ツユモ

通りすがりの恋愛アニメ映画マイスター。 不定期に気になった作品のレビューをしていく。

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最近の記事

【恋もがんばってくれよ!!】アニメ映画『がんばっていきまっしょい』感想

はじめに私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターである。 私はいま、とてつもない怒りに打ち震えている。 その原因は、先日鑑賞したアニメ映画『がんばっていきまっしょい』のせいに他ならない。 いや、まず誤解のないように言うと、この映画自体は割と好きな作品だったのだ。 本作は、松山市に住む女子高生5人が、部活動の中でボート競技に挑む青春アニメ映画である。 超人気女性声優5名をメインキャストに起用し、水着に近い衣装のスポーツに挑む女子高生の青春を描く…という表層だけ見ると

    • 【愛嬌って大事よな】アニメ映画『ふれる。』感想

      私の名は、ツユモ。 つい先日、岡田麿里氏が脚本を務めるオリジナル長編アニメーション映画『ふれる。』を鑑賞してきた。 アニメ好きの皆様には今更説明するまでもないだろうが、岡田麿里氏の作品はいわゆる「王道展開」とは真逆の作風をもつものが多く、とにかく癖が強い。 私の場合『泣きたい私は猫をかぶる』や『空の青さを知る人よ』は好き好き大好きなのだが、『アリストテレスのまぼろし工場』や『心が叫びたがってるんだ。』は微塵も刺さらなかったので、今回も一か八かの賭けの気持ちで劇場に足を運んだ

      • 【東ゆうの面影を求めて】アニメ映画『化け猫あんずちゃん』感想

        東ゆうの魂を持つ者私の名は、ツユモ。 ときどきアニメ映画の感想を書くことが趣味の生き物だ。 2024年、今年はアニメ映画の公開本数が多い大豊作の年である。 『ウマ娘』『ルックバック』など数々の名作が公開され、下半期には『魔法少女まどかマギカ』といった大作も控えるなかで、私の心に最も深い爪痕を残したのが、『トラペジウム』という作品の主人公・東ゆうである。 彼女の人物造形は、とても私などの表現力では一言で言い表せない奥深さを持っているのだが、強いて言えば「行動力の化身」「狂気

        • 【一生分の絶望を】アニメ映画『ルックバック』感想・レビュー

          私の名は、ツユモ。 いま話題のアニメ映画『ルックバック』を見てきたので、今回はその感想を綴っていきたい。 まず初めに伝えておくと、各界の著名人からの大絶賛によって天高く上がり切ったハードルを悠々と超えていく大名作だった。 私自身そんなに涙もろい方ではないのだが、上映中に何度も目頭が熱くなってしまって、「たった58分で、人はここまで涙腺を刺激する作品を作れるんだ…」と一歩引いてメタ的な意味でも感動できた良い作品である。 めちゃくちゃ雑な言い方をしてしまえば、本作には主要人物

        • 【恋もがんばってくれよ!!】アニメ映画『がんばっていきまっしょい』感想

        • 【愛嬌って大事よな】アニメ映画『ふれる。』感想

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          【純真ゆえの歪み】アニメ映画『数分間のエールを』感想・レビュー

          私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターである。 今日も今日とて、特に恋愛要素のないアニメ映画『数分間のエールを』の感想を綴っていきたい。 今作はMV制作に没頭する高校生・朝屋彼方と、ミュージシャンとしての夢を諦めた英語教師・織重夕が出会い、それぞれの分野での「モノづくり」の中で心を通わせていく物語である。 恋愛アニメ映画に日々飢えている私などは、鑑賞前から「もしかして恋愛要素あるか!?」と期待していた部分も多少あったのだが、観終わった今になって思うとこの作品において「

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          【まさかの因習村モノ?】アニメ映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』感想・レビュー

          はじめに私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターである。 『好きでも嫌いなあまのじゃく』は、『泣きたい私は猫をかぶる』や『雨を告げる漂流団地』を手がけたスタジオコロリドが制作したアニメ作品であり、5月下旬よりNetflixでの独占配信に加えて全国の一部映画館でも上映されている。 もともと『泣きたい私は猫をかぶる』の大ファンであった私は、情報初出時から公開の時を心待ちにしており、喜び勇んで映画館に足を運んだ。 …のだが、結論から端的に言うと、映画が流れている間ほぼずっ

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          【夢ってのは呪いと同じなんだ】アニメ映画『トラペジウム』感想

          モンキー・D・ルフィの主人公性『トラペジウム』の感想を見に来た方に藪から棒な質問だが、皆様は『ONE PIECE』という作品をご存知だろうか? 週刊少年ジャンプにて絶賛連載中・毎週日曜朝にテレビアニメ放映中の世界的人気を誇る、超王道少年漫画である。 一応知らない方のためにざっくり要約すると、主人公モンキー・D・ルフィが「海賊王になる」という夢を叶えるため大海原に乗り出し、個性豊かな仲間たちを集め、さまざまな困難を乗り越えていく…という物語なのだが、私は昔からこのルフィという

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          戦隊屈指の異端児『王様戦隊キングオージャー』のファン論争について真剣に考えてみる

          はじめに本日2024年2月25日(日)、スーパー戦隊シリーズ47作目『王様戦隊キングオージャー』が最終話を迎えた。 昆虫がモチーフ、メンバー5人全員が王様という設定、「LEDウォール」という巨大LEDパネルを活用した特殊な撮影手法、性別不詳設定のメンバーの存在、スピンオフ漫画のWEB連載、「僕」が一人称のレッド…などなど、長いシリーズの歴史の中でも初の試みが多く存在する、まさに「挑戦作」と言うべき作品だ。 番組としての評価はどうかというと、 ・「ネット流行語100 20

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          最近観た映画の感想雑記まとめ(『プリキュアF』『ゴジラ-1.0』『BLUE GIANT』『駒田蒸留所』)

          はじめに私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターを名乗っている者だ。 ここ最近、なぜか観たい作品が重なりまくり、ほぼ毎週のように映画館に足を運ぶようになっている。 映画は素晴らしい。約2時間もの間薄暗い空間で、誰と会話することもなく孤独にエンタメに向き合う体験は確実に私のQOLを上昇させている。 しかし、人間の記憶は脆く、儚い。 どんなに良い作品を見ても加速度的に記憶が失われていくのが悲しくて1年ほど前からnoteに記事をあげるようになったのだが、最近感想を書く時間

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          有休取って観た『アリスとテレスのまぼろし工場』が全く肌に合わなかった人の話

          はじめに『アリスとテレスのまぼろし工場』とは、『呪術廻戦』や『チェンソーマン』で知られる新進気鋭のアニメスタジオ、MAPPAが手がける初のオリジナル劇場アニメーションである。 脚本・監督を務めるのは、『空の青さを知る人よ』『泣きたい私は猫をかぶる』など数々の名作を生み出してきた岡田麿里氏。 「恋する衝動が世界を壊す」というキャッチーなコピーからは、一組の男女の恋愛が世界を巻き込む事態に発展する古き良きセカイ系の物語を想起させ、「恋愛アニメ映画マイスター」である私などはもう

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          【致死量レベルの青春濃度】『劇場版「からかい上手の高木さん」』の感想を今更語る

          私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターである。 今回の記事のテーマは、表題の通りだ。 本作は2022年6月に劇場公開された作品であるが、なんとなく見る機会を逃してしまっていたため、先日Amazon Primeで初めて鑑賞したのである。 だが、私は軽い気持ちで深夜に再生してしまった自分の浅はかな行動を酷く後悔した。まだ見ていない方がいれば一つ忠告しておくが、この作品、自分の人生というものに悲観している大人は見ない方がいいかもしれない。 私はこの映画を見終わったとき、

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          【映画レビュー】『シン・仮面ライダー』に対して私が期待していたこと

          はじめに私の名はツユモ。 普段は、「恋愛アニメ映画マイスター」を生業として活動している。 しかしながら、今回は「恋愛」でも「アニメ」でもない『シン・仮面ライダー』の感想を語っていきたい。 たまにはそういう日があってもいい。自由とはそういうものだ。 私自身は仮面ライダーシリーズ(というか、ニチアサ作品)を長年追い続けて来た割とディープなオタクではあるのだが、一応今回の記事の方針としては、できるだけそういった方面に明るくない方でもそれなりに伝わるように書いていくつもりだ。

          【映画レビュー】『シン・仮面ライダー』に対して私が期待していたこと

          『さよならの朝に約束の花をかざろう』は5年経っても私には早すぎた。

          はじめに私の名は、ツユモ。 恋愛アニメ映画マイスターである。 公開5周年を記念して現在リバイバル上映中の映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』を鑑賞してきたので、今回はその感想を綴っていきたい。 岡田麿里氏監督・脚本として知られる本作だが、やはり岡田麿里氏の代表作といえば、『空の青さを知る人よ』だろう。 主人公の女子高生・あおいの小さな恋の始まりから終わりまで丁寧に描かれた恋愛模様はもちろん、姉妹の絆や夢追い人の苦悩と挫折など様々な要素が絶妙なバランス感覚で成り立った感

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          【恋愛アニメ映画レビュー】『金の国 水の国』を恐る恐る観に行った話

          私の名は、ツユモ。 自称・恋愛アニメ映画マイスターである。 今回は久々にマイスターらしく、「このマンガがすごい!オンナ編1位」の受賞歴もある、岩本ナオ氏の漫画が原作となった恋愛アニメ映画『金の国 水の国』の感想を綴っていきたい。 神をも恐れぬキャッチコピーまず、内容に触れる前に少しだけ本作のキャッチコピーについて語らせてほしい。 公式サイトに記された、本作のキャッチコピーはこちらだ。 この文言を見て、「へ〜泣ける映画なんだ、観にいきたい!!」と思った人間は、きっとイン

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          アニメ映画『かがみの孤城』のいじめっ子「真田さん」に想いを馳せる感想記事

          2023年の最初の記事は、本屋大賞も受賞した話題作・辻村深月氏の小説を元にしたアニメ映画『かがみの孤城』から始めたいと思う。 まず凄く浅い感想から入ってしまうが、この作品、タイトルが良い…! 冒頭3文字の「かがみ」というワードは、今作の舞台が鏡の中の世界であることを示すとともに、登場人物たちが自分自身の心と向き合う物語であることも表している。 本作は、いじめ被害に悩み不登校になってしまった女子中学生「こころ」が、自室の鏡と通じる不思議なお城に迷い込み、そこで出会った同じく

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          恋愛アニメ映画マイスターとして『すずめの戸締まり』を語らざるを得ない(※ネタバレ注意)

          私の名は、ツユモ。 「恋愛アニメ映画マイスター」を自称し、気の向くままに文章を書くことが趣味の人間である。 さて、そんな大層な肩書きを自ら名乗る者として、現在大ヒット上映中の新海誠作品『すずめの戸締まり』に触れないわけにはいかないだろう。 そんなある種「使命感」のような想いも持ちつつ劇場へと足を運んだ私は、今こうしてキーボードに指を置いているわけだが、かれこれ数十分どうしたものかと途方に暮れている。 その理由は至極単純明快で、驚いたことに本作のテーマが「恋愛」ではなかった

          恋愛アニメ映画マイスターとして『すずめの戸締まり』を語らざるを得ない(※ネタバレ注意)