マリー・バレンシア
お花畑で横たわっていた目を覚ました
あり得ないくらいの種類の花が咲いていて
とてもいい匂いがした
なぜかタキシードを着ていた
丁寧に仕立てられたフォルム、値が張りそうなサテンの生地
こんな僕にも馴染むように作られている
遠くから誰かがゆっくりと歩いてくる
淡いピンク色のドレスに濃いめのメイク
豪華な見た目とは裏腹にポニーテールに緑の宝石がついた髪飾りは少し控え目だった
彼女は僕の前で水をすくうように両手を差し出した
すると白い小さなかすみそうが溢れんばかりに手のひらから沸いて出た
「私はマリー・バレンシアと申します。この世界ではこの、かすみそうが金銭の代わりになります。だから受け取って下さい」
優しい微笑みと、なぜ花が金銭の代わりになるのか
困惑しながらもかすみそうに手を伸ばした
その瞬間目が覚めた
ぼんやりとしながらも不思議な夢だった
しかしドレスの彼女は今恋してる人に似ていた
小さく「誰だよそれ…」と呟きながらも
嬉しいことにかわりは無かった
現実の此処でも彼女と話せるといいな。
マリー・バレンシアではなく現実の彼女に。
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