どこに行っても消毒!消毒!消毒! 消毒して何の毒が消えるか、私達の命?
白柳 孝 つれづれ日記 vol.40
1.鳥インフルエンザの時に養鶏場に指示、鳥の餌に消毒薬を混ぜよ!
以前渥美半島に鳥インフルエンザが発生したときの話です。 顧問先の養鶏場 の社長が農水省の役人から、鳥の餌に消毒薬を混ぜて食べさせよという指示が来たと話された。私はそれを聞いて大声で「馬鹿な、胃腸にはものすごい数の細菌がいてそれらが人間と共生し免疫力にもなっている、体内に消毒薬を入れれば鶏全体が健康を害す」と、鳥インフルエンザにかかりやすくするようなものだ。
海外旅行で同じものを食べても、なぜ現地の人は元気で、日本人はお腹を壊すのか。これも同じです、日本人が清潔を重視するあまりに生活空間から必要な細菌を消し去っているからなのです。
2.「原因が解らない」という潰瘍性大腸炎は腸内細菌の枯渇が原因
もうすぐ退任の内閣総理大臣安倍晋三氏が患っていることでも有名な潰瘍性大腸炎は、欧米諸国で多い病気ですが、日本でも平成22年度の集計で約11万7千人が登録されており、毎年約5千人ずつ増えています。
人間の身体には免疫が備わっており、細菌やウイルス等の外敵が侵入すると、この免疫が働き攻撃してくれます。ところが、潰瘍性大腸炎の患者さんの免疫は自分の大腸を外敵と認識してしまい攻撃します。その結果、大腸で炎症を起こし、びらん、ただれ、潰瘍を作ります。
3.現在はどこに行っても消毒消毒だが、本当に大丈夫か?
「手を洗い、消毒するほうがいいのか?」
「手をあまり洗わず、消毒もしないほうがいいのか?」
じつはどちらも正解なのです。
身の回りの微生物をなくすと、バリア機能が失われる
手洗い、消毒するということは、病気をおこす病原体(今回の場合は新型コロナウイルス)を積極的に攻撃して排除して防ぐ効果がある一方、過度な石けんの使用や消毒は、皮膚に存在する常在菌にとっては大きなダメージにつながります。
常在菌とは、自分のからだの内側と外側に存在する細菌や微生物の総称です。
本来、人のからだの内も外も微生物だらけであり、たとえば腸内細菌は約100兆個も存在しています。人はそれらの微生物と共存している生物です。
そして、それらの微生物が人の健康にとってもっとも大事なのです。
たとえば、自分のからだを守るのが免疫の働きですが、この免疫のシステムは、生まれてから毎日毎日、自分の身のまわりの微生物とコミュニケーションをとりながら成長、完成、成熟しています。その微生物を排除しすぎることは、自分のバリア機能をみずから下げていることにもつながるのです。
どこに行っても入り口にある消毒薬だが、本当に効果があるのか? 間違ったものが入ってないか? マスコミに煽動されたお店の入り口にある消毒薬は本当に信用できるのか? 消毒しないと白い目で見られるので、何が入っているか不安だが消毒せざるを得ない。これを回避するには、 消毒薬のマイボトルを持とう、あちこちで中身の分からない消毒をするよりも、自分で決めた消毒薬のマイボトルを持つ方が安心である。
4.新型コロナウイルスとは長い付き合いになるから、付き合い方をしっかり理解した方がよい。
【新型コロナ】から学ぶウイルスとの付き合い方|免疫力と常在細菌の防御力を再確認
税理士 白柳 孝