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摩耗


滑車のような感じだった。

あなたは少し私に惚れすぎていたように思う。

それを私は楽しんであなたの心を上げ下げした。

釣瓶落としのように水の入った重い桶、そんなあなたの心を私は自在に上げ下げした。

私が笑えばあなたも笑って、私が不安な顔をすればあなたも同じように…

時に自然に時に意図的に。

世間ではこれを弄ぶとか言うらしいけど、生まれてこのかたそうだから知らない。

でも少し遊びすぎたみたい。

滑車に擦れたロープは度重なる摩擦で消耗されていく。

切れてあなたの心が永遠の水の底へ落ちていくのも時間の問題かもしれない。

落ちたらどうするか?そんなの

「楽しかったありがとう」で次を探すだけ。

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高野しりもち
最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキしてくださるととても嬉しいです。 してくださらなくても、目を通してくれてありがとうございます。