味覚
ぶっちゃけ言うと酸いも甘いもわからん
酸いも甘いも噛み分けた大人になりたいなぁとか思うけど
苦い辛い その方が私の人生みたい
猛勉強してなんとか入学した大学は1年で辞めた
あんなに頑張っても何の意味もなかった
理由はただ楽しくなかったからだ
簡単、私は簡単
別に大学に入って髪の毛を染めて仲間と盛り上がって、彼氏を作って、遊んで、たまーに真面目に勉強してとか
そんなTHE大学生活みたいなのを期待していた訳じゃなかった
でも、なんか楽しくなかった
苦かったとても、コーヒーやゴーヤなんて比じゃないくらい
辞める間際に彼氏ができた
優しくてとても頭がよかった
でも半年も続かなかった
彼は私に隠れてホストクラブでバイトをして
よく指名をくれるどこぞの女と付き合った
ぶちギレた、恋は辛(から)かった
辛(つら)くはないある意味悪い刺激が強すぎて辛(から)かった
それはもう、韓国料理やデスソースなんて比じゃないくらい
そんなこんなで今に至る
今は中小企業の事務職
運良く正社員になれた、でも待遇は……といった感じだ
これも苦い
何が苦いって、ペーペーの私があーだこーだ言えないあたりが苦い
酸いも甘いもって良いよなって思う
酸っぱいの好きだし、甘いのも好きだ
というかだいたい酸いも甘いもどっちもご褒美だ
自分にしてみれば
なぜこんな事を想ったのかは分からない
今はその中小企業からの帰り道
満員てほどでもない電車
大学生の頃はまっていバンドの曲が再生された
大学の帰り道はこの曲をリピートしながら電車で帰っていた
同じような風景が流れていた
就職しても大学生でも、今も少し昔も大して変わらない風景が流れていた
とても切なくなった、なんか泣きそうになった
成長してないとかじゃないはずでも何か足りなかった
心のなかは大泣きだった
涙は塩味だった。
今さらになって塩味がやってきやがった
いつになったら酸いも甘いもやってくるんだ
ひたすらのしょっぱさを感じながら電車は同じ風景を流していた
最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキしてくださるととても嬉しいです。 してくださらなくても、目を通してくれてありがとうございます。