知床オプショナルツアーズSOT!

知床で暮らす千葉県出身の自然ガイドが書く雑文です。

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最近の記事

恋の再利用券

作詞:五香三作 唄:三つ峰たかし 白井ゆき 男 お前と二人で歩く道   湖の前にヤツがいる 女 引き返すにはあまりに早い   けれどもそれが決まり事 男 越えていきたいヤツの横 女 けれど世間の目がつらい 男 今日はこのまま帰る道 女 次はあなたと二時間後 共 使う二人の再利用券 女 あなたと再び歩く道   二人のじゃまはさせないわ 男 決して平らな道ではないが   進む先には待つ未来 女 越えて行きたいE地点 男 けれど無線が鳴り響く 女 今日はおしまいさよならね 男 

    • 知床ガイドの落語・・・長短

      気の長い長介と、むやみに気が短い短七の二人は幼なじみ。気性は真逆なのになぜか気が合います。  ある日、短さんが長さんを誘って知床五湖を歩こう、ということになります。入り口についた二人。でも長さんはのろのろ準備をしており、なかなか歩き出すことができません。それを見ていた短さんは、じっれたくてしょうがない様子。  それでも何とか歩き始めると、あちこちで写真を撮っているため全然前へ進めません。さらにはスマートフォンの操作に手間取って何度も何度も撮影をしているので、短さんはますます

      • 知床ガイドの落語・・・餃子食い

        知床のガイド会社・雪乃屋の若い連中が取引先からビールを3ダースも貰いました。 松:ちょうどよかった。横丁に餃子専門店が開店したから開店祝いに餃子ができ次第、どんどん持って来いと注文しておいたぜ。 餃子屋:お待たせしました。餃子屋です。出来たらまたすぐに持ってまいりやす。 竹:こういうのは縁起ものだよ。運がつくように「ん(運)廻し」をやらねえか。「ん」のつく言葉を言って、「ん」一字につき1つ食えるというのはどうだい。 梅:そうだね、なら「硫黄山」で1つ貰えるな。 笹:じゃあ私

        • 知床ガイドの落語・・・五湖徳

          道楽が元で親から勘当されて、知床のガイド会社・雪乃屋の二階に居候の身の徳兵衛。ある日ふとガイドになりたいと言い出します。 親方:若旦那、ガイドは朝が早いんですよ。あなたみたいに朝に弱い人はガイドなんぞになれやしません。 徳兵衛:なれやしねえったって、やってみなきゃわからねぇじゃねえか。 親方はガイドの大変さを一生懸命に説くのですが、 徳:そうかい、そうかい、親方のとこが駄目だって言うなら、よそへ行ってガイドになるよ。SOT!っていう会社は親方もおかみも優しいっていうから

          知床ガイドの替え歌・・・キモチブルー

          わかってる ほしいんでしょ 艶やかな この木の実 黒いクマたちを 引き寄せる ミズナラの木から 落ちる粒 わかってる ほしいんでしょ 川を行く この魚体 秋に群れなして泳いだら 大きな爪出し 飛びかかる そんなにお腹すいてるの? そのうちじゃなくて 今すぐがいいの 冬眠前に備えて 期待よりも 餌が見つからない Ah すぐそこまで Ah 冬が来てる 細い体のまま 穴を掘る わかってる ほしいんでしょ 刺激する 満腹中枢 木に登ってまで 餌を取る それはオレのものだシマ

          知床ガイドの替え歌・・・キモチブルー

          知床ガイドの落語・・・子は鎹

          酒癖が悪く女に入れあげた挙句、女房と大喧嘩をしてしまったガイドの熊五郎。 愛想を尽かせた女房のおみつは息子の亀吉を連れて家を出て行ってしまいます。 それから三年の月日が流れ、女とも別れてしまった熊五郎は心を入れ替えてガイドの仕事に精を出しました。元々腕のいいガイドだったため、仕事は順調そのもの。となると出て行ったおみつと亀吉のことが気になってしかたがないのですが、自分の蒔いた種なのでどうすることもできません。 ある日、付き合いのある仲間の依頼で網走で仕事をすることに。その

          知床ガイドの落語・・・子は鎹

          知床ガイドの落語・・・羅臼山

          ある日、知床のガイド会社・雪乃屋に相撲部屋の親方が訪ねてきました。 ガイドの依頼だと思った社長でしたが、そうではなく親方は頼みがあるといいます。 頼みというのがまたおかしなもので、部屋の力士一同、鹿児島に地方巡業へ出かけることになったのですが、看板大関の羅臼山(らうすやま)が大病を患って巡業に出られません。 床に伏せる動けない羅臼山。数年に一度の巡業に看板大関が行けないとなると、興行主も村の者たちもがっかりです。 興行主:相撲は取らなくてもいいんだよ。羅臼山の顔だけでも見せ

          知床ガイドの落語・・・羅臼山

          知床ガイドの落語・・・寿限無

          外平:ご隠居さん、こんちは。 ご隠居:おやガイドの外さんじゃないか。ま、お上り。 外:実はウチに子供ができましてね。縁起のいい名前をご隠居につけてもらいたくて・・・。 隠:そうかいそうかい、おめでとう。じゃこんなのはどうだい。ことぶき限無しということで「寿限無」ってのは。 外:いいですねぇ。他にはありませんか? 隠:そうだな。知床五湖のソフトクリームが大変評判ですぐ売り切れるから、その人気にあやかって「五湖の売り切れ」だ。 外:なるほど、他には? 隠:知床五湖と言えば地上遊歩

          知床ガイドの落語・・・寿限無

          知床ガイドの落語・・・お客が怖い

          どなたにもそれぞれ”怖いもの”がありまして、 隠居:お前さんたちは何か怖いなんてものはあるかい? 八五郎:あっしは熊が怖いねぇ。 隠:へぇ、お前さんくらいのガイドでも熊が怖いのかい? 八:いやそうじゃねえんすよ。知床五湖が閉鎖になるでしょ。あっしの仕事がなくなっちまうもんですからね。 隠:あぁ、なるほどそういうことかい。お前さんは? 陣弥:あたしも熊ですね。 隠:やっぱり遊歩道の閉鎖が怖いのかい? 甚:いえ、岩尾別橋の辺りが渋滞になるもんですから。 隠:そうだねぇ。写真撮る

          知床ガイドの落語・・・お客が怖い