作業療法がわからない
養成校の頃からずっと分からなかった.
受験前からずっと分からなかった.
働きだしてからも長い間分からなかった.
専門性ってなんだろう?
作業療法らしさってなんだろう?
作業を療法として用いるってなんだろう?
そもそも作業ってなんだろう?
ずっと悩んでいた.
雲を掴むような悩みを漠然と抱えながら悶々と仕事をしていた.
そんななかで出会ったのが、齋藤さんのブログ,上江洲さんのブログ,藤本さんのブログ,友利さんのブログ,澤田さんのブログ
全部は理解できなかった.
だけど作業療法について改めて学ぶことが心から楽しかった.
齋藤さん達が登壇すると聞けば,一人きりで県外の勉強会に行ったり,一人で学会に行ったり.
職場では変な目で見られていたっけな.
「急にどうしたの?」
「意識高いんだね?」
全然気になりません.
やっと作業療法がどんなものなのか分かりかけて来たんです.
やっと霧が晴れてきたんです.
あともう少しで輪郭が見えてきそうなんです.
一人でリハ科の出張費を爆発させたこともあったっけな笑
科長からちょっとだけ怒られた笑
自分にも真似できないだろうか?
自分の職場でも実践できないだろうか?
明日,あのCLと一緒に新しい作業が行えないだろうか?
新しいチャレンジをするたびに職場では変な目で見られていたっけな.
「急にどうしたの?」
「うちはそういう施設じゃないよ」
「リハビリ中にコーヒーを飲むなんてサボっているの?」
「あなたがやっていることはリハビリではないのかもね」
なかには応援してくれる人や一緒にやりたいと協力してくれる人もいたけど,圧倒的に少数.
声の大きな方々から言われると気にしちゃうよね.
やめるのは簡単なんだけど,いきいきとした表情で作業に取り組むCLの姿や一緒に取り組んだことで作業療法の魅力に改めて気がついたと言ってくれた後輩達の姿を見るたびに,これは意味があることなのかもしれないと思っていた.思うようにしていた.
何より自分自身が,そのような姿を見ながら作業療法をすることを本当に楽しんでいたのかもしれない.
部屋に引きこもっていたCLと一緒にyoutubeを観て笑い合ったり,
集団活動が苦手なCLと一緒に日向ぼっこをしたり,
施設の花壇から花を拝借して生花をはじめたり,
冬に向けて小さな門松を作ったり,
子供の頃に母親と一緒に観た思い出の映画の上映会をしたり,
お気に入りの革ジャンを着てカラオケをしたり,
折り紙でOT室を飾ったり,
毎朝一緒に美味しいコーヒーを淹れたり,
茶道教室を開いたり,
思い出すのは穏やかな笑顔で作業に取り組んでいたCLの表情.
何も出来ないと思っていた療養病棟でもこんなに沢山の作業ができるじゃないか.
出来なかったのか,
今までやろうとしていなかったのか,
出来るとは思っていなかったのか,
出来る方法を知らなかったのか,
全てがうまくいったわけではない.
沢山の方々に注意されたし怒られた.
「それはリハビリとは言えない」
「今はそんなことをやるべきではない」
「私のリハビリの時間にコーヒーが飲みたいと言われたらどうするつもりなんだ?」
「うちはそういう施設じゃない」
ほんとうにそうかな?
自分がほんとうに正しいかどうかはわからないけど,
出来ないと思っているだけなのかもね.
出来る方法を知らないだけなのかもね.
齋藤さんの著書
【作業で語る事例報告】を何度も読み返した.
プレッシャーで潰れそうになったときには
齋藤さん達にお願いして背表紙に書いてもらった言葉を何度も何度も見返した.
改めて作業療法の魅力を教えてもらい,
作業療法についての考えを再構築させてもらい,
事例を読み解き,
様々なことを自分の実践で真似した.
学生とも同僚とも新人とも,この本を開きながら様々なことを一緒に考えた.
気がつくと付箋とマーカーだらけでページもボロボロになってしまったな.
何度でも読み返している大好きな1冊.
間もなく第2版が発売される.
まさか自分の実践が掲載されることになるとは本当に夢のようで
未だに壮大なドッキリなんじゃないかと疑っている笑
いちばん嬉しいのは,
あの時に,作業療法が分からないと悩みを打ち明けて,職場も住んでいる場所もバラバラだったけど一緒に作業療法について学びあった仲間たちが同じ書籍に名前を重ねていること.
みんなそれぞれに悩んで,それぞれの職場で苦い経験をして,それでも作業療法を諦めずに悪戦苦闘していた仲間たちが同じ書籍に名前を重ねていること.
これが本当に正しい作業療法なのかは未だに分からない.
今でも不安になることがある.
もっと良い方法があったんじゃないだろうかと悩むことの方が圧倒的に多い.
これが本当に正しいのかは未だに分からない.
でも,僕たちはこれが大好きなんだよね.
過去の僕たちのように,この書籍を読んで作業療法の魅力に改めて気づいてくれることが出来たら本当に嬉しいです.
その書籍に仲間たちと共に名前が記載されていることが恥ずかしくもあり本当に嬉しいです.
この書籍をきっかけに最強の仲間たちと出会ってください.
過去の僕たちのように.
あなたの仲間は驚くほどすぐ近くにいます.
書籍を読んだら,ほんの少しだけ勇気を持って行動してみましょう.
僕は直ぐに調子のってしまうので,
嬉しいけれど天狗になってしまわないように今後も気を引き締めていきます.
書籍を読まれたらご意見・ご批判うれしいです.
お待ちしております.
あなたの明日を変える一冊です.
https://www.amazon.co.jp/dp/4260050257/ref=cm_sw_r_tw_dp_25XHT4569TT80GY6VX1E
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