交わることないラブレター
ユンギさん、雨の音がしますね
もう春だというのに肌を撫でる風は冷たく、私はまだコートを手放せずにいます
今日みたいな空の機嫌が悪い日は特にあなたが気になります
韓国の天気はどうですか?空の機嫌はいいですか?
寒い思いはしていませんか?春の匂いはしていますか?
私の勝手なイメージですがあなたを見ると澄み渡るように晴れた空じゃなく、様々な色が折り重なって作られた曇り空が思い浮かぶんです
不思議ですね、あなたはとても温かく穏やかな空みたいな人なのに
あなた自身が曇っているとかそういうことを言いたいんじゃないんです
自分でも何故かわからないけど、この空を見ると悲しいくらいあなたを愛しく思います
色を折り重ねるように生きてきたあなたの生き様に少し似てるからかもしれません
私ね、ユンギさん
こんな風に肌寒く窓を叩く雨音と風の鳴き声がうるさい日はお気に入りの窓辺のソファに座ってあなたの歌を聞くんです
あなたみたいに甘く蕩けるココアを飲みながら
イヤフォンをして音楽と自分だけの世界に入り込めば嫌なことも煩わしいことも全て忘れられるから
手のひらに収まる四角い世界の中のあなたはキラキラと輝いていて眩しく私の心を柔らかく包み込んでくれるんですよ
でも私、あなたに全てを寄りかかって生きていくわけにいかないってこともちゃんとわかってます
あなたにはあなたの人生があるように私にも私の世界があるから
たまには他のことを考える日だってあるんですよ
大好きな映画のこととか本のこととか色々と
あなたの世界に触れながらも自分の世界は崩さないように心がけてるんです
私の全てであることに変わりはないけど他のことも大事にできる余裕を持ってあなたを愛したいんです
誕生日の時に書いた手紙の中で私の病気の話が出てきましたよね
あなたに出会って私、本当に変わったんです
自分を愛せるようになりました
あなたの力を、私のことを好きだと言ってくれる大切な人たちの力を借りて
まだまだ先は見えないけれどきっといつかあなたみたいに輝いてみせるからそこで待っててください
ユンギさん好きです
たまらなく愛しく思います
あなたが私達に溺れるほどの愛を毎日くれるから、私もあなたを溢れるほどの愛で包んであげたいと思うんです
たまに私達の愛が負担になってしまうのではないか
私はあなたに愛をもらうに値する人間でいれているのか不安になります
あなたは私のこんな不安、いつもみたいに困った顔で笑ってくれるんでしょうね
さっきよりも雨と風が強くなってきました
空を見るとやっぱりあなたの顔が浮かびます
ココアももう猫舌の私にちょうどいい温度になりました
イヤフォンからは変わらずあなたの声がします
こんな手紙、あなたが見たらなんて思うんでしょう
優しい人だから世界中からの想いを込めた言葉たちを大事に大事にしまっておいてくれるんじゃないかなと思います
そして私は今日も飽きずにあなたへの交わることないラブレターを140文字にしたためて青い鳥に乗せて羽ばたかせるんです