銃を向けられたヴァイオリニスト

この記事は、3年前にFacebookとアメブロに書いたものです。

noteは文章力が大事という話を聞いたので、今までで一番高評価だったお話を載せさせて頂きますね♪


以下、

当時はいちむじんという5人組のグループに所属しておりました。
今は解散しており、
僕はひとりで活動していく中、去年の秋から矢島聰子事務所に所属させて頂いております。

3年前、結婚して妻のお腹には新しい命が。
そんな中仕事で海外遠征に行った際に起こった本当にあったお話です。

ちょっと海外が怖くなる内容かもしれませんが、皆様も海外に行く際は十分お気をつけくださいませ。



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はい! どーもー!!!

メキシコで銃を向けられたバイオリニストこと、

白須今(SHIRASU KON)です!!

皆様、この度はご心配おかけしてしまい、本当に申し訳ございません。
そして、いちむじんを応援してくださっている方々、ツアーの途中帰国の件、どうかお許しくださいませ。

僕も、あの日のことを忘れようとしていたのですが、、、

忘れられるわけがない!

だって皆様!

銃を向けられたことありますか?

なかなかレアな体験をさせていただきました。

そして、命があるという現実が何よりの喜びであるということを思い知らされております。

このツアーには前から嫌な予感しかしておらず、

ツアーに出る前にはSNSでフライトやどこに泊まってるなどをお知らせするという前代未聞の暴挙に出ておりました。

そして何かあれば皆様すぐに助けに来てくださいねとも言っておりました。

でもまさか、

本当に何かあるなんて!!!

なので、これは誰が悪いとかそういう出来事ではなく、ただただ僕のスピリチュアルパワーが予想的中させたという旅先のイベントでした。

なんのこっちゃ!!

では、何があったかを説明させていただきます。

8月24日から9月4日まではサンパウロにて滞在し、9月5日にメキシコシティ入りしました。

メキシコシティのゲレーロという町は明らかにサンパウロで滞在していたMOEMAという地域とは異なり、古く危なそうな場所での滞在でありました。

1日目は地元のラジオに出演し、4曲ほど演奏させて頂きました。
2日目は下見し、
3日目はサラ・コロナというコロナビールさんが経営する大きなライブハウスでの公演でした。

アテンドしてくださった方々のおかげもあり、
大変大盛り上がりで、ライブは大成功でした。

その日の夜、ライブから滞在先に帰ってくると、

ガタガタガタガタ

グワーングワーングワーン

僕たちはメキシコ大地震に遭遇しました。

幸いメキシコシティの方は震度はそれほど高くはなかったのですが、
なんといっても100年に一度の大震災なので、建物は少しの揺れでも今にも倒れそうな勢いでした。

町中の人もみんな道路に出ており、

今思うと、その時から町に不穏な空気が流れておりました。

自分の嫌な予感はこれかと思い、もうこんなことはないだろうと少し安心しその日は就寝しました。

そしてメキシコ最終日の4日目。

この日はメンバー2名はラジオ出演、

他の3名はピラミッドを見に行きました。

僕はギリギリまで外に出るか迷っていたのですが、丁度この時、太陽フレアが日本では話題となっているという情報が入ってきていたのです。こんな時にテオティワカン(太陽のピラミッド)の近くにいるというのは何かの縁だと、自分のスピリチュアルパワーすげーなぁと思いながらピヨピヨと着いていきました。

たくさんの写真を撮りましたが、残念ながらお見せすることはできません。
色々見せたかった。。。

景色はとても良かったですし、風も気持ちの良い場所でした。

しかし、あまり神聖さは感じることはできませんでした。

それに、博物館にて色々リアルなものを見てしまい、嫌な予感が身体中を巡っておりました。

ざわざわざわざわザワティワカン

ピラミッドを見た後、

メキシコでアテンドしてくださった日本人夫婦のご自宅でのパーティーに誘われ、メンバー全員そこで合流しました。

そこでは大変珍しい楽器も披露されたりと、音楽に溢れるパーティーでした。

当然ピラミッドに登っていたので体力的に疲れている僕は、帰るタイミングを伺っておりました。

同じピラミッドに行ったメンバーの1人も帰ろうということを言ってくれたので、僕とその1人だけはuberというタクシーサービスに乗って帰り、残りの3人はメキシコの音楽ライブを観にいきました。

この旅ではアテンドの人がだいたいは送り迎えしてくれていたのですが、メキシコでは残念ながらuberでの移動が多かったです。

メンバーの1人は助手席に、僕は後部座席に座っていました。

滞在先までもうあと3分くらいの場所で事件は起こりました。

ちょうどその時期は独立記念日が近かったので、街が明るすぎた分、暗い道が目立っていました。

赤信号で止まった僕たちの車に、前方から銃を向けて歩いてくる若者の姿が見えました。

帽子をかぶり、口元にバンダナを巻いた、いかにも僕達ギャングだぜ!って言ってるかのような格好でした。

そして、運転手側の窓を
ドンドンドン!!
とノックし、渋々開けた窓から少し抵抗した運転手の頭を銃で2、3回殴りつけていました。
運転手は流血し、そのままiPhoneを渡しました。

それと同時に、今度は助手席側のドアを開けるもうひとりのまたまた同じ感じの俺っちギャングだぜ全開の格好をした若者が登場しました。

助手席に乗っていたメンバーはすんなりとバッグを渡しました。
冷静でした。

僕はというと、

「オーマイガーオーマイガー。」

をキリスト教でもないのに連発しており、気づかれないように後部座席に隠れようとしていたのですが、案の定見つかりました。この日ほど自分の身長180センチという大きさを恨んだことはありません。

後部座席のドアを開けられ、銃を向けられながら

ギャング「フォンフォンフォンフォン!!」

しらす「のーふぉんのーふぉん!」

隠せばよかったのに座席に置いてありました。

見つかり盗られ、その次に

ギャング「バッグバッグバッグバッグ!!」

しらす「のーばっぐ!ののののーばっぐ!」

首に掛けてあったバッグを無理やり盗られました。

目的を果たした彼らはそそくさと走って逃げていきました。

何回言ったでしょう。

オーマイガーという言葉を。

地震にもあい、

強盗にもあい、

オーマイガー以外に言葉がみつかりませんでした。

運転手は僕らを滞在先まで届け、その後どうしたのかはわかりません。
すぐに警察へ行ってほしかったのですが、運転手はご老人というのもあり、言葉もわからないというのもあったので、滞在先の入り口でアディオスしました。

頭から血を流していたので、
「ゴーツゥホスピタルオーケィ?」とは言っておきましたが。。。

民宿へ戻って気づきました。

なななんと!
バッグの中には財布もパスポートも入れてしまっておりました!

あほーぅ!

もうひとりのメンバーは手持ちのカバンには持ってなかったそう!
えらい!!
というか僕がおバカ!!

うわーん帰れないーー!!

と思っていたのですが、
こういう場合、
日本への直行便に限り、領事館から緊急渡航書というものを発行できるということを知り、僕はもちろんそれに飛びつきました。

必要なものは、被害届とパスポート写真2枚。

アテンドの方の中から交渉術に自信のある人物を引き連れていざ!警察署へ!!

一軒め、なぜか断られるー。

二件め、なぜか入れてくれないー。

なんだメキシコ!!

なんなんだメキシコ!!!

アミーゴアミーゴって言葉を今すぐになくしなさい!!!

と思っていたらようやく門が開き、交渉術マスターの日本人のアテンドの方と僕と2人で警察署に入り、長〜い長い事情聴取が始まりました。

このブログも長〜い長いですが、本当に色々あったのでごめんなさい。

事情聴取してくれたのは、めっちゃめちゃ怖そうなおばちゃん。顔はアンドレザジャイアントみたいな感じ。
何を言っているのかさっぱりでしたが、
察せます。

この人、めっちゃめんどくさそうな顔してる!!

おいメキシコ!!

そこはがんばれメキシコ!!!

その時は夜中の4時半。もう朝か。
仕方ないよねメキシコ。

しらすは泣きそうになりながら、

上目遣いでおばちゃんを見つめて言いました。

「べりーないと、そーりー。」

おばちゃんはニコッと笑い、オーケィオーケィと言い、

そこからめっちゃ親身になってやり取りしてくれて、無事に被害届を作って頂きました。

あれがなければ、もしかすると紛失届というかたちになっていたかもしれません。

べりーないと、そーりー

またひとつ素敵な曲が生まれそうです。

僕達メンバーは、あの宿にいるのは危険だという判断をし、アテンド会社の方々が住まわれているビルで過ごすこととなりました。

ニューヨーク行きのフライトが迫っていたので、僕以外のメンバーにはアメリカへ行って頂きました。

メキシコにひとりというのは心細いのでひとりくらい残ってほしかったのですが、ニューヨーク入りしてすぐに公演もあるということで、4人には行ってもらいました。

次の日、領事館へ行き、パスポート用の写真も撮り、被害届も出し、無事に渡航書をもらうことができました。。。

と言いたいところなのですが、

高いビルの9階に位置した日本領事館。

領事と話している最中に

ブォーン!!ブォーン!!

と警報機が鳴りました!!

地震警報!!

とりあえず1階へ!と
領事はめっちゃ足早に非常階段を下りて行き、僕もそれに着いて必死で階段を下りていきました。

結果、

非常訓練的な警報。。。

アテンドの方も、もう僕といるのが嫌になったみたいで、早くメキシコから出ていってくださいと言われました。笑

そして無事に日本へ帰国させていただき、

その日に40度近くの熱を出し病院に行き、フラフラな夜を過ごし、ようやく元気になり、

ブログを書いている!!

という状況でございます。

また一週間後に検査にいきますが、大事に至らないことを祈ります。

いやー、でも日本に帰ってこれてよかった!!

なんだこの安心感は!!

日本という国にいることがまずラッキーなことなのだと、みんなに言いたい!

そして、

メキシコでアテンドしてくれたエキスポジャパンのみんな!

本当にありがとう!!!

君たちがいなければ、僕は日本に帰れていなかっただろうし、君たちとたわいの無い会話ができていたおかげで僕はあの恐怖体験から立ち直ることができました。

メキシコには頑張っているかっこいい日本人がたくさんいます!!

メキシコが大好きで頑張っている人もたくさんいます。

メキシコ人にもたくさんの良い人がいました!

愉快な音楽と笑顔の溢れる国でした。

僕は今回かなり運が悪かったですが、

しっかりと下調べした上で宿をとったり、車であっても危険な道を通らなければ、最低限の安全は守られると思います。

絶対に大丈夫ということはないので、皆様も海外へは十分にお気をつけくださいませ。

ひとつだけ言えることは、

スピリチュアルパワーさようなら。笑

もうね、
不安を煽るものでしかない!

今後は良いことしか起こらないでしょうし、そうさせてくださいませ!

関係者各位、

こんなしらすをどうにか幸せにしてあげてください。

当分海外へは怖くていけないと思いますので、海外仕事はちょっと控えさせて頂きます。

なので、国内お仕事バンバンくださいませ。

誰も体験したことのないような話、

持ってます!!!

gracias!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



いかがでしたでしょうか?笑


今でも走馬灯の様に蘇るあの瞬間。

しかし、命があったからこそ、
新しい命にめぐりあえましたし、

命があったからこそ、
色んなことに挑戦できたり、
些細なことに幸せを感じることができております。

せっかく生き延びれた命を無駄にはしたくないので、今のこのコロナとのにらめっこにも必ず勝ちたいと思います!

なので、
外出自粛、手洗いうがいをきちんとしていきたいと思います!!!

ともに頑張りましょう!!!!

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