『俊寛』『音菊曽我彩』『権三と助十』 辰 歌舞伎座 錦秋十月大歌舞伎
<白梅の芝居見物記> 平家女護島(ヘイケニョゴノシマ) 俊寛
『平家女護島』は、享保四年(1719)八月に大坂竹本座の人形芝居として初演されました。作者は近松門左衛門。全五段の時代物で二段目の「鬼界ヶ島の段」が通称「俊寛」として現代でも度々上演されます。
タイトルにある「女護島」とは、海上にある女性のみが暮らしている島とされる伝説上の地名です。こうした伝説は日本にだけあると考える向きもあるようですが、私はむしろ世界的広がりのある「人魚姫伝説」とも関連付けて考えるべきも