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僕が指ではじいたアリは、恐竜時代から生き残ってきた

ピクニックをするために、京都駅近くの梅小路公園に来た。

僕と妻さん、妻さんの友達2人。圧倒的に女子会だけど、今さら気にすることもない。姉と妹にサンドイッチされて生きてきた。妻さんの友だちによると、僕の半分は女性らしい。

暖かな日差しの下でレジャーシートを敷いて〜なんて考えていたけど、予想最高気温は30℃。迷うことなく日陰を探す。広めの屋根付きベンチのもとでレジャーシートを敷いて、荷物を置いた。

京都駅にある伊勢丹の地下で買ったサラダやコロッケなどなどを並べていく。デパ地下の惣菜は特別感がある。サラダに生ハムなんて入れちゃって。別に生ハムはスーパーでも買えるけど、デパ地下サラダとして食べるのが良いのだ。最近、家では雑に洗ったレタスばっかり食べていた。

ならべた料理の写真を撮って「うまくいかんねえ」とみんな首をひねっている。料理写真はいつまで経っても撮り方がわからない。学んでみたいものの、料理の写真をあとから振り返る習慣があまりない。結局雑に撮ってしまう。

食べきれなかったカヌレは今も冷凍庫に眠っている

暖かくなると活発になるのは、人間だけではない。梅小路公園は自然が豊かだ。つまり、人間以外の生物も豊かだ。

鳩がひっきりなしに覗き見してくるし、気づかないうちに蜘蛛が頭に登ってくる。わあきゃあ言いながらも、冬が終わったなあと呑気なことを考える。GWはとうに過ぎているのに、ずいぶん呑気な頭だなあと自分でも思った。

当然、アリもシートをよじ登り、コロッケを物色しにやってくる。そのコロッケは僕が大好きな神戸コロッケだ。誰であろうと譲れぬ。殺さない程度に指で弾く。

でも弾かれたアリからしたら、僕たち人間がアリの庭で図々しくシートを広げている、とも受け取れるかもしれない。たかだか数百万年しか生きていない生物種が、図体のデカさを盾にドカドカとやってきやがって〜って。

アリって何年前から生きているのだろう?ふと考えて、仕事の空き時間に論文を読む。

恐竜時代から生きてきたアリ

日常のふとした疑問をきちんと掘り下げてみる。そうすれば、日常が大いに豊かであることを思い知る。自分の小ささを感じて、そんな自分と大自然に感謝のような気持ちさえ芽生える。

アリの起源はおおよそ1億年前(1)。恐竜がわっさわっさしていた時代において、最古のアリの化石が発見されている。

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