正して再掲する試み。心が荒んでいた労働時代(地方私大の助教5年目)のはなし。


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 こんばんは。お疲れ様です。
 3年目の冬の朝、起きれなくなっちゃって、起きても寝ても涙止まらなくて、実家に帰る日の朝に夫がむりやり引っ張って起こしてくれて駅まで連れて行ってくれて実家に帰ることができた。
 実家では4日間泣きながら寝続けた。4日目のお昼ごろに、「これってうつ病じゃん!」って気が付いて市内中の精神科に電話したけど当日みてくれるところなんてどこにもなくて、ぜんぶ初診1ヶ月待ち。長いところだと3ヶ月。「いや、1ヶ月待てる患者だったら死なねーよ。クソが。」と思ったら涙も止まって全てどうでもよくなった。


 そんで、はい、やめよーもうやめよー無理無理このままだと死ぬわって思って、職場に戻ったその日に上長に「もう辞めます。」って宣言したけど引き止められた。
 それから辞める、引き止め、辞める、引き止めを繰り返してたらまた授業中に涙が出てくるようになった。それを見かねた上長が給与交渉してくれて100万年収アップと助教から講師へ昇格が確定したので辞めるのやめた。


 その後は心を無にして年収のためだけに働いてる。研究しなきゃという焦りはあるけど、なんか、もう、研究者なんてもんじゃなくてただのサラリーマンなんよね。
 私は、学生を卒業させて免許与えるのが仕事のオフィスワーカーです。プライドなんてないです。ここは小学校みたいな場所だよ。
 学問へのポリシーなんてものはここには存在してないし、それを学生に守らせたり教えたりする労力をかけたくない。疲れちゃう。時間の無駄。でも年収100万上がったらちょっとがんばれるかも。知らんけど。


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 はい、お疲れさま自分。よくがんばりました。授業中に涙が出てきたのは、大教室の最後部だったので学生には見られていない。
 朝起きれなくなって涙が止まらなくなったのは入職して3年目で、初年次ゼミ(1年生20人くらい)、3年生ゼミ、4年生ゼミを含めて年に20コマやってた。授業は1つの科目を5クラス持つならまだしも、全部違う授業(笑)
 小学校の教員なみに授業やってた。委員会は3つ。その他に年6回ほどオープンキャンパスと入試。高校訪問、出前授業。これが地方私大の若手教員のリアルでーす。他にもまだまだ仕事ありまーす。

 ちなみに若手教員を脱して役職がつけば楽になるかといえばそんなことはなく、寧ろ執行部としての会議や責任が増えて更にハードモードという印象。

 この頃、某国立大の助教さんが、確か週3コマで「研究に集中できないんで辞めます」みたいなツイートしてて、心から「は?」と思った記憶がある。そんな贅沢な環境で集中できないって、どこでなら集中できんの?(笑)という気持ち。研究ばりばりやってる先生は求めることが違う、眩しすぎ。
 私なんて研究室棟なんて静かな建物に研究室があるわけでもなければ、個室でもない。まあだから集中できるのは4限終了後だったんだけど。

 まあそれはおいといて、私は「一粒で三度美味しい」を合言葉にがんばった。
 地域交流のイベント依頼があれば、授業かゼミで参加するようにして、当日は15コマのうち2コマ使ったことにしてその分授業を早く終わるようにして休みを増やす。そして休日出勤で振替休日の権利をゲット。
 学生はなんだかんだイベントを楽しむので、最終的に授業が楽しいような印象になり、成長できた感もあるし、授業が早く終わってラッキー。実習のように指導役の先生を気にしないで子どもと関わる機会を持てることもよかった。
 ※もちろんシラバス的に問題ないようにしているし、免許に必要な科目ではやってない。
 余裕がある場合はデータをとったり、実践報告で紀要にあげる。そんなかんじで「一粒で三度美味しい」だ。


 そして、予算を申請できる立場になったとき、外部講師を積極的に依頼するようにした。
 呼ぶ講師は、自分では教えられないけど自分の関心のあるテーマに秀でた先生。もちろん授業の目的から外れないように内容や目的は細かく伝える。それに応えてくださる先生ばかりで本当にありがたかった。
 教育学は複合的だから、あらゆる領域を広く知ってないといけないけど限界がある。これは現場に出て先生やるときも一緒。限界があるから、そこから先は専門家に頼ればいい。そうやっていろんな専門家が現場に関わってることを示すことで学生がもつ「先生」という職業は大変だというイメージを少しでも減らすことができたらいいし、働き始めて行き詰まったときに頼れるところを思い出してくれたらとも思っていた。

 ちなみに、本学は予算に厳しく、事務方があれこれ質問してくるのだが、このやり方を否定するなら持ちコマ数から見直してくれよ、と強気でいた。文句言うならお金出すか適正労働時間になるように工夫しないとね。雇用側が配慮してくれないなら自分で自分に配慮して死なないように楽するだけ。
 無事生きて33歳を迎えて娘を授かれてよかった。

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名無しのしりしり
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